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イケメンになった俺、中学でフッた女の子が美少女になって隣の席から睨んでくるんだが!?  作者: なぐもん


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79話 隣の彼女が睨んでくるんだが!?

 夏休みはあっという間に終わり、季節は秋を迎えた。


 俺は登校する為に、自宅の玄関で父さんに見送られている。


「翼、今日だったな?」


「そうなんだ。麗を迎えに行かなくちゃいけないから、もう行くね」


 玄関扉を握った瞬間だった。


「よぉし! 俺が気合いを入れてやる」


「えっ!?」


 振り返ると、父さんは右手を振りかざしていた。

その右手が、まるで俺の息の根を止めるようなスピードで、背中に向けて振り下ろされる。


「あぶなっ!」


 間一髪のところで、俺は一歩前に出て躱した。


「おっ! 翼、腕を上げたな……」


 腕を振り上げて、俺を病院送りにしようとしたのはあなたですよ……。

今日は大事な日なのだから、やめていただきたい。


「父さん! それ当たったら怪我するから!」


「無論、避けられるのは分かっていた。まだ本気じゃないからな!」


 あれで、本気じゃないのか……。

死人が出るぞ。


「翼! 沙苗にもちゃんと――」


「わかってる! じゃあ行ってくるね」


 俺は家を出ると、真っ先に庭に向かった。


 夏休みの終盤、俺は父さんにある決意を伝えた。父さんは豪快に笑った後、庭の木のことを教えてくれた。


 この木には母さんの想いがつまってる……。


 スクールバッグを背中にぶら下げ、『母さん』に語りかける。


「母さん、正直不安だけど、頑張ってみることにするよ」


 それだけ言うと、俺は木に背を向けて歩き出した。


 だけど、一歩進んだところで――、


「気をつけてね。いってらっしゃい」


 優しそうな女性の声が聞こえた。


「――っ!?」


 振り返っても誰もいない。


「父さんは、ほんとに聞こえてたんだな」



 俺は駆け足で月城家へ向かった。




 

 月城家に到着すると、玄関先で詰め寄られた。


「また来たな……」


「おはようございます。和史さん……」


 和史さんの俺を見る目は相変わらず不機嫌だ。

庭仕事でもしていたのか、なぜか手には小さななたを持っている。


 こっちはこっちで怖いんですが……。


「いいか? 今日のために俺の命よりも大事な麗ちゃんは、毎日、一生懸命頑張ってきたんだ。泥を塗るようなことをしたら分かってるな?」


「は、はい。任せて下さい……」


「お前は前科があるからな……二度目はないぞ」


「わかってます……」


 和史さんの言う前科とは、麗が海でナンパされた事件だ。

隠しておきたくなかったので、俺は麗を送り届けたときに頭を下げた。


 そのときは、鎌を持って追いかけ回されたのだが、麗が止めてくれなかったら、殺されていたかもしれない。


「お父さん! いいかげんにして!」


 麗が玄関から出てきた。その隣には志保さんが、いつものように優しく微笑んでいる。


「麗ちゃん! 違うんだよ! これは男同士の約束ってやつで」


「翼君を鉈持って脅さないで!」


「そうよ、和史さん。翼君にはちゃんと責任をとってもらわなくちゃならないから……」


「えっ……責任? まさか夏の間に? ……嘘だあぁぁぁぁぁぁ!!」


 和史さんはどこかへ走り去ってしまった。


 全くの事実無根である。


「もう! お母さん! 変なこと言わないで!」


「あら? でも責任はとってくれるのよね? ね?」


 志保さんが意味ありげに俺を見る。


「俺ができることはなんでもします」


「ふふ。良いお返事ね。良かったわね。麗ちゃん。神崎君、ちゃんと麗ちゃんのこと――」


「も、もももももういいよ、お母さん! 翼君、行こ!!」


 麗を迎えにくるたびにこんな状況だ。

いつもの日常。いつもの光景。


「あっ、神崎君!」


 志保さんが俺を呼び止める。


「今日は頑張ってね。良い報告を待ってるわ」


「はい! 頑張ります」



 




 二人で教室に入ると、教室中の視線が一気に俺に集まる。

「神崎、頑張れよ」

「応援してるからね」

「打ち上げの用意しとこうぜ」


 クラスからはそんな声が飛び交う。


 俺はその声に応えながら、麗と一緒にそれぞれの席についた。

途端に駿と高瀬が急ぎ足で近づいてくる。


「つ、翼、お、おお落ち着け!」


「う、ううウチの情報網によると有利だよ」


「なんで、お前たちまで緊張してるんだよ」


 さっきまで少し不安だったが、こいつらの顔を見ていたら少しリラックスできた。


 でも、隣の席に座っている麗は、駿や高瀬よりもガチガチだ。


「麗、大丈夫?」


「だ、だだだ大丈夫!」


 全然大丈夫そうには見えないな。

そう思った俺は立ち上がって麗の肩に手を置く。


「頼んだよ」


「う、うん! 任せて!」


 そして、予鈴が鳴った。いよいよだな――。






「ただいまより、生徒会選挙をはじめます」


 アナウンスが体育館に響き渡り、俺はステージ上のパイプ椅子から全校生徒を見下ろす。


 俺の後ろには、応援演説の為に麗が控えていた。


 麗の目は泳いでいるけど、俺が心配そうに顔を向けると、見栄を張ったようにキリッと睨まれる。


「大丈夫だから!」


 視線でそんなことを言ってるような気がする。

ほんと見栄っ張りだな……。


「次に登壇するのは、会長候補――神崎翼さんです」


 俺の名前が呼ばれた。逃げ道は、もうどこにもない。

大きく深呼吸して、覚悟を決める。

 

「生徒会長に立候補した、神崎翼です――」


 生徒会なんてたいしたことないのかもしれない。

 

 でも、隣に麗がいる。

それだけで俺は、どこまでだって行ける――。

 最後まで、お読みいただきありがとうございました。


 ここまで、読んでくれた方は勇者? 英雄? 否、神であります!

 

 私のような執筆歴半年の新参者に、たくさんの応援をいただけたこと、また感想を書いてくれた方、心より感謝申し上げます。


 連載当初は、正直ほとんど読まれないだろうと思っていました。


 それが、気づけば17万PV。軽い気持ちで「今回は20万字くらい書いてみるか」と始めた結果、更新が遅くなってしまったのは申し訳ございませんでした。


 途中で話を削除したり、「もう書けねー!」と、アタフタな毎日でしたが、今思うと、とても充実した日々でした。


 最後まで書けたのは、読者の方から色んな反応をもらえたからです。自身初の現代恋愛日間一位はほんとに嬉しかった……。


 

 さて、翼と麗の物語、いかがでしたでしょうか?

私自身、文章や構成にまだまだ反省点はありますが、それでも最後まで書き終えられたことには、素直にホッとしています。


 翼と麗は、少しずつ、でも確実に前へ進んでいきました。書き終えた今、作者である自分も、同じように一歩先へ進めた気がしています。


物語としては、ここで一区切りですが、彼らの選択が、皆さんの心に少しでも残ってくれたなら幸いです。


 これからの活動ですが、しばらくは次作の構想と、小説のお勉強をしたいと思っています。(読みたい本が30冊程溜まっておりまして……)


 でも、また必ず新作を出します。

この作品を超えられるような力をつけて、また書いてみたい。


 では、またお会いできることを願って、締めの挨拶とさせていただきます。


 繰り返しになりますが、最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました!!

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― 新着の感想 ―
完結、お疲れさまでした。いろいろと意見を言ってしまいましたが、完結の話が読めて本当に良かったです。最後の麗のお父さんが出てきて許しているのが少しほっとしました。次回作はなるべき設定盛り盛りではなく、大…
完結おめでとうございます。楽しく読ませていただいていました。 このふたりなら、これから先も悩みつつ、寄り添っていってくれるでしょうね。 投稿ありがとうございました。
今までお疲れさまでした。劣等感を克服しようとするのも、挫折を受け入れ乗り越えようとするのも個人的に大好物でした。あと変なラブコメになったり、安易な悪役がいなかったのも良かったと思います。ただ、心の成長…
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