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恐怖の洋館 ー円卓の怨念編⑫ー

次回最終回


そこにあったのはまるで祭りの祭壇の様な場所だった。

「……西洋人を日本風に祀るのかよ」

野原のツッコミはとても的を得ていると思った。


部屋の真ん中には木製の棺の様なものが置いてあり、四方をしめ縄が囲っていた。

剛力はそのしめ縄をくぐり、棺の蓋を開けた。

「……記録に嘘はないようだな」

「なぜ?」

「見てみればいい。分かる」

私は言われるがままに棺を覗いた。

「……ミイラか」

「ああ、血を抜かれて、内臓も全部抜かれたんだろうな。それに手首に無数の傷跡がある」

「皮肉なことだな。ここまできれいな姿で残っているのは」

後ろからのぞき込んでいた原田が呟いた。

「腐り落ちればここまで呪われることもなかったろうに、苦しみから逃れるために死んで今なお、呪いに苦しみ続ける。救われないな」

「ああ、そうだな」

「どうするの? その人」

すると後ろから心配そうな声で真理ちゃんが声をかけた。

「剛力」

私は剛力を見た。なぜなら、彼は笑っていたのだ。

「こいつを因縁から解き放つ秘策がある」

「なに!? なら早速試そう!」

野原はすぐさま賛成した。

「俺たちは除霊なんて出来ないからな?」

原田がそういったところで私は何か、嫌な予感がした。剛力はここまでのシリアスな空気をぶち壊しそうな気がした。

「そんなもんいらねぇよ。あれを使う」

剛力が指差す方、山積みのタンクと木箱。

そこには爆発物注意と書いてあった。

そうだった。忘れていたがここまで剛力はあんな超常現象相手に拳で渡り合ってきた。そんな奴がここに来て超能力的なことをするわけがない。

「この屋敷と、こいつに取り付く怨念はすべて俺が取り除く(物理的に)」

『……』

「さぁ、ここまでさんざん頭ぁ使ったが、こっからは俺の専売特許だぜ!」


剛力の作戦はこうだった。

『この地下室はありったけの爆弾と油で吹き飛ばす。上の屋敷は俺が直々に行って吹き飛ばす。お前らは先に屋敷に油をばらまいて外に出ること。俺は全部済ませてから合流する』

と、いうものだった。

「の、脳筋にもほどがあり過ぎる!?」

「……まぁ、賛成はするよ? いやだって言ってもやるでしょ?」

「もちろん」

この男、火力をもってすべてを片付ける(物理)つもりである。

「大丈夫だ。奴らは光に弱い」

「その理屈はおかしい」

「まずだ、頼んだぞお前ら。上に油撒くの」

「……ま、任せろ」

こうして脳筋作戦は決行した。



Side 剛力

あいつらは屋敷を無事出ただろう。

後は俺の仕事になる。

「姫さん、仇は討つぜ」

地下室中には油とダイナマイトを仕掛けた。

俺の脚力なら爆発する前に屋敷に出られる。

「あばよ姫さん、あの世で達者で暮らせよ。ヨーリア嬢と一緒にな」

俺は手に持っていた松明を投げ入れた。

「じゃぁな」

俺は上に向かって走り出した。

登り終えるとともに爆発音が響いた。恐らく下は粉々だろう。

だが、俺は全部の爆弾を使ったわけではない。

「残りは持ってきた」

早速火をつけて二階に向かって投球した。

炸裂音が響いた。それと同時に火の手が一気に広がり始めた。

「さぁ、姫さんの雪辱戦を始めようか……」

脅威を察した化け物どもがこちらに向かってくるのが見えた。俺は爆弾を投げ込んだ。

ドアをぶち壊し、爆弾を投げ入れる。

階段を上り三階にも爆弾をセットした。

そして爆破。

非常に爽快だ。

「てめぇらの罪の数を数えやがれ! 俺がその分裁いてやる! 絶対に一人も一匹もたとえ地を這うネズミだろうが蟻んこだろうが、俺が全部ぶっ潰してやるぜぇ! さぁ出てこい烏合の衆、こっちもいい加減イライラしてんだよ。あの記録見た時からな、俺はてめぇらぶっ飛ばしたくてうずうずしてんだよぉ!」

襲い掛かってくるやつらを片っ端からぶん殴り、爆発に投げ込む。

この時の俺は最高に笑顔であっただろう。

野郎を千切っては投げ、殴って踏んで、粉々に爆散した。

「散れ、くたばれ死ね死にさらせ悪魔にさらわれろ! この世にチリの一つも残さずに、粉微塵となって消え失せろ!」

今の俺、最高に悪役だぜ。



「大丈夫かな剛力」

「大丈夫さ。俺たちにできないことは、あいつができる」

「全部因縁返して帰ってくるさ」

「私は因縁を返す以上に敵を過剰蹂躙しそうで怖いが」

燃え盛りたまに爆発する屋敷を見ながら私たちは彼の帰りを待っていた。

「あ! 入り口が!」

燃えがひどいのか、入り口が崩れ落ちた。

「ま、まずいんじゃないの!?」

「阿武野、剛力を助けに……」


「まて」


私はみんなを静止した。

そんな必要はないような気がした。

「あいつは大丈夫さ」

「なぜ!?」

だって、あいつはいつも、いつもいつもいつもいつも、こんな窮地は何とかしてしまう。

付き合いが長いからわかる。あいつは大丈夫だ。

昔、閉じ込められたことがあった。

幽霊屋敷だった。トイレから帰ってきた奴はどうしたか、プロローグをまた見てきてほしい。

この後どうなるかが分かるだろう。


「さて、問題だ。筋肉で呪いを殴れるか! 答えは!?」


私は高らかに叫んだ。

屋敷のほうから何やらガッコンだかバッコンだか知らないが、何やら近づき始めた。

そして、焼ける扉の隣の壁がいきなり弾けた。


「答えは、イエスだぜ!」


「剛力!」

「剛力……!」

「うぉぉ剛力ぃ!」

みんなが感嘆の声を上げた。

「みんな逃げろ! ヤッチマッタゼ!」

てへぺろをする剛力。

「屋敷の中にも爆弾あった」

それを聞いた瞬間、みんなの顔が蒼くなった。

「ど、どうすんの!?」

「どうする? 決まってんだろ!」

『……ゴクッ』

「できるだけ遠くまで逃げるんだよぉ!」

『クッソ! すっかり予想道理な回答!』

みんなの声が今日、きれいにはもった。


主人公は一新して物理で攻略シリーズは続けるつもりです。

そのため、どのタイプが面白そうかを調査したいと思います。

同時に三つの主人公のショートストーリーを投稿し、観覧数で次回の主人公を決定するつもりです。

詳しくは次回。

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