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1話 出発拒否

目の前には大理石の床

人一人がひざまずくにはあまりにも大きすぎる床の先には明らかに偉い人が座るであろう荘厳な席が用意されている。


座る人物は後ろから日に照らされ迫力が出ていて、響く声は威厳に満ち、聞くものを自然に萎縮させることだろう。


「カルス・ウッドネス、貴殿を勇者に任命する。」

もっとも、言っていることの理解はできないが。


〜〜〜


勇者

それは魔を払う光

人々の願いにより力をつけ、人々を守る光

伝説に登場する神に選ばれた存在。


いつの時代も大衆小説のテーマにされるような人気者


男の子なら誰もが一度は憧れる存在に任命された俺は


「丁重にお断りします。」

きっぱりと断った


「な、なんと、王相手にお断りとは…」

「無礼ではないのか!?」

「しかし、勇者の器だからできる行動ということも…」


俺の言葉を聞いた貴族たちが騒ぎ出す。

というか、この人数が入っても余裕があるのかこの部屋。


うちの何倍あるんだろうか。


「静かに!!」

王様の声が響く

貴族たちはすぐさま静まり返り、王の言葉に耳を傾ける。


「理由はあるか?カルスよ」

王は俺をまっすぐに見ながら言う。

いや、逆光のせいで顔は見えないのだが…


「いや王様、突然王城に呼ばれたと思ったら勇者認定ですよ、魔王と戦ってこいって?嫌に決まっているでしょう。」


そう、昨日の夜に突然騎士が来たと思ったら一晩かけて王城に運ばれ今に至るのだ。


みんな、きっと俺を見て緊張感がないやつだと思ったのだろうが、緊張感がないのではない。持てなかっただけなのだ。


「確かに一理ある。しかし、国の命運は貴殿にかかっているのだ、なんとかお願いできぬか?」


王様が一般人にここまで頭を下げるなんてありえないことなのだろう。


しかし、俺はまだ一つ疑問がある。


「お願いするも何も、俺木こりなんすけど…」


そう、俺の家系は由緒正しき木こりの家系

ガキの頃から鉛筆よりも斧を持たされるような家だ。


剣士とか、冒険者ならまだ分かる。

なぜ木こりの俺が選ばれたのか、完全なる人選ミスではないだろうか。


「それは───」「それでは失礼します。」


王様のまだ粘りそうな雰囲気を感じ取り俺は王様の言葉を遮り出口へ歩き出す。


これにはさすがの貴族たちも声も出せずに固まったままのようだ。


これは行ける…!!


俺が謁見の間からの脱出を確信した瞬間

衛兵に阻まれた。


「無礼者!!王の御前だぞ!!」

よく訓練された衛兵の声に貴族たちも我に返ったのかざわめき出す。


不味い…!!


そう思った俺は力いっぱいに衛兵を引き剥がそうとする。


「うるせぇ!!面倒事はゴメンなんだよ!!断るつっただろ!!だいたい木こりの俺に何が出来んだよ!!魔王って何?クソでかい木かなんかなの?んなわけねぇだろ!はなせぇぇえええ!!!」


「えぇい!!うるさい!!王に聞けそれはぁ!!」

俺の叫びを聞いた衛兵は王にすべてを丸投げしつつも力を緩めない。


「くっ…!こいつ力強い!」

なかなか振りほどけない衛兵に俺は次なる手段を出す。


「あ!!あんなところにUF◯が!!」

「「「え!?」」」


俺の声に、衛兵だけでなく貴族や王までもがそちらを見る。

…俺がこっそりとカップ焼きそばを仕込んでいた方を。


「ばかがぁ!!子供でも騙されねぇぞこんなこと!!」

呪縛から解き放たれた俺は振り向きざまに煽っていく。


俺が出口から少し離れたとき

「やつを追えぇえ!!」

と言う宰相の声が聞こえてきた。


いや、王様じゃないのかよ。


するとすぐさま、衛兵が集まり、宰相を含む貴族たちも追いかけてくる。


「どけぇぇええ!!後で巷で人気なムフフなお店をしょうかいしてやるからぁあ!!」


俺のその声を聞いた衛兵は来た道を戻っていく。


「ふざけるな貴様ぁあ!!」

宰相の魂の叫びが聞こえる中


俺は出口に向かって走る。

しかし、何故か足元にバナナが…


俺はきれいな円を描いて真っ逆さまに。


「見たか!!我家の秘技ころばし屋を!!」

宰相は嬉々として言いながらこちらに走ってくる。


「クソ、それ青狸の道具だろうがよ!!」

俺はすぐさま立ち上がろうとするも、貴族たちに取り押さえられる。


「はなせぇぇ!!勇者の力舐めんなよ!!謀ばっかの引きこもり連中に負けるかよ!!」

俺は力いっぱい貴族たちを振り払い、また走り出す。


「あ!!言った!!今自分のこと勇者って言ったぞ!!」

「うるせぇ!ガキかてめぇは!!」


「衛兵!!王宮務めのメイドは美形が多いぞ!!いいところを見せたいとは思わんのか!!」


俺が全力で走り出したのを見て宰相は追いつくのは無理だと悟ったのか大声で言う


それに伴い、屈強な衛兵が鎧を鳴らしながらこちらへ向かってくる。


「汚ぇぞ宰相ぉぉおおお!!」

流石になすすべなく取り押さえられ貴族たちも追いついてくる。


「もう貴様なんぞ知らん!これより勇者の耐久度テストだ、まず剣を何本刺されたら駄目なのか調べてやる!」


「おい!?落ち着け!!勇者が死んだら困るのはお前らだろ!!」


俺が必死に説得するも血走った目の宰相には届かない。


いつの間に抜き取ったのか衛兵のものらしき剣が怪しげに光っている。


その時、あの威厳に満ちた声が響く


「待て!さ、いしょう、ハァハァ、待つ、んっ!、のだ」


「うるせぇ!!じじい!!遅ぇんだよ!!誰がじじいの息切れ聞きてぇんだよ!体力つけろっつったろ!!」


おい!?王様だろ!?どういう口の聞き方だよ

終わってんなこの国!!


俺が思わず心のなかで思っていると

王様がたどり着き、息を整えて言う。


「カルスよ、このまま耐久テストか、勇者になるか選びなさい。」


王の右後ろあたりから

「テストテストテストテストテスト⋯」

というつぶやきを聞きながら、俺は実質1つだけの選択肢を選ぶ。


「喜んで光となりましょう…!!」


俺は勇者になった。

こんにちは、読んでくださりありがとうございます。

久しぶりに更新したと思ったら新作です。


もう2つは今書いている途中なのでお待ち下さい。


皆さんのオススメのシーンがあれば教えてください!


また不定期になるかもしれませんがぜひ次も楽しみにしていてください!

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