クラッカーに預金を盗まれた
俺は一旦ログアウトしてすぐに翔に電話を掛ける。
出ない!
翔からメールが来た、【今は電話は出来ない。会議中なんだ】
【田辺洋介は今どこにいる?】俺はメールを返す
【自宅じゃない?】すぐに返事が来た。
俺は原付バイクに乗り、田辺の自宅へ向かう。とっちめてやる。 5分くらいで翔の家の隣に行くが、売家と看板が立っていた。田辺は引っ越した!?
俺はアパートに戻ると、太った男が俺の部屋の前に立っている。田辺か!?
『誰だ!?』
男は振り向き、『次男、久しぶり〜』
『次男? まさか和谷か?』俺は原付バイクを駐輪場に停める。弟の顔も忘れていた。
『次男、田辺って奴を知ってる?』
『今探してるところだ。どこに居る?』
『これ見て』1つの茶封筒を渡される。よく見ると、和谷は右手の人差し指に包帯を巻いている。茶封筒には血痕が付いてる。
『田辺からか?』
『カミソリが入っててさ。宛先も書かれてなかったから何だろうと思って』
俺は封筒の中の手紙を読む。そこには【龍熊二谷、お前の口座から全財産を貰いました。田辺洋介】と書かれていた。
『あの野郎!』
『可笑しいよね、ニートの口座なんか狙って』和谷は顔じゃない。俺がEスポーツの1億円プレイヤーだと知らないんだ。
『取り敢えず、和谷は帰れ。バットでもゴルフクラブでもいいから武装しろ』
『でっ、でも……』俺は和谷の背中を押す。
『建谷兄ちゃんにも知らせとけ』俺は和谷を追い返した。
クラッカーめ! 次は何を仕掛けてくる!?
俺はウォーライフにログインする。すると、『ダンナ〜、大変でやすよ! ダンナの口座から300万円がコインに変えられて複数のサーバーを経由してロンダリングされやしたよ!』
『1億円は盗られてないな?』
『まだ振り込まれてませんや。クラッキングの特徴はどうやら、日本人のモノでさあ』
『やっぱり、田辺洋介か!?』
『ちょっと待ってくだせえ、今入った情報によると32番フィールドで1人のプレイヤーが「最上級ボス=クレイジーモンキー=龍熊二谷」とチャットしまくってるようでさあ』
『32番フィールドを移動するぞ』
『待ってくだせえ、どうするおつもりで?』
『田辺がログインしてるなら直接対決だ。“フラッシュ”を頼む』
『フラッシュの説明を聞いてますかい!? 下手したらダンナが…………』
『契約書で読んだよ。スマートモンキー! 早く用意だ! 俺は田辺を誘き寄せる』




