表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
The story’s (あるバスは決まりなく色んな街、色んな街に進いていて、 バスの窓から色んな場所色んな物語見て語る話)  作者: San


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

37/130

The story’s ABC物語 12

それから、

Bの動きが、少しだけ変わった。


急に何かをするわけじゃない。

前より少し、

Aのそばにいようとするだけ。


昼休み。

Aが一人で席に座っていると、

Bは友達との会話を途中で切り上げて、

何も言わずに隣に座った。


「今日、数学やばくない?」


話題は、いつも通りの軽いもの。

Aはうなずいて、

「まあな」と返した。


それで終わり。


Bは、

そのあと何か言おうとして、

結局、言葉を飲み込んだ。


【メモ:

B、自分から隣に来る回数が増えた】


ある日。

Aが忘れ物をしたらしく、

放課後、教室に戻ってきた。


Bは、

たまたま残っていた。


「一緒に帰る?」


Bは、

できるだけ普通の声で言った。


Aは少し考えてから、

「ごめん、今日は用事ある」


それだけ言って、

急ぐ様子もなく教室を出た。


Bは、

「そっか」と言って笑った。


でも、

Aが見えなくなったあと、

その笑いはすぐに消えた。


【メモ:

B、断られても何も言わない】


次の日。

Aは、

何事もなかったように話しかけてきた。


「昨日さ、プリントどこ置いたっけ?」


Bは、

一瞬だけ答えるのが遅れた。


それから、

ちゃんと場所を教えた。


Aは、

「助かった」と言って、

すぐにCのほうを見た。


Bは、

その視線の動きを、

見てしまった。


【メモ:

A、Bと話した直後にCを見る】


また別の日。

Bは、

Aの好きなジュースを覚えていて、

自販機で買ってきた。


「これ、飲む?」


Aは、

少し驚いた顔をして、

「ありがと」と受け取った。


でも、

そのまま、

Cにも同じ種類のジュースがあるか聞いた。


Bは、

何も言わなかった。


【メモ:

Bの“特別”は、

Aに伝わっていない】


Aは、

悪気があるわけじゃない。


たぶん、

本当に気づいていないだけだ。


Bの行動は、

どれも“友達としても自然”な範囲だから、

Aには、

ただの親切にしか見えない。


でも、

Bのほうは、

少しずつ、

傷ついているように見える。


大きな傷じゃない。

誰にも言わないくらいの、

小さな傷。


【メモ:

Bは何も言わない

でも、少しずつ静かになる】


僕の席から見えるのは、

Aの変わらない態度と、

Bの、少し減った言葉の数だけだ。


それが、

すれ違いだと気づく人は、

たぶん、

この教室にはまだいない。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ