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脱出



第2話


とにかく俺は出口を探しながらひたすら走る。

洞窟を改造したのか粗末な作りなのだが迷路のように複雑で地図が欲しいのだが見当たらない。

すると爆発の衝撃で落下した石につまづき態勢を崩し、すると曲がり角で何かとても固い物にぶつかって倒れてしまいそして自分まで倒れてしまった。


「……。」


転んだはずなのだが唇に柔らかな感触。

俺はうつ伏せ状態から普通に座ると倒した物…。

いやそれは物ではなく金髪碧眼の少女であった。


「あ…だ、大丈夫ですか?」


恐る恐る声をかけるが今日の俺は運が悪いようだ。

唯一の幸いはこの事を誰にも見られていない事だ。

だが少女?は怒っているのか突如俺の顔を殴り立ち上がる。


「いたっ!何するんだよ!」


「ふんっ…これだから欲に満ちた奴は困る…。」


「欲求不満な変態じゃないからな!」


と言っても誤解されても仕方ないよな。

出会い頭にぶつかり、そして押し倒してキスまでしてしまったのだから…。

…って俺のファーストキスが!こんなわけのわからない場所で!!まぁ美少女だから良しとしよう。

それよりさっきの反乱軍とは明らかに違う格好をしている。

中世ヨーロッパを思わせるような銀色に一部は血痕らしき跡があり胸元にはどこかの国家の国旗なのだろうかエンブレムが入っている鎧を着込んでおりきっとこの人は帝国軍人なのだろうか。

俺はここから脱出するために出口を探している最中だった事を思い出しまだ名前も知らない彼女に聞いてみる。


「…さっきはすまない。ところで出口がどこだかわかるか?」


「こっちに来い。」


彼女は俺の手を掴み歩き始める。

彼女の手は暖かくとても柔らかいけど剣を日頃から使っているせいなのかタコがいくつか出来ている。

このわけのわからない世界に来て初めて優しく接してくれた気がする。

俺は心の中で「この人に会えて良かった。」なんて思っていたのだが急に彼女は俺の手を放し剣を手にする。


「どうした?早く出ようぜ。」


「貴様はここで待っていろ。」


彼女はそう言い残して走り出すが俺は「待っていろ」と言われたので大人しく待っているか。

すると俺達がこれから進もうとした先で金属音が鳴り火花が散り恐らく人間ではないだろうと思われる断末魔が聞こえる。

すると俺の後ろにただならぬ気配を感じ振り返ると2m弱あり汚い皮膚に肥満体系をしていて手には木の太い塊を所持している。

アレに殴られたら軽傷ではすまないだろう。


「な…なんなんだよコイツは…!」


思わず走り出してしまい通路を進むと豚のような形をした人のような死体がいくつも転がっていた。

後ろからは巨大な化け物が追い付いて来て俺は近くに落ちていた木刀らしい物を拾い巨大な化け物に殴りかかる。


「はぁぁっ!」


俺は奴の動きを止めるために膝を力一杯叩きつける。

すると巨大な化け物が反撃してくるが体型と似合わない程のスピードで木の塊を振り降ろし俺はギリギリのところで回避出来たのだが地面にめり込んでいて石も軽々しく粉砕していた。


「お、おっかねぇ…なんて馬鹿力なんだよ。」


再び巨大な化け物は木の塊を持ち上げ再び俺に向かって振り降ろそうとした時に後ろから先程道端で沢山転がっていた死体と同じ“オーク”によって挟まれてしまった。

その時、彼女が“オーク”を切り倒し俺に向かって声を発する。


「後ろだ!」


「え…?」


後ろを見ると巨大な化け物は木の塊を振り払おうとしたのか腹付近に物凄いパワーで迫ってくる。

彼女は俺をかばって後方へと殴り飛ばされ地面に叩きつけられて痛かった、隣では意識を失って倒れている彼女の姿があった。


「大丈夫か?」


「……。」


「脈は打ってるし息もしてるから生きているな。」


俺達を殴り飛ばした巨大な化け物は撤退していた。


「クソッ!」


俺は情けない。

わけのわからない世界に来て反乱軍とかいう変な連中に捕まり、助けに来てくれたのかは知らないが彼女をケガをさせてしまいとても悔しかった。

だが今出来ることはこの子を連れてここから出ることだ。







無事とはいかなかったが俺は少女を担いで洞窟の外に出ると木々が焼け焦げ遠くを見ると火薬砲が並べられている。

そして近くに馬車などが並べられていて彼女と同じ格好をしている人達が戦闘後の処理などを行っており俺達は助かったのであった。




第2話「脱出」を読んでくださってありがとうございます。

今回はこの私トムキャットが担当しました。次回もよろしくお願いします

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