イカれてる家族
自宅に着いたのは夕方だった。昼飯はゲーセンの近くのフードコートで母の手抜き弁当を食べて。
――数日後の朝、柔道連盟から封筒が届いた。居間で開封する。
合格と書かれていたら労働から解放される…………。俺は封筒の口をハサミで切る。ドキドキはすぐに終わった。封筒を逆さまにした時に柔道初段と書かれたカードが落ちてきた。
『もう労働しなくて良いんだよね!?』
『柔道はもうしなくていい。大人になったら嫌でも働く事になるぞ』
『俺はニートになるからいいよ。俺は一生分の労働をした』
『何だと!? お前をそんな風に育てた覚えはない!』
『結果が出てるじゃん。弱者をいじめるのが最高に気持ち良い』
『やっぱり先生の所へ連れて行くわ』
『バカじゃない? 神頼みで何とかなる話じゃない。お前らは子育てを誤った。何度もサイン出したのに、気付くつもりもなかった…………俺の口から言わせるな!』俺は子供部屋に行き、ゲーム中の弟を蹴り飛ばし、弟のゲーム機を床に叩き付ける。
『何するんだよ!』弟は半泣きだ。
『だ〜ま〜れ〜! 和谷は何で柔道に行かない!? 何で労働をしない!? 何でストレスフリーで遊んでられる!? 俺はこんなに苦しんでるのに!』
声を聞き付け、父が来た。
『何をやっとるのよ!?』と俺の胸ぐらを掴み、聞き取れない言葉にならない事を叫んで拳で頭を殴られる。
『てめえ! 刺し殺してやる!』
『そんな事してみろ! お前を殺してやるわ!』
こんな親だから、子供が狂う。
『明日、先生の所へ連れて行くわ。二谷はとり憑かれてる』
『バカな事を言うなー!』
『てめえら、親が人格否定しかしないから狂うんだよ!』
その日から俺は居間で寝る事になった。兄は全寮制の高校に入っている。ストレスフリーで良いな。
朝になると俺は煩くて起きた。父が居間に来て大音量でテレビを点けて二度寝していた。
俺は台所へ行き、包丁を持つ。早めに殺せば、出所も早い!? しかし、俺に殺す勇気はなかった。手が震える。自分が情けない。包丁をラックに戻す。
すると母が、『おはよう。お父さんが眠ってる内に、遊園地に行かない?』
『えっ!? 良いの?』
『ジェットコースターでもバンジージャンプでも好きなのを』
『行く行く!』