表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/5

火喰い鼠と火掻き棒 中

私=ワタクシと読んでいただければ嬉しいです

あれは、冬の始まりそうな秋の終わりのことでございました。


私は北のとある国の王宮に部屋を頂いておりましたの


とても寒い夜でございましたわ



   女の言葉にみな寒さを感じ、思わず両腕を絡めて上腕を摩った。



私、寒むくて夜に目が覚めましたの


暖炉の火が消えておりましてね……



   客が、暖炉を一斉に見た。



侍女を呼ぶのに、ベッドの横の紐を引っ張りましたの


でも、

何の手応えもございませんでした


夜着では廊下にも出ることができませんでしょ


私、仕方ありませんから、箪笥から毛皮の上着を出そうと思いましたの


それが、いけなかったのでございましょうね……



   女は、何かを思い出そうとするのか、視線の定まらぬ瞳を宙に向けた。

   女の白い手袋を填めた手が、悩まし気に、その頬に当てられた。



毛皮を取り出したところで

何やら、暖炉で音がするので、

覗いてみましたの


すると灰のところで動くものがありましてね


   女の言葉に、客のひとりが ひぃっと声を上げた。


真っ赤な目がこっちを見ておりましたの


私、怖くて怖くて


   女は、ぎゅっと目を瞑って、思い出すのも怖いとばかりに身震いした


でも、みなさまもご存じでございましょう?

私、好奇心の方が強い方でございます


ですから、その赤い目を確かめたいと思いましたの


大きな鼠でございましたわ

そう、子供くらいございましたでしょうかね

 

シャーと大きな口を開けておりましてね


なんと、舌が燃えておりましたのよ


   広間がどよめいた

   そんな生き物誰がみたことがあろうか


   しかし

   こともあろうか、

   近衛兵を預かっているドン・ドコダ伯爵が見たことがあると

   発言したものだから

   ますます、騒然としてきた


   女が、小さくコホンと咳払いすると

   その騒めきも、波が引くように静まった



私、思い出しましたの


北の国には火喰い鼠という鼠がおりましてね


夜中に火と云う火を食べてしまうので

寒い北の国では、眠っている間に暖炉の火を食べられてしまい

みんな寒さで朝には亡くなってしまっているという話を



   装い麗しい女性が、一人二人、倒れたようだった。



私、この鼠をこのままにしては置けないと

火掻き棒を掴んで、追い払おうと致しましたの


なんと、うまい具合に

その鼠の口に棒の先が刺さってしまいましたのよ



   男どもは、なんと勇敢なことかとほめたたえ始めたが

   女は、さっと手を挙げてそれを制し 話を続けた



私、振り払おうと致したんですけれども

とても力の強い鼠でして


しばらく、引っ張り合いが続きましたのよ


鼠も必死なのか、なんと火掻き棒を加えたまま 窓から飛び出しましたの

私は、振り払われそうでございましたが

でも、火掻き棒を放しませんでしたわ


私、火掻き棒を手放してはいけないと必死でございましたの


だって

王宮の火掻き棒ですのよ

持ち手にはダイヤやらサファイヤやら付いておりましたからね

鼠ごときに持ち去られたとしては

このボーロン男爵令嬢の名が廃るというものですから


小一時間も、鼠は走ったでしょうか


どこやら穴の中に入りましてね


私、あのような場所に初めて参りましたわ


穴は水晶でできておりましたの


あら…夜も遅うございますわね


   からくり時計が12時を知らせていた


   女はカバンのカギを開けてちょっと覗いて

   今日はお見せできませんわ

   まだ話も全部できておりませんもの…と言って立ち上がった


   みんな、まだ大丈夫だと女に言ったが


   女は、暖炉の火にお気をつけ遊ばせと

   広間を去って行った


   その後は

   明日、女を招いた家を探るので、大騒ぎで会った

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ