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神谷サンちの猫―Kamiyasanchi・no・Neco―  作者: 風魔 和之
第Ⅳ匹 猫に九生あり
47/50

#8

翻る闇に優しく包まれ

声が聞こえる

ある夜のこと、ボクはきっと夢をみている

そうだ、主人とともに暗い渚を歩いているんだ

満天の夜空には、これまでの生き方が映し出されている

牢獄時代、柵を通して他の猫達ヤツラと過ごした日々。

主人と出会って

生き方の答え求めて飛び出した時のこと。不安だったけど希望にみちあふれていた。

旧友たちとの再会。

さいあくな別れ方も経験した。

そして絶望の中、もういちど拾われたあのジンジャの夜。

思い出が灯のように輝いてる

砂の上にはあしあと。

一つはボクの、

もうひとつは主人の足跡であった

最後の光景がうつしだされたとき、ボクの後ろにつづくのはボクのあしあとでしかなかった

不安に襲われたボクは空に尋ねた

淡き光の点がより集まり、主人の一つ一つを形成していた。空から告げられる

人間に轢かれ、命を落としたんだと


。。


でも痛くもない。ボクは夢の中でも、なぜか冷静でいられた。

孤独を奏でるさざ波。方向感覚でさえ進む主人の気まぐれに支配され、爪先が麻痺している。生前の罪が滅ぼされたことを告げられた、僅かな間、沈黙の色が濃くなる海。


罪…


主人にとりまく明かりたちはまるで、眼光の如く睨みをきかせ、ボクの神経、束縛される、無言のメッセージ。遠ざかる景色。意味を教えてほしかった。罪‥やがて、漆黒の渚が崩れ、音も亡く、震え始めた、人間の姿を与える暫しの猶予を告げる光の先

そして、条件としてある使命も同時に与えた。

ボクは眼を丸めた―祈りは、他人から自分のために、自分から他人のために、捧げるものだと。

(おの)あるじに感謝せよ―

ヒカリは津波となった


怒涛の如く、闇世を呑み込んでいく。


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