第ニ話:夢と現実
国語のおじいちゃん先生は聞こえないくらい小さな声で話していて眠くなる。
またいつものように深い眠りについていた。
そしていつものようにチャイム直前に目が覚めた
…はずだった。
でもまだ授業は続いてる。時計を見るとまだ授業が始まってから15分しかたってない。
あれ??変だなぁ。
『翔!! 翔!!』
隣りの翔に小声で話しかけた。
しかし翔はだるそうに黒板を見据えたままだった。
は?? シカト!?
消しカス投げてやろ。
ポイ…ポイ…
消しカスはどんどん翔の頭に積もっていく。
あれ??よく見ると翔はまばたきを1回もしてない。
いつの間にそんな技をっ!?
ん??静かすぎる。
先生は黒板の前で固まってる。
何で!?
『先生!!…』
呼び掛けても何の応答もない。クラスのみんなも反応が全くない。
いつも私が寝てるから、新手のいじめかっ!?
翔の鼻の穴にペンを突っ込んでみた。
しかし翔は平然としてる。
ぶっ!! おもしろっ!!
でもやっぱ変だ。
立ち上がって歩き始めた。
翔だけじゃなく、みんながまばたきをしてない。
『な…にこれ。』
思わず口に出した。
『もしかして…時間が止まってる――!?』
蝋人形がたくさんある教室に自分がいるような感覚に陥った。
これは夢だ!! 夢なんだ…。
でも…
――コワイ。何かすっごく怖い。
ここから出たい!!
そう思ってドアを開け、廊下に出ようとした。
でもドアを開けると廊下はなく、真っ暗な闇だった。
その闇に吸い込まれどんどん落ちてゆく。
どうやら深い穴に落ちているようだ。
いやだぁ!!!
そう思いながらも私の意識はなくなっていった。