表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

17/132

十七話  研究報告書(仮)

※今回出てくる「宗教団体」はあくまで、この物語の中の設定です。

実際の団体とは何の関係もありませんので、ご注意ください。

『研究報告書(仮)』


『この世に超能力があると信じる人々は、少ないが確かに存在する』


『それは自分がそうであるというパターンと、他人がそうであるというパターンの二つに分かれ、私が集めた情報を整理すれば、圧倒的に後者のが多い』


『前者の場合、そのほとんどが思い込みや妄想であり、その原因として考えられるのは過去のトラウマなどがあげられる』


『そして、後者の場合は、心が弱っている際に他者から隙を付け込まれ、洗脳されている場合などが多い』


『そんな洗脳手段を現在の宗教団体の多くが用いている』


『彼らは、自分たちが特別な存在であるとアピールするために、あたかも超能力を持っていると吹聴しているとこがあり、一定の人々はそれを信じてしまう』


『無論、その九割九分が偽物。宗教団体とは名ばかりの、詐欺グループでしかない』


『本来ならば、超能力などみせられても、手品だと思うのが普通だ』


『空中浮遊やテレキネシス、それから人の心を読んだりなど、それらをするのに「準備」をする連中がほとんど。それらの力が本物だというのなら、そんな「準備」など必要なわけがない』


『だが、それでも信じてしまう人たちはいるのだ』


『彼らの多くは、その心に悩みや傷を持っている者が多い。そして、人は自分が落ち込んでいる時に騙されやすい性質を持っている』


『そういう心のメカニズムを熟知している者ほど、人の心を操ることができる』


『本当ならば、絶対に騙されることはないが、状況とタイミング、そして付け込む際の方法が合致すれば、人はどんな馬鹿げたことでも信用してしまうのだ』


『何より厄介なのは、騙された人々は、自分たちが騙されていることを絶対に認めようとしない、という点』


『それは騙す方が巧みだから、という要因も無論あるが、騙される側にこそ大きな要因がある』


『つまり、騙されている方が、楽である、という点』


『一言で言ってしまえば、現実逃避。しかし、それも仕方のないことだろう。元々心に傷を持っている人がなりやすく、騙されていれば、その痛みから解放されるのだから』


『その良し悪しについて、ここでは言及しない。人の心の痛みは千差万別。その一つひとつに対し、どのような答えが必要なのかは、それこそ本人の問題である』


『だが、確実に言えることがあるとすれば』


『一度、騙された者はそうそう簡単に洗脳から抜け出すことはできない、ということである』

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] なんか変なフラグな気がします
[一言] あー、宗教団体って言っても色々ありますもんね。オ○ムのようなカルトから、怪しげな新興宗教、マルクスによって世に解き放たれた共産主義も十分宗教といえますね。陰謀論が好きとか趣味、レベルなら問題…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ