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恐怖の洋館 ー円卓の怨念編⑩の2ー

後篇です

「……重い話だったな」

「ヒントもちらほら」

「ヒントまとめるね」

真理ちゃんが出したペンと紙に次々とヒントを書いていく。

「時計はヒントだな。時計を正面にして席順も時計回り」と剛力。

「三時もヒントかな?」と私。

「騎士はユダというよりも愛人だな」と原田。

「つまり三時の方向に硬貨を置けばいいんだな!」

そういって野原が硬貨を持って立ち上がった。

「待てこの脳みそ空っぽ野郎」

「……剛力、俺のこと嫌い?」

「ちげぇよ。何簡単な引っかけに引っかかってんだよ」

「え?」

「確かにここには三時と記されている。でもね、これには午前か午後かは言及されてないんだよ」

私はそう付け足した。すると何を言っているか分からないといった顔で野原が訪ねてきた。

「でもさ、それでも一緒だろ時計では三時も十五時も一緒なんだし」

「お前は底抜けのばかだな。ここのテーブルは十三席あるんだぞ」

「あ」

「暖炉の上の時計を正面、そこと正面のドアを結ぶ一直線のところにある一席を十二左隣は十一、右隣は一ではなく十三だ」

「なぜ?」

「なるほど、私分かったよぉ! つまり、時計的に見れば一時と十三時は一緒ってことだね?」

なんと馬鹿そうな真理ちゃんが気が付いてしまった。

原田と野原はまだ頭を抱えている。

「いいか? 十三時は一時と一緒だから数字に直すと12から1、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11となるわけだ。つまり二回あるうちの一回の1はカウントしなくていいから時計回りの十二初めってのが分かるわけだ」

剛力の説明は続く。

「しかし、それはあくまでも時計的な考え方だから、今度はそれをこの円卓のテーブルに当てはめる必要があるんだ」

「分からん」

野原と原田は目を点にしていた。

「剛力、私は君を馬鹿だと思ってたが、ただ脳筋なだけだったんだね」

「まぁな。で、ここでこの絵本の最終ページ、スコーンの記述のところだけどこれは午後三時を表してる」

「なんで?」

「お前は午前三時は何してる?」

「寝てる」

「exactly(その通りでございます)」

私はそれに補足をした。

「もしも午前の三時なら普通に時計の通り三時、12から数えて四番目を選べばいい。でも午後なら十五時、ここの席は十三席、つまりユダの席は……」

私と剛力は剣十二本を答えを覗いて配置して回った。

そして、最後のユダの席の前に立った。

「ここ、十二から数えて三番目の席、時計で言う一時だ」

「ほんとか? えっと、13、1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12、そしてまた13,1……マジだった」

「この謎解きのコツは、時計は時計、テーブルはテーブルってことよね?」と真理ちゃん。

「その表現は果たしてあってるのか」

私は最後に突っ込んだ。


剛力は殴るだけやなかったんや

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