赤頭巾ちゃんご用心
「それにしても遅いわねー・・・カレンったら」
そう言えば、今日は一体どうしたのだろう?
「せっかく作った、お味噌汁が冷めちゃう・・・」
いつもなら、そろそろ喧嘩が始まってる頃だ・・・・
リリリリリリリ・・・・・
事務所の電話が鳴った。
「アラッ?お仕事かしら?・・・・ハイ、花園カレン探偵事務所でーす・・・・・??」
「あーもしもし・・・ふふふふ・・・その声はフォクシーちゃんかな?」
「アンタ誰?」
フォクシーの顔色が変わった。
「つれないなー・・・・フォクシーちゃんが一番逢いたい人間だよ」
ギリギリ・・・・歯ぎしりがここまで聞こえた。
「そうそう、君の可愛い仔猫チャン預かってるよぉ」
「なに!」
まさかカレンが・・・
「お転婆で困ったよ、捕まえるのに部下が3人も殺られちゃった」
「おまえ・・・・なにが望みだ・・・」
「フォクシーちゃん、きみ自身だよ」
「お前の物に成るつもりはない」
「えー、じゃぁ仔猫ちゃんがどうなってもいいのかな?」
「くっ」
「ファクトリーまで来い!」
「行ったら、カレンは返してくれるの?」
「約束するよ・・・あっそうそう兄貴には内緒でね・・・そこにいるマヌケは一緒に来てもいいぞ・・・どうせ生きて帰れない」
「分かった、今から行く・・・花園っちには内緒だ」
「物分かりが良いね、話が早くて助かるよ」
「じゃ!待ってるから」
そう言って電話を切った。
「どうしたの?」
俺は聞いた。
「チョット行ってくる」
チョット行ってくるって顔じゃなかった。
「カレンさんに何か有ったの?」
「ジョー、アンタには関係ないことよ」
「何言ってるんだよ!仲間じゃないか!」
「危険なの!ヤバいのよ」
「そんなの承知の上だよ」
「生きて帰れないかも知れないのよ!」
「カレンさんが戻ってこなかったら、給料貰えないし・・・そうなったら食えなくなるから困るんだよ」
「バカ!何言ってるのよ!」
俺は、リボルバーを抜いた。
「連れて行ってくれないなら、フォクシーちゃんここでぶっ放すよ」
「チョット!物騒な事言わないで!・・・仕方ないわね・・・じゃぁ車の運転お願い」
「よし!分かった」
「車から、離れちゃダメよ」
「分かったよ・・・チョット待って」
「?」
俺は、武器庫のロッカーを開けるとスコーピオンを取り出した。