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ウォーライフ  作者: ルク穴禁
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バタフライナイフと石



 ある日に学校から帰って来て、伊藤の家に歩いて行く。

『翔君! あ〜そ〜ぼ』伊藤の祖母が出てきて、『二谷君、ごめんね。翔はピアノ教室に通う事になったのよ』

『そうですか、別の日に来ます』

自宅まで300メートルくらい。ただでは帰りたくないな。…………そうだ! 伊藤んちの隣には伊藤の同級生の田辺が住んでたはず。

隣の家のチャイムを鳴らす。顔は2〜3回見てる。暇潰しにはなるだろう。

『はい、どちら様ですか?』

俺は玄関に入ると田辺と母親らしき人が立っていた。

『田辺君、遊ぼ』

『えっ、あのっ、その……』なんかモゴモゴしてる。

『この人は誰? 知らない人ね。洋介、こんな人知らないわよね? 帰ってちょうだい』これが“汚い大人”か。

俺は無言で立ち去る。次のいじめのターゲットが決まった。アハハ。

次の日の登校中に俺は田辺洋介のランドセルを掴み、田んぼに突き飛ばす。泥だらけになってる田辺をよそ目になに知らぬ顔で登校する。気持ち良い。


――中学生になるといじめは更にエスカレートする。柔道なんてやりたくない。親に反抗出来ないから、弱い者いじめは最高に気持ちいい。

下校中にバタフライナイフを持った田辺洋介が待ち構えていた。

 居合わせた女子生徒が悲鳴を上げる。

ちょっとやり過ぎたかな? アハハ。

俺は足下にあった拳大の石を田辺の顔面に投げ付ける。痛ー! と、のたうち回ってる。

口に当たったから歯が折れたかな、アハハ。

――その日の夜、田辺と田辺の母親が自宅に来た。玄関で、『龍熊さん! どういう教育をしてるんですか!? 永久歯が5本もダメになったのよ? 治療費と慰謝料を貰いますからね』

『すみません、すみません』両親は平謝りをしている。

『ちょっと待った〜』俺も玄関に行く。

『あなたが龍熊二谷ね? うちの洋介に謝りなさい!』

『二谷、謝りなさい』

『お前らが謝るなら、許すかどうか検討してやる』

『はぁ!? 何言ってるの! ふざけるな!』

『……バタフライナイフ』

『おっ、お母はん、はえろう』田辺は前歯がないのか上手く発音出来ない。

『おい、田辺のババア。俺はバタフライナイフで刺されそうになったの、これは正当防衛だよ。訴訟を起こしてもいいよ。目撃者が居るから勝てないと思うけど、アハハ』

田辺と母親は帰って行った。

すると、父が『バカ野郎! 何の為に柔道に通わせてやってると思ってるんだ!?』

『“通わせてやってる”? 誰が行きたいなんていったよ?』

『二谷が行きたいって言い出したのよ?』

身近に汚い大人が居るとストレスでしかない。

『やっぱり先生にお願いするのが良いわ。二谷に憑いてる悪霊を取り除いてもらうの』

『バカな事を言うな! 当分ゲームは禁止だからな!』

コイツは選択を誤った。

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