(17) - 獣の予感
「ようこそ、銀楯の聖槍へ。カナメ・アーストライト君。俺の名は、マグディウス・ヴィクトール。この騎士団の団長を務めている」
かくして、俺はその”条件”――すなわち、『銀楯の聖槍』団長、マグディウス・ヴィクトールとの対談を果たしていた。
事前に聞かされていた『黒の獣』なんてふざけたあだ名通り、妙に黒い色の男だった。
髪も目も黒で、ローブの色は仄暗い。ただ唯一肌の色は、透き通るように白かった。
いかにも魔術師然とした男であり、その手足も非常に華奢だ。
しかし一方で、油断ならぬほどの威圧感が周囲の空気すらも圧しているように見えた。
一目見て、『只者ではない』と断言できるその雰囲気。
ただのゲームであった≪オーリオウル・オンライン≫では、この種の人物は決して存在しなかった。
そういうロールプレイに徹する人間ならば、いくらでもいる。
しかし真の意味で、油断ならずいけ好かず、それでいて圧倒的な存在感を持つ男など、俺は現実でもゲームでも、今までお目にかかったことはなかった。
パチリ、と男が指を鳴らすと、唐突に、何の脈絡もなく眼前に椅子が出現した。
「掛けてくれ、カナメ・アーストライト君。俺は、君を歓迎しているんだ。どうかゆっくり話そうじゃないか」
「…………」
男の言葉は柔和で、その態度もきわめて友好的だ。
しかし一方で、俺の頭の中は混乱していた。
(……なんだ、今のは?)
脈絡も無く、唐突に、目の前に椅子が出現したのだ。
おそらく、メイジ系列の最上級クラス『ウロボロス』による時空操作なのだろうが……あの男がやったのは、ただ指を鳴らしただけ。そこにインターフェースもスキルコマンドもまったく見当たらなかった。
不可解。言ってしまえばそれだ。
まさしく、おとぎ話に出てくる真性の魔法使いのようであり……。
「どうかしたか? カナメ・アーストライト君」
落ち付いた男の声に、俺は思わずぴくりと身を震わせた。
小さく溜息を吐きながら、これ以上考えても仕方が無いと椅子に腰を下ろす。
「とりあえず、その気色悪い呼び方をやめてくれ」
「……ふむ? いい名前だと思うが?」
「そういう問題じゃない。……普通にカナメと呼んでくれ」
なんというか、適当に名乗ってしまった名前を丁寧に呼ばれると、どうもむず痒くなって仕方が無い。馬鹿にされている気分になるというべきか。
幸いにして、特別何か反応することもなく、マグディウスは頷いた。
「ふむ、分かった。ではカナメ君、改めて君の入団を歓迎しよう」
「……ああ、そりゃどうも」
どことなく釈然としない思いを抱きながらも、俺は頷いた。
男の態度は紳士的だった。
むしろ、言葉通り俺の入団、ひいてはこの会談さえ喜んでいるようにさえ見える。
しかし、と思う。
俺の申し出は少なくとも唐突であったはずであり、そして同時に不躾だったはずだ。
リンから伝え聞いている立場通りの人間なら、本来、俺の立場で面会する席などそうそう与えられるはずもない。
先日、俺の出した条件に、しぶしぶながら頷いたリンは……しかしその翌朝、すぐに俺のところへと報告に来た。
『団長が会見を了承した』――そう告げた彼女の顔は、驚きと戸惑いによって微妙な色彩へと調合されていた。
団長が会談を行うことなどそうそうない。ましてや騎士でもない平民と、入団の儀式以外で顔を合わせることなど極めて稀であるという。
そんな異例の事態を、彼がなぜ了承したのか。
リン曰く『二つ返事だった』そうであり、『では早速、連れてきてくれ』などとのたまったらしい。
この男の考えは解せない。
こうして顔を合わせてみると、尚のこと、その想いはいや増した。
「……俺をこの騎士団に入れようとしたのは、アンタだって聞いているんだが」
「ああ、そうだ」
俺の口を衝いて出た言葉に、鷹揚と彼は頷いた。
「……どうして俺を?」
疑問符でさらに言葉を促すと、「ふむ」と彼はかたわらにあったカップを手に取った。……数瞬前には確かに存在していなかった、小さなコーヒーカップを。
湯気立つ液体を少し啜ってから、ふう、と彼は息を吐いた。
「そうだな。……まあ理由は二つほどある」
「二つ?」
そうだ、と彼は頷いた。
「一つは単純な戦力不足。今、モンスターの被害の拡大に対し、我々は深刻な人手不足に悩まされている」
そして言葉を切ると同時に、つい、とこちらに視線を向け、意味ありげな笑みを浮かべた。
「……君のような有望な人間に入ってもらえれば、士気の向上にも繋がるだろう」
(胡散臭ぇ……)
率直な感想を、表情からどうにか隠しながら、俺は再度口を開いた。
「なら、もうひとつは?」
俺の言葉に、彼が浮かべたのは笑みだった。
沈黙のままコーヒーを口に含み、ずずりと音を立てる。
そして空になったカップを皿の上に置くと、片手を軽く振ってその場から消失させた。
「そうだな。まあ平たく言ってしまえば……運命を感じたから、かな」
「は?」
なんだそりゃキモチワルイ。
俺の脳に浮かんだのはただその一語だった。
「ハハ、そんな顔をするな。別に他意があるわけじゃない」
「……男に運命だのと言われて、気持ち悪がらない奴がいるかよ。いたら見てみたいね。オトモダチになるのは御免だが」
「まあ、ごもっとも」
マグディウスは肩を竦めて俺の言葉を肯定すると、ふと、彼は窓の外へと視線をやった。
「では気持ち悪くない言葉を選ぶとすれば……そうだな。俺には、君の未来が視える、とでも言えば君は信じるかな?」
不意をつくような一言に、俺は沈黙した。
もちろんのこと、未来なんてものを見るスキルも、アビリティもこの世界には存在しない。
それはゲームシステムにより補完不可能だからだ。
どれほど技術が発達しようと、VRMMOの中だろうと、未来を正確に予測することは不可能だ。
……と、断言はできない。
少なくとも、先ほどからこの男がやっていることは完全に未知の領域であるし、根本的に、ここが一体何なのか、どういう世界なのかも俺には分かっていないのだ。
従来通りの、ゲームシステムが通用するなどという保証も断じてない。
しかし数秒ほど沈黙して、俺は首を横に振った。
「いや……信じないな」
「ほう。なぜだ?」
マグディウスが驚いたように顎に手を当てると、面白そうに俺を視た。
確かにこの男なら、実際に未来が視えている、と断言されても驚かないかもしれない。それほどまでに異質な存在感、異様なまで落ち付きようだ。
だけれど。
「未来なんてものが視えたら……面白くないからな」
誰かの未来が視えるのも、自分の未来が視えるのも、きっとつまらない。
「だがアンタは面白そうな顔をしてる。その顔が出来るのは、未来なんて視えてない証拠だろ」
もちろん、それは勘だ。
未来は視えているが面白そうな顔をしている、と言われてしまえばそれまでのこと。
だが、勘でしかない俺の言葉に……マグディウスは「ふっ」と愉快そうに頬を歪めて、両手で拍手を打ち鳴らした。
「なるほど、確かに。これは盲点だった。確かに未来など視えては、この上なくつまらんに違いないな! 次からは気を付けるとしよう」
ひとしきり愉快そうに笑うと、「くくっ」と喉の奥に笑いの残滓を残しながら、俺へと面白そうな目線を向けた。
「まったく、君は愉快だな。他の連中は不思議と、コロリと騙されるものだが」
「やっぱり嘘かよ」
「ああ、当然だ。未来など視えていれば、こんなところでこんなことはしていない」
くっくっく、と喉の奥で笑いながら、あっさりと断言した男の態度に、俺は唖然とした。
じゃあ結局、もう一つの理由って何なんだよ……そう思っていた矢先に「しかし」とマグディウスは付け足した。
「確かに未来は視えないが、だが感じることはある。予感、というやつをね」
「予感?」
「そう。予感だ」
あっさり頷いて、意味深な微笑みで、彼は俺の方を見た。
「君を見た瞬間に直感した。この男はきっと”そうなのだ”と」
「はぁ?」
待て、余計わけがわからなくなってきた。
素っ頓狂な声を上げる俺に、彼は笑みを崩さない。
しかしその笑みは、数分前に俺が視た不可思議で邪悪そうな笑みではなく、憧憬を向ける少年のそれだ。
「私は君のような人間に会ったことがない。どこからどう見てもただの平民であり、しかし騎士すらも圧倒する力を持ち、時として現実に膝を屈する脆さもある」
俺はその言葉に、痺れが走ったような感覚が全身を駆け巡った。
――待て。なんでアンタがそれを知ってる?
前者は、リンの報告書から知ったのだろうが、しかし後者は?
断言できるということは……あのイズリ平原での一連の事情を知っていることになる。しかしそれを知っているのは、俺とリンだけのはず。
「……俺とアンタは、初対面だと思っていたんだが」
「ああ。間違いなく初対面だとも」
「なら、なんでそれをアンタが知ってる? リンから聞いたのか?」
そんなプライベートなことを、職務であってもリンが話すとは思えない。
俺の言葉に、しかしマグディウスは静かに首を横に振った。
「いいや、違う。確かに初対面ではあるが……私は視ていたんだよ、ここで」
トントン、と人差し指でこめかみを押さえた彼の動作を見て、俺の背に戦慄が走った。
(遠視……!?)
そんなアビリティがあるのか!?
少なくとも初耳だった。二年間のプレイ歴において、一度も聞いたことはない。
しかしあっても不思議ではなかった。少なくとも未来視よりは十分にありうる。
アビリティの全貌は、かつての≪オーリオウル・オンライン≫においても明らかにされていない。
これはアビリティの習得方法そのものに問題があった。
アビリティはスキルと違い、クラスを問わずいつでも使用できることが強みだ。しかしその反面、習得方法は非常に不透明である。
たとえば『素振り1000回』で覚えるものもあれば、『特定のモンスターを一定数以上討伐』といった条件のものもある。他にも、『馬にまたがってみる』ことで乗馬アビリティを習得、なんてものも存在していたりするわけだ。
習得後もそれらの条件は一切明らかにされず、そのため、ユーザーたち自身によって習得方法が検証されていった。
のだが……未だ発見に至っていないアビリティも数多く存在しているという噂があり、事実、ごくごく稀にだが、新種のアビリティが発見されることもあった。
そんなレアアビリティの中に、『遠視』などという超強力なものがあっても、そこまで不思議なことではない。
是非習得方法を聞き出してみたかったが、眼前の男が素直に教えてくれるとは思えなかった。
クラスの取得方法ですら秘匿されているのだ。そこまで超強力なアビリティを、易々と教えてくれるとは思えない。質問した瞬間、即座に拘束されて処刑、なんてこともありうる。
疼くゲーマー魂をどうにか理性で押しとどめ、はあ、と俺は溜め息を吐いた。
「……で? その予感って、具体的には何なんだ?」
話を元に戻すと、男――マグディウス・ヴィクトールは、朗らかとすら形容できる笑みを浮かべて、そして断言した。
「そう。それは……君が、この世界を――そして私の運命すらも変える。そんな予感さ」
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
「どうだった?」
部屋から出た俺を待っていたのは、リンだった。
服装は騎士服ではなく、昨日と同じ軽装の布防具だ。もっとも既に朝のうちに見ていたので、改めて驚くこともなく俺は頷いた。
「歩きながら話そう」
その言葉にリンも頷き、歩き出した俺の後ろへと歩を並べた。
「団長の様子はどうだった? 何か失礼はしていないか?」
「失礼ね……」
俺よりアイツのほうがよっぽど、と言いたかったが自制した。
相手は一騎士団の団長なのだ。
リンとシルファ曰く雲の上の存在であり、礼を失すれば、場合によっては罪を背負わせられることもあるという。
俺は「問題ないよ」と頷いて、騎士団の支部の階段を下りていく。
「とりあえず俺の入団については、後日テストがあるらしい」
「ああ……入団試験か」
思い当たる節があったらしく、リンは頷いた。
実のところ、マグディウス……団長には、『別にしなくても構わないが』などと言われたが、にべもなく断った。
奴からの特別扱いは気持ち悪いし、第一にしてその理由自体、結局はぐらかされた気がするし。
「……しかし、カナメ」
ふと階段を降りる途中で、戸惑うような声が俺の足を止めた。
振り向けば、俺よりもやや高い位置で足を止めているリンが、申し訳なさそうに顔を伏せていた。
「頼んだ身で、こんなことを言うのは愚かしいと思うだろうが……本当に、君はそれで良かったのか? 君は団長に、あまり良い印象を抱いていないようだし……」
どうにも、部屋から出てきた時の俺の表情から、そこまで読まれていたらしい。
俺は肩を竦めると、「ああ」と素直に頷いた。
「でも、団長の印象で入団を決めるのも変だろ。実際にリンの行動を見ていれば、このギルド――騎士団がまともだってことは分かるさ」
昨日の夜、『条件』を出した段階で、どちらにせよ入団することは決めていた。
会談をしてまで入団を断るとなれば、リンの面目を潰すことになる。それは駄目だ。俺の我儘で、リンに迷惑はかけられない。
まあもっとも、不躾に会談など申し込んでいる時点で、ちょっとどうなのかと思わないでもないが。
ただ、一度会って話して、どういう人物なのかは知っておきたかったというだけで――。
「リーンディア中隊長」
俺が階段を降り切って、床に靴をつけたところで、ふと野太い男の声が聞こえた。
振り向くと、そこには重量級のプレートアーマーをその身に纏った、いかにも戦士然とした男が立っていた。
「クラウス中隊長……」
リンが驚いたように声を上げ、階段の手すりから手を離した。
クラウス、と呼ばれた男は、いかにもな巨漢だった。
重金防具の下からでも、隆々とした肉体はなおその存在感を主張している。背としては自分よりやや高いぐらいではあるが、その威圧感は、一回りも二回りも彼を大きく見せていた。
そしてその顔に……俺の口は、思わず言葉を発していた。
「ジーグルトさん……?」
短く刈り取った深緑色の髪に、頬に刻まれた一条の傷痕。
ジーグルト。銀楯の聖槍に所属するタンクタイプの戦士であり、かつて≪ギガース≫討伐隊にも自分と同じく参加したことがある。
幾度となく顔を合わせたが、彼自身が寡黙な性格であり、基本的に狩り以外で同じパーティになったこともないゆえに、会話したことはそこまで多くもない。
俺に名前を呼ばれ、彼はリンからこちらへと視線を移動させた。
「君は……リーンディア中隊長に連れられて来たとかいう冒険者か」
「そうだ。カナメという」
男の言葉に返したのはリンだった。
対する俺は、いかような反応も返すことは出来なかった。なぜなら……
「――フム。すまんが、どこかで会ったか? 覚えにないが」
また、いつぞやと同じ間違いを、懲りることなく繰り返してしまっていたのだから。
「……いや。噂で、名前を聞いたことがあってね。……初対面だよ」
努めて冷静な声でそう言うと、「そうか」と重低音の声がうなずいた。
「ならば改めて名乗ろう。銀楯の聖槍、第一中隊長のクラウス・ジーグルトだ。以後、よろしく頼む」
「ああ……こちらこそ、よろしく」
軽く握手を交わす。帰って来る革手袋と板金の感触に、思わずひやりとした。
……昨々日までの俺なら、やはり狂ったように騒ぎだしていたのだろうか。
それとも単に、彼とは付き合いが薄かったから、だろうか?
妙に落ち着いた気持ちで、しかし喉の奥で深呼吸をするように、俺はその無骨な手を離した。
「それで、クラウス中隊長、何か御用ですか?」
俺の背後で放ったリンの言葉に、「ああ」とクラウスは鷹揚に頷いた。
「先ほど、支部長より入団試験の詳細が通達された」
「……もう、ですか?」
そのリンの言葉に、正直、俺も同感だった。
入団の意思を伝えたのが昨日の夜、そして入団試験について聞かされたのは今さっきだ。今日早速に詳細が決まった、ということは、前もって準備していたのだろう。
どうもあの男……マグディウスの掌で弄ばれている気がして、俺は一瞬顔を顰めた。
しかし俺の様子を気にした風もなく、表情をまったく変えぬまま、クラウスは首を縦に振って、そして告げる。
「今より三日後。ガトートス山での哨戒任務に参加してもらう」
「ガトートス山?」
クラウスの言葉に、リンが首を捻った。
「……なぜです? 入団試験は通常、近隣街道の見回りと決まっているはずですが――」
「もとより、ガトートス山の哨戒は予定されていた。近年、どうもモンスターの目撃例が多くなっているからな。そのついでにやるというだけのことだ」
「しかし……」
「いや、いいよ」
なおも食い下がろうとしたリンの肩に触れて、俺はその言葉をやんわりと止める。そして、変わらず威厳を放ち続ける大男へと俺は目線を向けた。
「分かった。その哨戒とやらに参加すればいいんだな?」
「その通りだ。……安心しろ、リーンディア中隊長。今回は安全面を考慮して、編成を十人とする」
はっきりと告げた男の言葉に、リンはやや驚いたように目を見張った。
十人。パーティにおける最大の人数だ。少なくとも戦闘の経験があるらしい人間を十人、ともなれば、低ランクフィールドであるガトートス山程度で苦戦することはまずないだろう。
「この小隊の指揮は、中隊長、お前に執ってもらうとのことだ」
「私に、ですか? しかし――」
逡巡するようなリンの言葉を、巌のようなクラウスの声が有無を言わさず遮断した。
「大隊長と団長からの許可が出ている。”最後まで自分で面倒を見ろ”とのことだ」
俺には、リンの逡巡の意味も、クラウスの言った『許可』の意味も、よく分からなかったが。
しかし……リンは迷うように目を伏せて。
そして顔を上げたとき、その表情から迷いは消え去っていた。
「了解しました。ガトートス山哨戒任務、確かに承りましたとお伝えください」
「……自分では伝えないのか?」
「はい」
迷うことなく断じたリンに、クラウスはやや迷いながらも、しかしはっきりと頷いた。
「分かった。俺の口から、大隊長に伝えておこう」
「感謝します。――クラウス中隊長。私の我儘のせいで、ご迷惑をおかけしますが……」
「構わん。……いや、謝罪するのは俺の方か」
クラウスの、どこか逡巡するように言葉に、リンがわずかに首を傾げた。
……と。不意に彼は、最初から今まで、一ミリたりとも動かさなかった頬をわずかに歪めて。
「人気取りで選ばれただけの小娘かと思っていたが……どうやら私の思い違いだったようだ。許せ、リーンディア中隊長」
ではな、と、そのまま男は背を向ける。
驚いたように目を見開いて、しかしふっとリンが頬を緩めるのを、俺は横で見つめながら――。
どうしてなのか。物凄く下らないと分かっていながらも。
なんとなく、ちょっとだけ、嫌な気分になった。
ようやく話が動きました。というわけで次回は転職&冒険の準備、そしてガトートス山へ……という流れでお送りします。予定!
少々ばかり用事が立て込んでおり、次回の更新が少し遅れそうです……。スミマセン。