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新たなる戦いへ

ガスッ!

いきなり小突かれて目が覚めた。

「何時まで寝てやがる!」

会社が潰れて3日後、少ない私物を持ち込み事務所での生活が始まった。

ソファーで毛布に包まって寝るのは、意外と快適だ。

「ふぁぁ・・・・オハヨウございますカレンさん・・・・ムニャムニャ・・・」

ガスッ!

もう一度小突かれた。

「何が『オハヨウございますムニャムニャ』だ!アタシが来る前に掃除と朝飯の用意しとけって言っただろうが!」

ガスッ!

もう一度小突かれた。

「もういいから、コンビニでおにぎりでも買って来い!」

「ふぁい・・・カレンさん」

昨日から、小突かれっぱなしだ。

それも なんだか気持ちいい・・・・・・Mか?

まぁいいや。

階段を下りると目の前にコンビニがある。

「カレンさんは北海紅鮭が好きだから・・・・あとお茶と・・・」

自分の食べる分も買って階段を駆け上がった。

すると、ドアの前に女性が立っていた。

「あのう、何か御用ですか?」

「あっ・・・探偵さん?」

うふふ・・探偵さんって呼ばれちゃった。

「ええ、そうですよ」。

「でも、カレンさんって女性じゃ無いんですか?」

「あっカレンはうちの所長です。私はその助手で『ジョー』と申します」。

「ジョーさん?カッコいい名前ですね」

「いやぁそれほどでも・・・さぁこちらへ」

俺は、ドアをあけて「カレンさん!お客さんですよ!」とカレンを呼んだ。

「失礼します」。

礼儀正しい、一見お嬢様風・・・・・チョット好みのタイプ・・・・うふふ

「ほら!ぼうっとしてねぇで、お茶お出ししろ!」

「失礼しました。私、花園カレンと申します」

「あら?お若い方なんですね。私と同じくらいかしら?」

「いやいや、もう三十路です」

「ええっ!そうなんですか?ぜんぜんそんな風には見えないですよ お綺麗だし」

「ありがとうございます。それで今日は、何の御用でございますか?」

「私、郡山ハナ子と申します」

・・・意外とレトロな感じの名前だなぁ・・・東北地方の信用金庫のキャラクターみたいな名前。

「はい、お茶でございます」

おれは、さっき買ってきたお茶をコップに移して出した。

「実は、最近ストーカーに悩まされてるんです」。

「ストーカーですか?」

「はい」

「警察に届けましたか?」

「警察には届けましたが、結局事件に成らないと動いてくれないんです」。

「そうですか、それじゃぁ早速」

そこまで言いかけた所で郡山さんの携帯が鳴った。

郡山さんは携帯に出て、少し表情を曇らせると

「ごめんなさい、急用が出来ちゃいまして・・・この封筒の中に逆に私がストーカーを撮った携帯の写真と私の連絡先が入ってます、それ見てあとで連絡してください。そうだなぁ明日の午前中がいいです」。

そう言うとあたふたと郡山さんは出て行った。

封筒を開け、カレンは写真を見た。

そして、物凄く怖い表情で写真を見つめていた。

俺もその写真を覗いた。

「あれ?花園さん?」

そこにはカレンの兄が写っていた。

「ヤロー・・・・・」

やべっ!俺は直感的に非難したほうが良さそうな気がしてチョット後ずさりした。

カレンは怒っていた。

まさか、花園さんがストーカーなんて・・・

「あの女、宣戦布告に来やがった」

「えっ?」花園さんに対して怒ってる訳じゃ無いんだ。

「当然、名前は偽名だろう・・・兄者が、今追っているカルト教団の信者の一人だろうきっと」。

「えっ?」

「おまえさっきから『えっ?』って他に何かコメント無いのか?」

「はぁ・・・」

「あの凄腕の兄者が、尾行に気づかれるなんて在り得ない」

「そうなんですか?」・・・忍者だもんな。

封筒から一枚の名詞が落ちてきた。

『大神会』と書いてあった。

「ダイジンカイ?」

「いやオオカミを崇めている、カルト教団さ」

「オオカミ?って狼?」

「そう眷属って奴さ」

「ケンゾク?」ますます分らなくなって来た。

「普通に神社に祭られている神様だけど、奴らのは違うのさ」

「どう違うの?」

「狐憑きって知ってるか?」

「はい、言葉だけは・・・こっくりさんですよね」。

「奴らはその狐憑きと言うか、自分の体に『大神』を憑依させる事によって、特別な力を得られるって考えてるのさ」

「じゃぁ狼男に成るって事だ」と冗談言ってみた。

カレンは真顔で「そうだ」と言った。

吸血鬼と半魚人の次は、狼男かよ!

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