表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

素晴らしいこの世界の片隅で。

中二病

作者: ニチニチ

滅びゆく世界を救済するために、我は行かねばならない。

 

 


汝に問う。

  



この世界が破滅の時を迎えようとも、最後まで立っていられるか。

たとえその体を切り刻まれようとも、敵に背を向けずにいられるか。


 



全てを無にするダークマター。

灰塵に帰すスーパーフレア。

いざ、シュバルツシルトのその向こうへ。

その力を見せよ、マクスウェルの悪魔。

時よ止まれ、ラグランジュポイント。

コペルニクス的転回が、今発動した。


 

 

 



僕は、とても冷めた中学生だった。

 

 



包帯。

眼帯。

迷彩服。

アーミーナイフ。

 

 



実は、邪眼の力を封印していたり。

財布はいつも黒で十字架でドクロで。

アクセサリーは鉛でチェーンでジャラジャラで。

頭の中では常に戦闘を想定し、退路を確保し、孤高に反撃に出る。


 



そんな人たちを横目に見ては、いつも、しらけた顔をしていた。

 

 



でも、この年になっても思う。

そんな子達を見つけるたび、いつも思う。

 


最近では、よくディスられているけど。

きっとその年代がやるから許されるんだろうな。

 



ああ、そうか。

当時の僕は、本当は相当な中二病だったんだ。

実は、おもいっきり中二病に染まりたかったんだと思う。

そうしていれば、少しは楽しい日々を過ごせたのかな。


 



今日もこの町のどこかで、熱気を帯びて発症している。

ふとその片鱗を見つけたとき、何だかとてもほっこりする。

やっぱり中二病っていいなあって、いとおしく感じてしまう。





よく、中二病が黒歴史になっていくと言うけれど。

それは捨てずに、大切に引き出しにしまっておくといい。


本当に咲かせたい花があるときに。

自分の黒歴史を畑に埋めて、やがてそれが肥料になっていく。

きっと、そうして咲く花は、深みのある美しい色になる。

 

 



昔、靴下をはかない人が、不倫は文化と言った。

大人になった今でも、その意味がよくわからない。

 

 

僕はアニメとゲームの世代。

当時はオタク気質には少々生きづらい世界だった。

でも、今では立派な日本の文化になった。

  


中学という名の正解のない異世界。

そこは、欺瞞と裏切りによって、時に血の雨が降り注ぐ。

そんな中、彼らは光を求めて漆黒の闇をさまよい、刹那を生きる。





 

 



 

バルス。


 

  

 




中二病は、文化です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 不倫なんかより、中二病の方が高尚な文化です! とある物質が、長い時間をかけて地殻や火山の力で 圧縮されたもの。人それを宝石という。 [一言] レビューからお邪魔しました。 中二病は若い…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ