#11
まとわりつく好奇心。
呟いた主人の後ろ側に漠然と広がる部屋。見上げる場所はいつも移ろうけど、変わらない景色がある。
こんなに、育ててくれてありがとう―そう言おうとしたけど、これからもヨロシク。蓋をした。伝わらないけどできるだけ強く、つよく、瞳をみた
微睡の日向ぼっこ。
芯から・ほかほか・する夢心地
たまに意識が遠くなる
もたれかかる窓辺
はんなり―。
人間が時々口にする「愛」というもの。言葉でも形でもないのかもしれない。このホッとする気持ちはなんだろうか。これが体を突き動かしてる。にわかに信じがたいけど、今さっき投函されたばかりのメールドロップ
このドキドキする本当の感じ。
“……”
求めていた道なのか。
天に向かっていきり立つ髪を主人はそのまま、ぶっきらぼうで、わざわざ運んでくれた朝ごはん
突然、視界に現れた〈未確認飛行物体。〉先っちょの揺れる土筆みたいな形―なんだろう、無性に血が騒ぐ。舞い上がろうとするカラダ
顔をしかめる―届かない思い。垂れるふしだらな物体をなぞるように見れば視線は主人の指先と思い切りぶつかるー何度も。自由な彼奴にやっかみさえ芽生えてくる
何度も‥なんども…。
〈長い日はいつか落ち始める。人間が活動をやめると。この世界は幕に覆われる。夜は果てしなき劇場に生まれ変わる。帳の向こうに観客のない大ホールが待っている。駆け巡る足音に轟く鼓動。〉
訪れる旅路の始まり。環境はいつも一緒だけど知らぬ間に時が進んでる。通いつめた主人の寝床。そのたび「交流」があって、割りきった関係だけど
こうしてる間もボクは「りゅうのすけ」の猫になってるんだ
後ろ足でボリボリ首筋をかく
う―っと背を伸ばし、身体‥《ぶるるっ》
餌付けされてるから、残ってるわけでない
生来野生の身分で独り暮らしにはなれてるからいつだって。
でも、嬉しかったんだ。
これがドキドキさせる。
〈オセロのように日は色を変えた。昼頃。久しぶりの燦々。ウッドデッキの洗濯物を取り込むお母さんのほんのわずかな心の隙、間に合った―〉
海のように拡がり続ける外へ掻い潜れば―とりとめのない大自然。波紋を持たせる陽気な音。過信だったとしても、迷信だったとしても、信じた先に未来があるんだ。ボクの旅はまだ終わってない、答えが離れたところにあると信じて今日も出掛ける
その一瞬を照らす何でもないある晴れた日
道のあちこちで真夏の死が転がっている




