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生死の境界線  作者: 日下詠班
―初日
1/2

第一話『普通からの転落』

これから始まる物語は、全てフィクションです。

少し暗い内容になってますので、途中で気分悪くなったりしたらすぐに読むのをやめてください。

―チュンチュン

カーテンの隙間から太陽の光が入る。今日も一日が始まる。

「ほら、早く起きなさい!学校に遅れるわよー」

1階から母親の大きな声がする。正直朝っぱらからうるさいもんだ。

まあ自分じゃ起きれないから、起こしてもらうように頼んだんだが。

ベッドから外に出ると、ぶるっと身震いをした。今日は一段と冷えてるなぁ。10月上旬だと言うのにこんなに冷えてるとは…。冬はどうなってしまうんだろうか…。


「おはよ」

1階に降りて母親に挨拶する。

「ほら、朝ごはん食べてしまいなさい。もう7時よ!」

「うっさいなぁ、わかってるよ」

母親に反抗的な態度をとってしまう。もう今に始まったことじゃない。

いわゆる反抗期ってヤツ…なのだろうか?

とりあえず朝ごはんを食べ、制服に着替え学校へ行く支度をする。

「…やっべ、急がないと」

時間は7時15分。7時30分発の電車に乗らないといけないため、急いで玄関に向かう。


「今日は早く帰って来なさいよ。」

「わかってるよ」

そう。今日は単身赴任で遠方に行ってる父親が久しぶりに帰ってくるのだ。

だから学校終わったら早く帰ろう。


靴を履き終えると、玄関を勢いよく開け

「行ってきまーす!」

「行ってらっしゃい」

母親はにっこりとして俺を見送る。


とりあえず走って10分程で駅についた。

相変わらず人が多い。


ガヤガヤとした人ごみの中で電車を待つ

そしていつものように電車を待ちながら、スマートフォンでテレビを見る。

画面にはテレビのニュースが映り出されていた。


『ここで臨時ニュースです。○○県○○市で27歳くらいの男性が殺害された事件ですが、犯人は本城黎。22歳と判明しています。未だ警察の懸命な捜査、捜索を行っておりますが、捕まっておらず……速報です!犯人の潜伏場所が分かったようです!…○○○市に潜伏しているとの情報が入りました、近隣に住む皆様、十分な警戒をお願いします。』


その犯人が写真付きで画面に映った。……正気俺よりカッコイイと思う。

○○○市って俺の住んでる市だ。この辺りにその本城黎っていう殺人鬼がいるってか、普通に考えたらねーよな。俺だったらもっと遠くに逃げるかな。というかそいつだってもうどっか遠くに逃げてるだろ。

そうだな、俺だったら…、やっぱアメリカだなぁ。広いし、なんか憧れるからな~


―ガタンガタン

どうでもいい妄想してたら、電車が来たのでいつものように一番後ろの車両乗る。

ただ単に『一番後ろ』が好きだからだ。他に理由はない。

一番後ろの車両とはいえ、相変わらず人は多い。前の車両のように満員じゃないが。



中で手帳を広げ予定を見る。

ギッシリ詰っている予定を見て、ハァ…とため息をつく。

毎日高校に行って、勉強して部活して、そのあと友達遊んで…再度ため息をつく。

俺って…何なんだろう…

だが、今日は父が帰ってくるんだ。部活もないし、学校終わったらまっすぐ帰ろう


―ガタン…ゴトン…

ため息をつきつつも外の景色をゆっくり眺めていたが、突然視界が暗くなる。

トンネルに入ったのだ。ゆっくり眺めようと思ったのに…と心の中で舌打ちした。


俺は園田恭介<ソノダ キョウスケ>。18歳の男子高校生。頭はそれほど良いわけでもないけど…。

ひたすら成績が落ちないように勉強する毎日。

二軍に落とされないように必死になって部活の練習を続ける。

そして仲間はずれにされないようにそれなりに友達と一緒に遊ぶ。

毎日、毎日。ずっとこれの繰り返し。最近はそんな毎日に飽きてきた。


飽きてきた…というより…めんどくさいんだよな。全部。

だって毎日同じような生活してたって楽しくないだろ?普通に考えて。

だから俺は新鮮味が欲しい。


そう思った時だった。

なんだろう。この嫌な感じは。トンネル入ってからさっきから何かおかしい音がする。

例えるならジェットコースターで頂上から超スピードで降りる前に、頂上に向かって登ってる時の感覚だ。でも、こんな感じ電車内で感じるか?普通。


そんなことを考えていたら

ドンッ!!と大きな音がした。その音が鳴ってから1秒も経たずに、突然横に大きく揺れた。


「なに?なに??」

「一体どうなってるんだ!!」

周りから驚きの声が上がる。

倒れてしまった俺はゆっくり体制を整えなおし、立ち上がった時


ドンッ!!ともう一度大きな音がなると、今度はさっきより大きく横に揺れた。

地震か何かか!?


「うわ…!」

酷い揺れだ。立てない…動けない…

叫び声が聞こえる。なんか体が痛い。電車の座席にぶつかる。

上から重いものか何かが落ちてくる。よく見ると下にも人がいる。

何これ、一体どうなってる!?


―ガシャンッ…ドシャッ…

嫌な音もいろいろ聞こえる。聞こえる悲鳴も徐々に弱くなってくる。

生暖かい液体のようなモノも体にかかる。とにかく暗くてよく見えない。それだけだ。


しばらくして、揺れが収まったようだ。何で…周りが静かなんだろう。

俺は…未だ薄暗くてよく見えないが、とりあえず起き上がって周りを見る。



何だこれは

俺の目に映されたのは、人の手だけしかなかったり

血だらけでまったく動かない人、目を見開きビクともしない人

みんな動いていないのか…?どうして…?

隣に倒れてる人を摩っても動く気配がない。何で?



一体何が起こったんだ…?


3年程前に途中で投げ出したオフライン作品を加筆して思い切って公開してみました。頑張って最後までかけるといいなあ。by日下詠班

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