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真・恋姫†無双 青龍・朱雀伝  作者: SS
一章 桃園結義
4/15

青龍伝 今度はどんな世界なんだろうな?

体に感覚が戻ってきた。頭痛はもう無い。

眩しい。けども、目を開けんと始まらない。

夜更かしの次の日の朝みたいなことを思いながら、オレは苦労しながら目を開けた。


目を開けると荒野が広がっていた。オレはため息と共に言った。


「またかよ」


横に目をやると、ユージも居た。ヤツも同じことを考えてるらしい。話かけてみる。


「またっぽいな」


「ああ」


「今度はどんな世界だろうな?今度はマトモな歓迎が欲しいモンだ」


「前回なんて辺り一面盗賊だったものな」


と、ユージが笑いながら言う。オレも笑うが、人の気配を感じて、後ろを振り向いた。どうでもいいが座ったまま後ろ向くのって結構しんどいよな。




3人の少女がいた。


中央に立つのは、桃色の髪にどこかお嬢様チックな雰囲気の少女。

向かって右側は、美しい黒髪に長身(オレより少し低いくらいか)の少女。無警戒な2人と違い、警戒した雰囲気でこっちを睨んでくる。

向かって左側の最後の一人は、まだ幼さの残るちっこい少女だった。幼女と少女のちょうど境目くらい。


「座ったままで失礼だが、あなた達は?」


と、彼女らに尋ねるユージ。


黒髪の少女が返す。


「こちらも失礼だがそちらから名乗ってもらおう」


そう言って彼女は豪華な装飾の長刀のようなものをこっちに突きつける。


「愛紗ちゃん!?」


桃色の髪の少女があわてて叫ぶ。彼女は愛紗というらしい。愛紗の視線はオレの背中の大刀に釘付けだ。

オレは大刀を背中からおろして放った。腰に差している日本刀も放る。ユージもオレに習い、腰の刀を放る。

オレとユージは立ち上がり、手を上げて無抵抗をアピールしながらオレが答える。


「武器を下ろせ。オレらは丸腰だ。」


愛紗は武器を下ろす。


「ゴメンなさい!いきなり武器なんか向けちゃったりして」


「ですが、桃香様!この世の中、正体の分からぬ者に隙を見せては・・・」


「まったく、愛紗は単純なのだ」


「なんだと!鈴々!」


今の会話で、桃色の髪の少女は桃香。幼女は鈴々という名前であるのが分かった。日本人らしくないな。


「ちょっと!お嬢さん方!」


三人はコッチに注目する。


「オレは青山誠。んで、コッチが」


「赤城雄二だ」


桃香が言う。


「変わった名前ですね~。どれが姓で、どれが名ですか?」


ユージが答える。


「青山と赤城が姓で、誠と雄二が名だ。それより、アンタ達は?」


「私は、姓は劉、名は備。字は玄徳だよ」


「私は、姓は関、名は羽。字は雲長と申します。」


「鈴々は、姓は張、名は飛。字は翼徳なのだ!」


アリ?桃香に、愛紗に、鈴々じゃねぇの?っつーかちょっと待て!


「あの、お嬢さん方。少しコッチの話をさせてくれ」


そういってユージと一緒に彼女らと反対方向を向いてしゃがみ、小声で話を始めた。


「オイオイオイオイ。嘘だろ?三国志の英傑の名前だぞ?」


とオレ。


「ああ。どうやらここ、三国志の世界のようだな」


「でもおかしいだろ。なんで女の子なんだ?それにあんま英雄っぽくねぇぞ」


呆れ顔のユージ。


「お前は人を見る目がないな。劉備の目を見たか?吸い込まれてしまいそうな綺麗な瞳だ。あんなものを持ってるのはそうはいない。しかも持ってるやつは大抵は人徳を持つ。劉備といえばそれで有名だろう?それに関羽。見事な黒髪だ。史実の関羽は立派な髭を生やしていたそうだ。男にとっての髭といえば女にとっての髪のようなものだろう。張飛も単純な男だったと聞く。いかにも単純そうな子じゃないか」


「な、なるほど。しかし、まぁ不思議な世界だこと」


二度目の転生だ。もう驚かないさ。


「さて、じゃあ決め手の質問と行こうか」


「だな」


ユージが三人の方へ向き直り、尋ねた。


「ここはどこなんだ?」


関羽が答えてくれる。


「ここは幽州琢郡。五台山の麓だ」


決まった!地名も人名も。完璧に三国志!

オレはユージと目配せした。転生の事を話すか?という意味だ。頷くユージ。

納得してくれるかわからねぇけど、話すしかない。この三国志の世界では、二人だけで生きていくのはまずムリだろう。だが、『三国志演義』の主人公三人を味方につけられんならかなり有利になるはずだ。







数分後







「やっぱり・・・・・・・。思った通りだよ、愛紗ちゃん!鈴々ちゃん!」


どうした劉備。


「この人、天の御使いだよ!この乱世の大陸を平和にするために舞い降りた、愛の天使様なんだよきっと!」


なんだそりゃあ。ジーパン刑事ばりのツッコミをなんとか飲みこんだ。まぁ、あの名台詞はツッコミではないけどね。


「管路が言っていた天の御使い。・・・・・・あれはエセ占い師の戯言では?」


「うんうん。鈴々もそう思うのだ」


ひでぇ言われようだな。よっぽど胡散臭いヤツなんだろうな。


「でも管路ちゃん言ってたよ?東方より飛来する流星は、乱世を治める使者の乗り物だーって」


「ふむ・・・・・・確かに、お二人の話や占いからすると、お二人が天の御使いということになりますが・・・・・・」


「なんだか、お兄ちゃんたちぜーんぜん頼りなさそうなのだ」


「あんだと?」


聞き捨てならねぇな。オレだって丸一年間なにもかも捨てずっと修行してきて、それなりの自信はある。


「言ってくれるね、張飛。俺らはメチャメチャつえーんだぞ」


「へぇ~!鈴々より?」


「もちろんだぜ?」


「じゃあ試してみるのだ!!」


張飛はどこから取り出したのか、身長よりでかそうな蛇矛を取り出し、構えた。


上等だ。最近、マトモな戦いをしてなかったが、あの燕人張飛が相手とありゃあ楽しくなりそうだ。

オレは背中の大刀に手を伸ばし・・・・・・ってそうだ。放り投げちまってた。


取りに行こうとして、さっき放ったところを見ると、大型の狼がオレの日本刀をくわえて逃げ出そうとしていた。


「おい、マジかよ!?」


オレはダッシュで追いかけようとするが、一旦止まってユージに言う。


「お前、オレより早ぇだろ!手伝えよ!」


だがユージは興味もなさそうな顔で


「嫌だ」


と答えた。さらに


「自分の得物は自分で面倒見な」


といって、自分の刀をなでる。いつの間に拾ってやがった!?


「だー!チキショウ!!」


そう言ってオレは全力で狼との追いかけっこに入った。ったく。ツイてねぇなぁ!

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