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死亡フラグをへし折れ!

【1】

この孤島の館では、つい先日から三人もの客が相次いで殺されている。

執事のダリルは落ち着いた物腰だが、どこか冷ややかな雰囲気を漂わせており、女主人のロザリンは口調こそ上品ながら一瞬たりとも気が抜けない鋭い眼差しを持っている。

年若いメイドのサラは怯えきった様子で、何か秘密を隠しているようにも見えるし、無口な庭師のバーナードは誰とも深く話をしない分、その内面を測りかねる。

さらに館に滞在中のシスター、マリベルは静かに祈りを捧げる姿が印象的だが、それがかえって不気味な空気を生み出している気がする。

そして私は、彼らに混じって雑用ばかりさせられている端役だが、どうも次は私が殺される番だと直感してしまった。

「こんな夜中に、一人でウロウロしていて大丈夫なのか」そう声をかけてきたダリルの目は、まるでこちらを観察するように鋭かった。

執事に事件について直接尋ねるなら【2】へ。

古い廊下の奥を探ってみるなら【3】へ。


【2】

「執事さん、ここ最近の殺人事件って一体どうなっているんですか」そう切り出した私に対し、ダリルは静かにランプの火を調整しながら答えた。

「捜索はしているのですが、ここは嵐で外界と遮断されている以上、犯人は館の中にいると考えるべきでしょう」

その言葉を聞いて、私は思わず身をすくめる。

「つまり、私も含めて誰もが容疑者……ということですか」そう聞くと、ダリルは意味深な笑みを浮かべた。

「お気をつけなさい。次に狙われる可能性は否定できませんよ」

本当に自分が殺されるかもしれないと思うと、足元がふらつく。

執事からさらに詳細を聞き出すなら【4】へ。

周囲を警戒して別の部屋を調べるなら【5】へ。


【3】

私は古びた廊下を進み、少し濁った窓から外の激しい嵐を眺めていた。

すると背後から、女主人ロザリンの冷ややかな声が飛んでくる。

「あなた、こんなところで何をしているの。身の安全を考えるなら、おとなしく部屋にこもっていればいいのに」

彼女の言葉には優しさよりもどこか棘が感じられたが、それでも私は食い下がった。

「部屋にいても、もう安心できる気がしないんです。せめて手掛かりを探したくて」

ロザリンは小さくため息をつき、ロウソクをかざして私の顔をじっと見つめる。

「わからない人ね。まあいいわ、好きにしたら」そう言って彼女は踵を返したが、その背中は何かを含んだ静けさを漂わせていた。

屋敷の奥へさらに進むなら【6】へ。

使用人部屋へ戻ってサラの様子をうかがうなら【7】へ。


【4】

私は意を決してダリルの正面に立ち、「あなたは何か知っているんじゃありませんか」と声を低めて問いかけた。

すると執事は小さく笑い、「随分と積極的ですね。ですが、お教えできることは多くありません」と言葉を濁す。

「誰もが疑心暗鬼になっている状況で、あなたが深入りすれば危険が増すだけですよ」そう言われても、ここで引き下がるわけにはいかない。

「私の身にも関わるんです。何か事件の手掛かりになるようなものはありませんか」そう食い下がると、ダリルは目線をそらした。

「昔、この館では似たような惨事があったとだけ……もう古い話ですが、二度と繰り返したくないものです」

彼の言葉には何かしら伏線めいた響きがあったが、それを無理に引き出そうとすれば執事を敵に回しかねない。

さらに執事を問いただすなら【8】へ。

ここは退いて他を探るなら【5】へ。


【5】

私は執事のそばを離れ、暗い廊下へ出ると、そこにはメイドのサラが立ち尽くしていた。

彼女は不安げにこちらを見て、「聞きましたか。今度は物置部屋で何かがあったとか……」と囁く。

「物置部屋ですか。まさか、また殺人が……」と聞き返すと、サラは震える声で「誰も確認できていないんです。でも、嫌な予感がするんです」と答えた。

こうして話しているだけでも、自分が殺される危険が高まっている気がして落ち着かない。

それでも行動しなければ何も変わらない。

物置部屋へ直行するなら【9】へ。

いったん安全そうな厨房へ向かうなら【10】へ。


【6】

屋敷の奥はほとんど明かりがなく、嫌なほど長い影が床に落ちている。

背後から足音が聞こえて振り返ると、庭師のバーナードが無表情で立っていた。

「こんなところにまで来るとは、怖いもの知らずだな」彼の声は低く、まるで私の行動を嘲笑うかのようだった。

「誰が犯人かもわからないのに、捜し回るのは危険じゃないか」そう続ける彼の表情は読めないが、妙に落ち着いているのが不気味だ。

いっそバーナードを問い詰めるなら【11】へ。

距離を置いて避けるなら【12】へ。


【7】

使用人部屋へ向かうと、サラが片づけもそこそこに座り込んでいた。

「もう何も手がつかないんです。こんな事件が起きるなんて……」サラは膝を抱えて震えているが、彼女だって容疑者に含まれるかもしれない。

ただ、今は弱りきっているようにも見える。

「サラ、何かおかしなことはありませんでしたか。人の出入りとか、物音とか」私がそう訊ねると、彼女は首を振る。

「私も巻き込まれるんじゃないかって、そればかりで……すみません」

話しているだけでお互い心細くなるが、ここで立ち止まっても仕方がない。

執事やロザリンの様子を探りに行くなら【3】へ。

物置部屋をチェックするなら【9】へ。


【8】

「古い話って、二十年前の惨事のことでしょうか」そこまで聞くと、ダリルの眉がピクリと動く。

「さあ、あまり過去を掘り返しても良いことはありません。これ以上はお勧めしませんよ」

彼の態度は明らかに警戒を強めているようで、まるで深く踏み込むと殺されかねない雰囲気さえ漂わせている。

「それでも真相が知りたいんです。私だって次は自分が殺されるかもしれない」そう食い下がると、ダリルは軽くため息をついた。

「あなたがどうしてもというなら、旧書庫の奥に当時の日記が残っているという話もありますが……」

その言葉に私はかすかな手掛かりを見出す。

旧書庫へ向かうなら【13】へ。

話を切り上げて安全を優先するなら【5】へ。


【9】

私はサラの話を頼りに物置部屋へ急いだ。

扉を開けると薄暗い中に古い家具が積まれ、ほこりっぽい空気が広がっている。

奥のほうで物音がしたので、そっと近づいてみると、何かが倒れたような跡があった。

「誰かいるんですか」そう声をかけると、不意に何者かがこちらへ飛びかかってきた。

一瞬のうちに視界が真っ暗になり、私は喉から声を出すことすらできずに床に崩れ落ちる。

――どれだけ時間がたっただろう。

私はもう息をしていなかった。

【9】はバッドエンド。


【10】

私はいったん落ち着くために厨房へと向かった。

扉を開けると、シスターのマリベルがテーブルに座り込んで、水を一杯飲んでいた。

「あなたも怖いでしょう。こんな事件ばかりで……」彼女に声をかけると、マリベルはかすかに微笑む。

「神に祈っていても、惨劇が続くのはなぜなのか。私も答えが見つかりません」

その言葉に、私の中にもやもやした疑惑が芽生える。

「シスターだって人間。もしかして何か隠してるのかもしれない」そう感じてしまうが、今は彼女を問い詰める余裕もない。

シスターの話を続けて聞くなら【14】へ。

厨房を出て他の場所を探すなら【5】へ。


【11】

「バーナード、あなたはいったい何者なんです。事件が起きてるのに動揺がなさそうなのはどういうわけですか」思い切って問いただすと、彼はわずかに首をかしげた。

「なんだ、俺を疑ってるのか。やめてくれよ、俺だって犠牲者になりたくないんだ」

その口調には余裕を感じるが、こちらをにらむ眼差しにはどこか鋭いものが宿っている。

「この奥に用があるなら止めないさ。けど、あんたがどうなっても俺は知らないぜ」

まるで挑発されているようで、ここから立ち去るのは悔しいが、深入りすれば殺されかねないリスクが高まる。

バーナードを更に問い詰めるなら【15】へ。

廊下を引き返すなら【3】へ。


【12】

私はバーナードの気配に背筋をこわばらせながら、なるべく距離を置いて廊下を進む。

すると彼は小さく笑って「そんなに俺が怖いか」と嫌味な声を投げてくる。

「怖いというより、誰が犯人でもおかしくないと思うと疑心暗鬼で……」そう返すと、バーナードは肩をすくめた。

「ま、全員怪しいのは確かだな。だけど逃げてばかりじゃいずれは捕まるぞ」

その言葉に耳を傾けつつ、私は先へ進もうとする。

本当に犯人が彼でない保証もなく、声を荒らげれば逆上されるかもしれない。

執事や他の人を探すなら【5】へ。

屋敷の奥にいるロザリンのもとへ行くなら【3】へ。


【13】

私はダリルの言葉を手掛かりに旧書庫へ足を運んだ。

年代物の本がびっしり並ぶ棚の間を進むと、埃にまみれた日記帳が机の上に置きっぱなしになっているのを見つける。

「これが、当時の記録……」ページを開いてみると、そこには二十年前に起きた連続殺人事件の惨状が生々しく書き残されていた。

「閉じ込められ、助けが来ないうちに一人、また一人と殺されていった……」読み進めるほどに胃が重くなる。

どうやらその事件の生き残りが、いまだに館にいるらしい。

真相を突き止めるため、日記を持ち出すなら【16】へ。

ここから一旦逃げ出すなら【10】へ。


【14】

マリベルは優しい声で「あなたに何か力になれることがあればいいのですが」と私を見つめる。

「でしたら、何か気づいたことがあったら教えてください。どんな小さなことでも」そう頼むと、彼女は困ったように微笑んだ。

「実は、誰かが地下の礼拝室に入っていくのを見かけました。あそこはもう使われていないはずなのに……」

その話は気になるが、私が地下に行けば確実に死亡フラグを引き寄せそうな気がする。

それでも勇気を出して礼拝室を調べるなら【17】へ。

礼拝室以外のルートを調べるなら【18】へ。

厨房を出て安全策を考えるなら【5】へ。


【15】

「すみませんが、あなたを疑わずにはいられないんです。こんな状況で落ち着きすぎているし、何か裏があるんじゃないですか」

強い口調で問い詰めると、バーナードの表情がさっと険しくなった。

「あんた、知らないうちに地雷を踏んでるぞ。俺を敵に回すってことは……」彼はそこまで言うと口をつぐんだが、その眼光は危険な色を帯びている。

やはりバーナードこそ犯人かもしれないと思う反面、ここでこれ以上彼を追いつめるのは得策ではなさそうだ。

選択肢を示す暇もなく、彼の手が一瞬で私の喉元へ伸びた。

「うるさい奴は消えてもらう」そう呟かれた瞬間、私は床に投げつけられ、頭を強打して意識を失った。

――そのまま再び目を開けることはなかった。

【15】はバッドエンド。


【16】

私は日記帳をしっかり抱え、何としても犯人の手掛かりを探し出そうと決意する。

「ここまで来たからには、もう逃げるわけにはいかない」そう呟き、旧書庫を出て館の廊下に戻った。

そこへロザリンが通りかかり、日記帳を持つ私の手元に目を留める。

「あなた、何を持っているの。まさか昔の事件について調べているのかしら」彼女の声には警戒が滲んでいる。

「ええ、このまま被害者を増やすわけにはいかないので」そう答えると、ロザリンは薄く笑みを浮かべた。

「ならば気をつけることね。犯人が誰であれ、あなたを黙らせようとするでしょうから」

その言葉に一抹の恐怖を感じながらも、真実に近づくには前に進むしかない。

さらに深く事件を追うなら【17】へ。

安全策で厨房や使用人部屋へ戻るなら【10】へ。


【17】

私はシスターの言うとおりに地下礼拝室の扉を開ける。

埃まみれの祭壇と、かすかにしみついた湿った空気が、長らく人の出入りがなかったことを物語っている。

すると背後から小さなランプの光が近づいてきた。

「あなたもあの事件を調べているのか」ひそかな声で問いかけてきたのは、執事のダリルだった。

「二十年前の惨劇と、今回の事件は深く繋がっているはずです。犯人は同じやり方で殺人を繰り返している……」そう言ったところで、ダリルが顔を上げる。

「あなた、そこまで知ってしまったのですね」低い声が響いた瞬間、私は背中に悪寒を覚えた。

「まさか、あなたが……」問いかけるよりも早く、ダリルの掌底が私の胸を打ち据える。

「残念です。ここで終わりにしましょう」

――もう息をすることさえできない。

【17】はバッドエンド。


【18】

私はリスクを承知で礼拝室以外のルートを探そうと館の奥へ足を向けた。

誰もいないはずの廊下を曲がった先で、シスターのマリベルが壁に寄りかかっている姿が目に入る。

「どうしました」そう声をかけると、マリベルはうつむいたまま答える。

「祈っても、止まらないんです……この館の闇が、止まらない」

彼女の震える声を聞きながら、私は日記帳をぎゅっと抱きしめた。

「犯人は誰なのか。なぜこんなことを……」問いかけるが、マリベルは首を振り、「裏切りの血筋を断ち切るため、と聞いたことがあります」と呟く。

その言葉が、さらに不穏な伏線を感じさせる。

他の部屋を探すなら【12】へ。

奥の物置を再び調べるなら【9】へ。

一旦戻るなら【19】へ。


【19】

気分を落ち着かせようと、私は古いサロンに座って深呼吸を繰り返していた。

すると扉の外で、ロザリンとバーナードがひそひそ話をしている声がかすかに聞こえてくる。

「大丈夫よ。次の犠牲者さえ始末すれば、あとは計画どおり……」そう語るロザリンの声に、思わず息をのんだ。

「……この館に秘められた遺産は、俺たちのものになる」バーナードが小さく笑うのが聞こえる。

逃げ出そうにも、扉の外は彼らが陣取っている。

恐怖で全身の力が抜け、私はサロンの奥に隠れるが、ドアが開け放たれ、逃げ場はふさがれた。

「まさか聞かれていたとはね」ロザリンの冷たい声とともに、私は絶命の瞬間を迎える。

【19】はバッドエンド。


【20】

館の隅々を巡り、私はようやく真犯人の正体を突き止めるに至った。

「犯人は……バーナード、あなたなんですね」私がそう言い放つと、彼は肩をすくめて薄く笑う。

「さすがに気づいたか。二十年前に生き残った連中の血筋を、すべて断ち切るために俺はここへ来たんだ」

この館の莫大な遺産と、祖父の代に受けた屈辱を晴らすため、バーナードは計画的に人々を殺していたのだという。

そして私が狙われていたのは、当時の被害者の一族と縁がある血筋だったかららしい。

しかし決定的な証拠を押さえた私は、ダリルやサラ、マリベルたちに助力を仰ぎ、バーナードを取り押さえることに成功した。

嵐が収まった朝、玄関ホールには疲労の色が漂っていたが、少なくともこの連続殺人は終わったのだと胸を撫で下ろす。

こうして私は、次の犠牲者に名を連ねるはずだった運命をなんとか断ち切り、生還を果たした。

【20】は生存エンド。

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