恐怖の洋館 ー円卓の怨念編④ー
信じられないかもしれませんが、今回は割と真面目です。
「右腕はやるよ」
「……それお前の腕じゃねぇから!?」
私たちは追ってきた気味悪い化け物を撃退した。と、いうかすべて剛力が殴ったりちぎったりした。
ちぎった右腕が剛力の手の中でぶらぶら揺れていた。
「もうここまで来ると尊敬するよ」
「それほどでも」
さて、私たちは化け物を撃退後、剛力の発案で人形をすべてあのテーブルまで運んでいた。
「十三体すべてイスにおいてくれ」
「いったいこれでどうなるんだ?」
「ユダの席を探すんだよ」
私はユダという名前に心当たりがある。そしてこの円卓のテーブルがなぜ十三席なのかも。しかしあの脳筋が知っているとは思わなかった。
「円卓の席は十二使徒およびユダをプラスした十三席から成り立ってる。剛力はそのユダの席を探すために人形を?」
「ああ、キリストを裏切ったとされるユダの席が、恐らくこの館を攻略するカギなんだと思うんだよ」
「分からんな。別に他の人でも良くないか?」
私は剛力が何を考え、行動しているのかを測りかねていた。しかし次に剛力が言った言葉は意外な言葉だった。
「実はさ、さっき見つけた剣に記号が書いてあったんだよ。Ptrってスペルが合体してモノグラム化してんだよ。もしも十二使徒がベースになってるなら、恐らくこれはペテロのモノグラムだと思うんだよ。剣は二本持ってるから、あと十本はあると考察できる。そして剣を持っていないのが、ユダだ」
正直驚いた。何も考えてなさそうなやつが真っ先に推測し、それをもとに考察していたのだ。
「この館、というかここの化け物は相当ゲームがお好きみたいだぜ。こんな謎解きをわざわざ用意するくらいだからな」
「ふむ、では同時に銀貨を集める必要もありそうだな」
ここの化け物は明らかにゲームを仕掛けているようだった。ただ一方的に呪うわけでもなく、まるでこちらに謎を解かせるような仕掛けまで施している始末。だいぶ剛力がめちゃくちゃにしたがそれでもまだ生きてるところもあるはず。
「決まりだな。阿武野、ちゃっちゃと集めよう」
今回の進展
屋敷には巧妙なゲームが敷かれていた。
銀貨を手に入れる必要がある。
残り十本は剣があると推測される。