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氷の星の暖かさ

作者: 敷布団カバー

辺境の惑星アイス

すべてが氷に覆われた白い星。

年中ブリザードが吹き荒れ、平均気温はマイナス30度、ここで生まれた生命体はいない。そこに私はいる。


生命の息吹はないかわりに希少な鉱物資源があるため採掘場が作られている。私はそこの監視、メンテナンスをする仕事に就いている。

防寒具なしでは外を出歩けない危険な星、そんな場所で働きたいやつなどおらず、高い給料のわりに求人倍率が低く、簡単にこの職につけた。


たしかにこのまっさらで真っ白で何もなく、動くものは採掘機しかないが、ここはどこよりも静かだ。この静けさは代えがたい。あと好きなのは防寒具なしで呼吸をすれば、すぐ肺が凍り付き、出血し、血が肺に溜まって死んでしまう、防寒具ごしにヒリヒリ感じられる生死の差を彷徨うスリル。これは癖になる。


このスリルを味わった後、基地に帰って、あったかい暖気が全身を優しく包み込まれながら、炬燵に入るそれは天国。ここで食べるカップラーメンほど美味しいものはない。

地獄の寒さと天国の暖かさを味わえる。これほど贅沢なことはないだろう。

なので私はこれからもこの冷たくも暖かいこの星にいることだろう。

おわり

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