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The story’s (あるバスは決まりなく色んな街、色んな街に進いていて、 バスの窓から色んな場所色んな物語見て語る話)  作者: San


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The story’s 迷い街の運び屋 14

俺はその建物の前に立っていた。


 街の外れの地区。

 人通りは少ない。


 コンクリートの建物。

 窓は少なく、静かだった。


 入口の扉の前に黒いスーツの男が立っている。


「配達です。」


 依頼票を見せる。


 男は紙を確認する。


 それから言う。


「検査をする。」


 俺はうなずく。


 金属探知機のような機械。

 荷物のスキャン。

 ポケットの確認。


 思ったより厳しい。


 黒いスーツの男が無表情で言う。


「問題ない。」


 扉が開く。


 中は冷たい空気だった。


 長い廊下。

 足音が少し響く。


 案内されて地下へ降りる。


 鉄の階段をゆっくり下る。


 一段ごとに、機械の低い音が強くなる。


 地下は広かった。


 蛍光灯が薄く光っている。


 遠くで機械が動いている音。


 案内の男が一つの扉の前で止まる。


「ここだ。」


 それだけ言って去っていく。


 俺は扉を見る。


 金属の扉。


 少し深呼吸をして、ノックする。


 コン、コン。


 中で椅子が動く音がする。


 足音が近づく。


 扉が開く。


 白いコートの男だった。


 髪は少し乱れている。

 でも目は静かだった。


「……配達?」


「はい。」


 箱を差し出す。


 博士はそれを受け取る。


「ありがとう。」


 それだけ言う。


 部屋の中が少し見えた。


 机の上にガラスの装置。

 配線。

 フラスコ。


 中央には大きな装置があった。


 青い光がゆっくり回っている。


 見ただけで普通の研究じゃないと分かる。


 でも博士はそれを気にしている様子はない。


 箱を机に置く。


「じゃあ。」


 それだけ言う。


 俺は軽く頭を下げて帰った。



 一週間後。


 また同じ建物。


 同じ検査。


 同じ地下。


 同じ扉。


 ノックする。


 博士が出てくる。


「ああ。」


 前に見た顔だった。


 箱を受け取る。


「ご苦労。」


 短い言葉。


 それだけ。


 でも今回は、扉が少し開いたままだった。


 中の研究室が少し見える。


 前より装置が増えている。


 机の横に黒い球体のような機械が置いてある。


 博士はそれをちらっと見る。


「うん。」


 小さくうなずく。


「まあ、順調かな。」


 誰に言うでもなく言う。


 俺は少しだけ聞く。


「研究ですか。」


 博士は少し考える。


「まあ。」


 それだけ。


 それ以上は言わない。


 俺も聞かない。


 少し沈黙が流れる。


 機械の低い音だけが聞こえる。


 それから俺は帰った。



 さらに一週間後。


 同じ道。


 同じ地下。


 同じ扉。


 ノックする。


 博士が出てくる。


「また七日か。」


 少し笑う。


 箱を受け取る。


 今日は部屋の奥に黒いスーツの男が二人いた。


 話し声が聞こえる。


「これが成功すれば歴史が変わる。」


「組織は世界の中心になる。」


「この研究は人類の支配構造を――」


 少し大きな声だった。


 博士はその話を聞きながら、机の上のメモを見ている。


 ペンで何かを書いている。


 男たちは続ける。


「博士、これは革命だ。」


「あなたの名前は歴史に――」


 博士は顔も上げない。


「ふーん。」


 それだけ言う。

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