#7
感染する雨、しとしと。。草葉の色艶映しながら、はじいては堕ちる。成熟を終えてもなお、美しい静寂の住処、決して通ることのなかった小路は大通りから屈折している。俗世から離れた存在で、迷いし心を試すように。よりどころのない寒さだけが背筋をなぞる
「…」同じ国なのに、一歩踏み外せば、そこではもう迷宮が形成されている
古民家の並ぶ砂利道に漫然と生える雑草。静か過ぎる別世界が細長く伸びて、紆余曲折を経ている。浮いているのは周囲の都会なんだろうか、それとも、この空間なのか、みじんにも感じさせない独特な風土がある。雨宿りしながら、ボクの眼は散らばった小石たちを見ていた。競争心の欠片の如く淡々と雨に濡れている、風邪を拗らせそうな平屋建て、押し倒され空き缶の叫び声カランコロンや塀に立て掛けられた置き去りの自転車。ぽっかりと空いた心の風穴、ボクに残された道、都会の端くれへ戻る、高みを目指した―。
気がついたら「…。」訪れていたのは寂れた公園の片隅。余韻を残しながら、雨上がり
引き換えにあま照らす夕焼け。
チュンさんの姿はない。辺り探しても、あの茶色い虎模様がだんだん幻になるだけだった―うち寄せる落胆を味わった。虚勢を張った大きな声などは、そよ風とともに相殺された
誰もいない
公園。
埋没していく太陽
“……。”
心なしか・もの悲しそうに移るオレンジ色の情景
知らない街の向こう側。
光と影のシンパシー
不思議なコンクリート遊具の上で丸まった一匹の仄暗い猫
惜別の思いに駈られた空。沈む寸前で・焦らされながら時は、止まる。ボクってなんで、なにをやっても中途半端なんだろう、そう思い知らされる。答えを探していたはずなのに、相変わらず毎日をのほほんと生きている。惰性にまみれ、志見失い、また夢を見て、現実は遠くなる
答えって、そもそもあったのかな。
褪せる青に浮かぶ薄い哀愁の色。光と影で雲は立体的にみえ、いつもより重心がこっちに迫る。
力が、ほどけた
うんざりして、むなしさだけが残る。
《蛾は、はためている》
……、
暮れ泥む小さな背中。
(脱原発)と掲げられた新聞紙が路頭に迷う
寂れた鉄製のゴミ箱
しゃなり・しゃなりと、慣れた手つきで降り立つ―
歩を進め、向かう先は細道の昏い世界
すううと、潜り込んでいった
精いっぱい光輝いたあと、飛び立つカラスが喉をならすとき、不安な闇は
たちまち夜へと姿かえてしまう。
「―」
心向かうところ
導かれるまま轟きの先に右眼が捉えたもの
迫る大きな闇
呑まれるとき【―。】けたたましい痛さに包まれ
瞬発的な速さで弾けた光。
肉体の芯は 大破する
《走り去った闇の正体》飛び散った視界が
点々と輝き‥
横たわる見通しは 萎むように悪くなってゆく
……―




