2回目の…
「びっくりしたぁ。」
思わず口から言葉が出た。
それもそうだ。急に猪が襲いかかってきたんだもん。誰だってびっくりするでしょ。
俺が適当にパンチをしたが、確か当たってはいなかったはずだ。でも猪は進路を変えて何処かに行ってしまった。いきなりパンチが飛んできて驚いたのであろうか。
何かしてみるもんだな。俺はそう思った。
辺りはもうすっかり夜になっていた。写真は一枚も撮れなかった。なんてこったい。
まぁ何がともあれ自分が無事であるのには変わりない。めでたしめでたし。
帰りにバッティングセンターに寄った。
ここのバッティングセンターは夜の11時半まで営業している。たくさん打てるね。
1000円で100球打つ事ができるから、それなりの満足感は得ることができる。
俺はいつも120キロを打つ。120キロのボールをフルスイング。これを100球。
とにかく全力で振った。全力で。
100球を打ち終える頃には手にマメが出来ていた。痛い。そして疲れた。身体中汗でびちょびちょになっている。
「とりあえず家に帰るか。」
家に帰った。
今日は疲れた。明日は休みか。
ゆっくり休もうか。
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気づいたら俺は洞窟のような所に居た。
これはあれか?夢か?
とりあえず先に進んでみる。夢と分かっているけど。
生き物とかは全然居そうにない。コウモリとか居そうなのに。
それよりこの洞窟かなりデカいな…高さ50m、幅75mといったところか。嘘です、適当に言いました。まぁでも、かなりデカい。
しばらく進んだ。
進んだ先に少し光っているところが見えた。
気になったので光ってる方向へ足を進ませた。
歩き始めて1時間は経った。
かなり長い。まだまだかかりそうだ。と思ったとき、遠くの方に誰かが居る。
光を見ている。1人で。声かけてみようか。
「何してるの?」
その人はこっちを振り返った。
どこか見覚えがある。
同じくらいの歳で綺麗な顔立ちの女性。
「あんたもきたのね。」
彼女は続ける。
「ここに来れば力が得られるらしいの。あんたもその目的で来たの?」
またよく分からないことを言っている。そもそもこれは夢だ。俺には関係ない。
「まぁいいや。私はあの光ってる所に行こうと思うんだけどついてくる?」
ついていきたいし、なんならテレポートとかで一瞬であの光ってる場所まで行かないかなぁ。
なんて思ってると、
「テレポートで行こうと思うから、行きたいんであれば私の肩に手乗せて。」
マジかよ。テレポート出来るのかよ。すっご。これはラッキーすぎる。
俺は彼女の肩に手を置いた。
その瞬間、時空が歪んだ様な光景が広がった。何も痛くないし力が吸い取られた感じもない。疲労感もない。すげぇ。
こんなことを思っていたとき、たどり着いた。
その光っている場所に。