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50キロ道路を30キロ走行するのは止めてくれ‼

「ハンナちゃん‼」

「!お姉さん……」


ナラハの彼女ちゃんは目に涙をためて私の方に走ってきて抱きついた。


「美人のお姉ちゃんが居たんだ‼」

「お姉ちゃんでも良いよ!その子がぶつかってコイツの腕が折れちゃったんだよ‼」

「慰謝料くれよー‼」


私はナラハの彼女ちゃんに安全そうな所に隠れてもらい、手に持っていた竹刀をくるくる回しながら言った。


「腕が折れてるか確かめてやっからかかってこいザコ。」


私の眉間がピクピク破棄つっている。

一瞬怯んだ三人組がザコって名前にふさわしい感じに私に向かって殴りかかってくるのを自分の正面に竹刀を構えて待つ。


「ウルガルド様、あんな構えかたしてる女にまかせて良いんですかい?」


武器屋のオヤジムカツク。

大きな声で武器屋のオヤジが副団長に叫んでいるのが聞こえてきてイライラした。

副団長の方を見ると腕をくんで、こっちを見ている。

私は取り合えず三人組に剣道の基本のステップで面を狙って踏み出した。


「面、面、面ー‼」


男達が頭を押さえてうずくまるとすかさず踵落としを1人に食らわせ、もう一人に顔面キックをして最後の一人に顔面膝蹴りを食らわせた。

三人組が泡を吹いて失神したのを確認してから副団長の方を見ると副団長の呆れ顔があった。

やべえ。

副団長はゆっくりと言った。


「やりすぎだバカ。」

「止めて下さいって言ったじゃないですか!」

「止める間もなく失神させたんじゃないか。こっちは剣術だけでどうにかするつもりかと思ったんだぞ……間に合うわけないだろ?」

「実戦的じゃないから………木刀なら一撃で頭かち割っちゃうし………」

「狂暴。」

「うわーん!手加減したのに~‼」

「手加減になってないだろ………ヒナは手加減の訓練しないと駄目だ。」


私がシュンとした時だった。


「お姉さんありがとう‼」


ナラハの彼女ちゃんがまた抱き付いてきた。


「君はナラハの妹だったな。」

「はい!ハンナと言います。」


へ?彼女じゃないんだ。


「お姉さんは?」

「?」

「名前………」

「ヒナよ。」

「ヒナさん。お兄ちゃんの彼女?」

「違うよ‼」

「違うの?お兄ちゃんヒナさんに会えて嬉しそうだった。」


私はニコッと笑うと言った。


「気のせいだよ。」

「………ヒナさん格好いい。好き。」


ハンナちゃんは花が咲いたみたいな笑顔を向けてくれた。

可愛い‼


「ハンナちゃん可愛い‼」


私もハンナちゃんを抱き締め返した。

私達はニコニコと笑いあったのだった。




ハンナちゃんは急ぎのようがあるらしく急いで帰っていった。

ハンナちゃんを見送った後、副団長は手慣れた感じに三人組を縄で縛り上げると言った。


「取り合えず、この三人は俺が連れていくからヒナは俺の剣を持って帰ってくれないか?」

「了解です。他になんかありますか?」

「………あるがいい。ヒナに迷惑しかかけなそうだ。」

「え?私が面倒事押し付けちゃったんですから、何でもしますよ。」

「………届け物があるんだが、今日じゃなくていい。ついでに持ってきたが今日じゃなくていい。」

「私この後暇なんで大丈夫ですよ。」


副団長は暫く真顔で考えると言った。


「いい。」

「良くないです‼」


副団長は渋々私の手に麻の袋をのせた。


「何ですかこれ?」

「ビーズだ。」

「ビーズってネックレスとか服に刺繍みたいに縫い付けるあれですか?」

「そうだ。隣り街に先週仕事で行った時に買わされた。」

「これを届けるんですね‼」


副団長は暫く黙ると言った。


「この道を真っ直ぐ行くと大通りに出る。そこから500メートルほど進んだ路地裏の…………そこまで行ければ"アンナ"って言えば誰かしら案内してくれる。」


女の人の名前だ。


「アンナさんですね!了解です。」


副団長はあまりお使いをさせたく無さそうだったが、街になれるためにも良い事だと一人呟いてまかせてくれた。

副団長が三人組を連れて行くと、私は武器屋のオヤジから新しい剣を受け取ってお使いに出掛けたのだった。

読んでくださってありがとうございます‼

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