表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
The story’s (あるバスは決まりなく色んな街、色んな街に進いていて、 バスの窓から色んな場所色んな物語見て語る話)  作者: San


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

78/124

Skeleton Flowerの透明な嘘 6

あの日。


私は高熱で、意識が沈んだり浮いたりしていた。



冷たいはずなのに、体は熱い。


瞼の裏が赤い。


ぼんやりと、誰かの気配を感じた。



目を開けた。


視界が滲んでいる。


そこに——


彼女が、いた。




洞窟の入り口の向こうには、

青空が見えた。


雨は、降っていなかった。



彼女は、私を見下ろしていた。


触れようとした手が、止まる。



今。


崖の上。


晴れた空。


目の前の彼女。


「……あの時も、雨、降ってなかったよね」



彼女の指が、わずかに強くなる。



心臓の音がうるさい。


喉が乾く。


でも、言ってしまう。


「……試してよかった」


彼女の眉が動く。


「私が落ちたら、来るのかって」


空気が、止まる。


風だけが通り過ぎる。


「やっぱり、来た」


笑おうとする。


うまく笑えない。


「よかった」


[パチィッ________!]


頬が横に弾かれる。


遅れて、熱が走る。


ビンタ。


視界が揺れる。


彼女の顔が、歪んでいる。



怒り。


それだけじゃない。


もっと深い何か。


「最低」


低い声。


震えている。


「命を賭けて試すこと?」


胸がぎゅっと縮む。


何か言おうとする。


言葉が出ない。


彼女の目が、まっすぐ刺さる。


「嫌い」


その一言は、

崖よりも深く落ちた。


さっきまで埋まっていた胸の奥が、

一瞬で空洞になる。


風が吹く。


私は立っているのに、

足元がないみたいだった。


言い訳は、全部遅い。


頬が熱い。


目の奥が痛い

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ