散る桜
貴方に紛れて
私も空を飛べたら良いのに
行きたいところがあるの
私を隠してくれるかしら
言葉が、
想いが、
溢れてしまう前に
声が、
気持ちが、
届かなくなってしまう前に
近くて
とても遠い場所
走っても、走っても
たどり着かない
真っ暗な夢の奥で
私は泣いていたのかしら
何処かで
心の何処かで
気づいてはいたの
先でない先に
迎え入れる「あの日」の影が
ゆらゆらと纏わり付いて
離れずにいること
それでも私が光であれたら
それは遠ざかるような
そんな気がしていたの
貴方が
その枝から離れる
ほんの一瞬の静寂が