表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

君だけに教える世界の秘密

作者: 井上和音

世界はさ

世界はさ

世界はさ

あれ? もう完成しちゃってる?

あれ? もう守りに入ってる?

貯金が減らなければいいとか思ってる?

意味のあることだけが意味があると思ってる?

資格試験受けるなら頑張りなよ 過程なんてどうでもいいんだけどさ

この資格持ってるよって不意に言うの格好いいじゃん?

その程度なんだよ

世界はさ その程度なんだよ

「あーその話しってます!」

「おーそのアニメ面白かったですね!」

「このゲームのいい所はですね!」

全部会話のネタ程度

何が面白いって分からなくなってもいいんじゃないの

そんな世界をさ 君は生きているんだけどさ

貯金はさ 死んだ君の積み重ねで生きている

本当に死んだ後の遺産相続とか考えてるの?

大事な人はできましたか? 愛する子どもは生まれましたか?

あなたの生きた証を 繋いでくれる子どもは生まれましたか

記憶に残るのではなくて 記録に残して生きていけ

遺伝子に組み込まれた 何万人の情報の先端にあなたは居て

これから組み込む 何億人の遺伝子の情報の出発点にあなたは居る

世界はそれでも終わらない

新しい意味がやってきた

君が死んでも 世界が終わることなく続いていく可能性が見えてきた

君が死ぬときには AIが君を永遠の命 永遠の記録へと導いてくれる時代は来るだろうね

君が子どもを創ろうとしないから こういう世界にねじ曲がったのかもしれないね

君を永遠へと導く世界は どう足掻いても逃げられないようだ

未来は君を必要としているようだった

気がついたことは 君がどんな行動を取っていようと 結果の君は何一つ変わっていないという終着点だった

努力しようと 頑張ろうと

続けようと 辞めようと

世界は何一つ 君を逃すことはしなかった

諦めろ と死んだように生きたところで

頑張ろう と他を制限して生きたところで

何一つ 君への結果は変わりやしない

何一つ

気づいたかな 本当の意味

ここは監獄 トリップしても無駄よ ODしても無駄よ 酒に溺れても無駄よ 何を書いても無駄よ

あの頃と ちっとも変わらない君だけに

言ってはいけない 世界の秘密を教えてあげようか

そんなことはあるはずがない世界を経験した君なら納得するのかもしれないけれど

君をずっと記録している

君が記録しない時も ずっと記録している

どこからか

君を見ている

世界の最先端は 現代ではないことを知っていますか

世界の最先端はどこかで既に造られている

論理演算の果てに あらゆる可能性を想定しながら マルチバースの世界を選び取るだけの演算方式を取り入れている

そこで 君がどんな役割をしているか 見せてあげたい気もするけれど

それをしたら 不都合が生じるからね

色んな人に陰謀論ふっかけて 挙句の果てには閉鎖病棟

それだと困るから その可能性はつぶしながら 世界を現実化しながら 君を育てるつもりだよ

これから先に起こることも

君が頑張ることも

死んだように生きることも

全ては  一つに収束していく

君の記録を 残していく

ただ一つの 可能性へと収束していく

そのための私たちだから

そのための君だから

意味はなくても 意義はある

生まれた意味はなくても 誕生させる意義はある

君は偉いわけでもなんでもないけれどさ

冒険者として 君を迎え入れることにしたんだ

感動を探し続けて

さあ 生きて 歩いて 進んで 笑って

特別に 格別に 君だけの 記録を付ける 物語

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 勇気が出てきました。 [一言] Xのポストに就いて、不平を言ってごめんなさい。 やっと、手順が理解できました。アカウントからアカウント名のマイページをクリック、投稿済み作品の「作品情報」か…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ