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真・恋姫†無双 青龍・朱雀伝  作者: SS
一章 桃園結義
14/15

朱雀伝  のんびりできるのも今日が最後かもしれないんだ

お待たせしました!!


本当にすいませんでした!!

俺は、商人的な格好をした商人から提示された額面の価値を隣に座っている桃香に訊いた。この時代の一般家庭が半年は暮らせる額らしい。

俺の想像だと、この商人の年収の3割と少しという所だ。


お話にならない。


俺は、この商人にボールペンを売りつけようとしている。他の物は全部売れた。あとはこのボールペンだけだ。

俺たちの持ち物の中で最も便利で、最もめずらしいこのブツを、最後の最後にこの近くで一番稼いでいる商人に売ろうと思った。重要な取引にのみ使うという別室にまで通されて、この額面とは。


俺は単なる珍品を売ろうとしてるんじゃない。この時代に存在しない物、『オーパーツ』を売ろうとしてるのだ。


この商人は、ブツの価値がまだよく分かっていないようだ。


「なぁ、商人になってどれくらいになる?」


商人は突然の質問にすこし戸惑ったようだ。ちなみに、横の桃香はこういった商談は初めてだからか、少々緊張ぎみ。鈴々は卓に突っ伏してグースカやっている。最初に彼女が何をやっても気にするなと言っておいて正解だった。


「そうですね・・・・・・。20年にはなりますか」


「そうか。だったら物の価値は分かるはずだな?」


俺は畳み掛けた。


「たしかに、アンタがこれを私的に使うぶんにはこの金額くらいの価値しかないかもしれない。だが、アンタはコレをただの道具にするつもりか?これの複製を作って売れば、とてつもない金がアンタの懐に入るぞ」


商人の目の色が変わり、座り方を直した。

たしかに、今この大陸はまずい状況だ。普通に商売をやってるだけでは稼ぐのは難しい。だが、金は金だ。あるところにはある。

そこに、このオーパーツを売れば、溜め込んでる連中は我先にと買い求めるだろう。

そうすれば、かなりの金額が入ってくるはずだ。


「しかも商売敵無しでだぞ。わかるか?コレはな、大陸どころか、海の向こうの異国にだって無い。今、生きている人間のなかで、コレを持ってるのは俺だけだ。そして、アンタが金を払えば、選ばれた人間はアンタになる」


商人がどんどん前のめりになるのが分かる。のってきたようだ。


「なるほど・・・・・・。あなたの言うことは一理あります」


そう言うと、商人は目を閉じて考え始めた。


隣の桃香が耳打ちしてきた。美人に耳打ちされるのは、嫌いじゃない。


「大丈夫かな?ちゃんと買ってくれるかな?」


俺も声を潜めて答えた。やつの思考を邪魔して、商談をダメにしたくはないからな。


「さぁな。この男が賭けをする人間であることを祈る」


2分か、3分か後、商人は目を開けた。


「分かりました。では、この値段でいかがでしょう」


俺は額面を見て、それから桃香のほうをみた。アゴが落ちて、目が点になっている。こんな金額を見たことは無いらしい。俺はさっきの額と比較してみた。


たぶん、この男の3年分の儲けはあると思う。さすがに商人は商人だった。思い切りがいい(少し極端すぎるが)。


「アンタの先見の明に感謝する。こいつはアンタの物だ。好きに使ってくれ」


俺達は、金でいっぱいの麻袋を何個も抱えながら、その場を後にした。






あたりは完全に暗くなっていた。


俺達は待ち合わせ場所の酒場に向かった。愛紗とマコトはもう席をとって待っていた。


「よお。お疲れさん。どうだった?」


マコトがつまみを食う手を休めて訊いてきた。


俺は席に座りながら答えた。金は全部安全な倉庫に預けてきたから手ぶらだ。


「かなり稼いだ。鈴々がいてくれて助かったよ。俺と桃香だけじゃ、あんな金持てなかった」


「えっへん、なのだ」


と、鈴々が胸を張る。そういうことは口では言わないほうがいいんだぞ。とは言わなかった。


「倉庫に置いてあった袋の数を見ると、そっちも結構集めたんじゃないか」


「はい。天のお金や石は、市場の珍品程度の値がやっとでしたが、あの『ぼぉるぺん』はかなりの値がつきました。こちらの分だけで、おそらく五十人ほど集められるかと」


「なるほどな」


俺はさらに計算した。


愛紗たちの金で50人となれば、俺たちの分では80人は集められる。単純計算で130人。

まだ弱いな。

人件費だけでなく、装備を調達する金も要るからまだまだ足りない。


できれば頭数は200人弱。装備もできるだけ上等なものをそろえたい。

2倍は要るな。


俺がそういうと、愛紗は渋い顔をした。


「しかし、お二人の持つ珍品はもう売りつくしてしまいました。今あるぶんより、さらに二倍となると、そろえるのに何年かかるか・・・・・・」


確かに。もう売れるような物は無い。あれだけの物を売ってあの金額だ。その2倍を稼ぎ出すには売る物があってもきついだろう。


だが、この状況も想定内。


「大丈夫だ、ちゃんと考えてある」


桃香が興味深々といった感じできいてきた。


「何々?どんな方法なの、雄二君!」


「それなんだが、俺とマコトの二人で事足りる方法だ。というか、俺とマコトだけしか出来ないんだ。だから、3人は先に宿で休んでてくれないか。時間も時間だし、約1名すでにグロッキーだ」


鈴々は、さっきと同じように熟睡中だ。起こしてもまたすぐ寝るだろうと思って誰も何も言わなかったが。


「しかし、お二人は天の国から参られて日も浅いです。夜中にお二人だけで出歩かれるのは少々危険では」


「う~ん。確かに心配だなぁ・・・・・・。二人が強いのはわかってるけど、夜中の町って結構危ないよ?」


と、女性陣2人。


「いや、大丈夫だ。心配はありがたいが、付いてきても本当に何も出来ないからな」


マコトも


「ああ。それに夜中に出歩いてヤバいのはお前らだろ?お前らも強いけど、やっぱ女だからな。夜中に出歩くのはやめとけって。オレらなら大丈夫だから。な?」


「それに、俺たちはこれから長く険しい道を歩いていく事になる。のんびりできるのも今日が最後かもしれないんだ。ゆっくり休んでおけ」


俺たちの説得に桃香と愛紗は、多少心配そうだったが納得して、鈴々をつれて宿まで戻った。


「お前、やけに静かだったな」


「ああ。ちょっと眠かった」


「・・・・・・」


こいつと鈴々は似てる。

相変わらず短くてすいません。


次の投稿は1ヶ月中にしたいと思います。


アテになりませんがお待ちください。


感想お待ちしてます。

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