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こんな感じ

初投稿です。キャラクターに魅力がないかと思いますので軽いノリで見てください。

イキリと呼ばれる存在、そして陰キャと蔑まれる存在を知っているだろうか。総じて良い意味には使われない。人が他人を見下す時に使う言葉である。かくいう俺は言われる側だ。しかも両方揃っているから学校でも孤立している。…ふざけんな俺が何をした!ただ自分の思ったこと言っただけじゃん!空気読まなかったからか!だから嫌なんだよ集団生活!右をみても左を見ても愛想笑いに詰まらない話がデカい顔してさも代表かのように飛び交っている!バカか!お前らの青春はそれで良いのか!学生時代くらい好きに生きろよ!言い合えよ!


…とまぁ、それをやった結果が俺だ。教室では虐めこそないものの誰かと話すこともない。ただ学び、本を読む為に学校に行っている。最近は◯OOKOFFでリングや呪怨、アイズなどを買った。夏だからね。ホラーが欲しい。ただ家に帰ると勝手に回る椅子とか風もないのに開く扉があるけど。ベッドから笑い声が聞こえることもある。


「今日さー、カラオケ行かねー?八十以上取れない奴は罰ゲームなー」


クラスの中心を気取ってる大沢が無駄にデカい声でサッカー部グループと話している。カラオケか。銀の龍の背に乗ってしか歌えない。というか静かで激しい歌しか歌えない。俺の音域は狭いんだ。まぁ、帰宅部の俺には関係ない話だ。クラスで孤立している俺は誘われることもないのだから。


「…ねぇ、ちょっと良い?」


呪怨2を読み、伽倻子に勝手に感情移入してやり切れない気持ちに浸っているとクラスで俺と違ってカースト上位に居る桜木さんが誰かに話しかけるのが聞こえる。珍しいなと思いつつ、未だ気持ちは浮上してこない。…そういえばビブリオバトルは今年有るのだろうか?呪怨2を紹介しても良いかもしれない。


「ねぇ、伊切くん」


「え、俺?」


このクラスに伊切は俺しかいない。伊切白夜。名前からしてイキっている。しかも白夜なんてキラキラネーム最悪だ。ただ親父は新人あらひとでニートが渾名だったらしいからまだマシだ。ただ、なぜ桜木さんが俺に声を掛けてきたんだろう?別に事故から救ったり虐めから助けたりとかはしてない。そもそも前者に至ってはフィクションだけだ。普通一緒に死ぬことになる。


「うん。そうだよ。ちょっと聞きたい事があるんだけどさ…」


「う、うん。何?」


「なんでいつも本だけ読んでるの?」


いつものギャル口調はどうしたんですか桜木さん。ちなみに桜木さんは黒髪パッツンなのにギャルだ。見た目は完全清楚なのにギャルだ。白いワンピースが似合いそうだがギャルだ。


「…話す相手もいませんし、何より話して相手を不快にさせるくらいなら本読んでいた方が互いに効率良いでしょう?」


俺はイキリ陰キャだ。そんな存在が誰かと話すなんて烏滸がましい。人間は共通の敵を作ると一致団結するという。かと言って俺が敵になりたくてなったわけじゃなく、俺の性格が受け入れられずにそのままズルズルと敵というポジに座らせられた。その日から1週間ほど帰ってから復習をして寝るだけの生活が続いた。ストレスで5キロ痩せた。


「なにそれ。バッカじゃないの?」


桜木さんはそれだけ言って綺麗な髪を一度払ってサッカー部グループに話しかけに行った。

バカか…。俺だってなりたかったわけじゃないんだよ桜木さん。だけど現実的に俺はこんな感じなんだ。クラスメイトではあるけど、他人だからね。お互いに理解なんてし合えないし、住む世界が違う桜木さんの悩みも俺はわからない。なんで話しかけてくれたのかもわからない。

「…帰ろ」


ウチの高校は工業高校だ。俺の偏差値では工業がギリギリだったから入った。が、割と楽しい。元から物を作るのは好きだったこともある。が何より勉強が楽なのが大きかった。毎日専門教科はあるけどそれも殆ど暗記だ。


「…ただいま。」


今日やった事を思い浮かべながら玄関のドアを開け、家に入る。…今日は唐揚げか。


「おかえり。白兄、今日は誰かと喋れた?」


「ただいま。桃、今日もお兄ちゃんはダメだったよ。」


桃は俺の義理の妹だ。俺が小さい頃に実父母を事故で亡くし、伯父の家に引き取られた。なので正確には従兄弟だ。容姿は身内贔屓しなくても充分可愛らしく、未だに反抗期が訪れないのが少し不安だ。この子は将来社会の荒波に揉まれて折れないだろうか。栗毛に茶目。少しカールしているその髪は手入れが行き届いているのか艶があり、将来良い男を吹っかけるだろう。なんなら彼氏が居るらしい。今度ご挨拶したいから呼んでほしいと言うのに呼んでくれない。まぁ、中学生で恋愛と言うのも早いのだろうか?彼女ができた事ない俺にはわからないや。


「そっか…あ、今日はお姉ちゃん遅くなるって。先に食べてて良いってさ」


「そっか。雪姉遅いのか。仕事忙しいの?」


制服のまま食卓につき、桃と顔を合わせて食べる。柔らかい肉を噛むと肉汁が溢れ、ご飯が進む。俺はちなみに醤油とソース、マヨネーズを同じ分量で混ぜたソースで食べるのが好きだ。


「うん。でも生徒会は楽しいみたい。毎日充実してるってさ」


「へぇ〜。あの雪姉が生徒会か。昔はカエル捕まえて俺に投げてくるくらいヤンチャだったのに」


ちなみに顔に当たったあげく尿をされた。泣いた。それでも雪姉は爆笑してて、桃はカエルが怖くて近寄れなかった。そのせいか俺はゴキブリにすら驚かないし何ならティッシュで捕まえられる(薄いプラスチックを持ってる気分になる)。流石に素手は勘弁だが。


「あったねぇそんなことも。…そういえばお兄ちゃん。また私の服とかが誰も居ないのにズレるんだけど…」


「…まぁ、幽霊だって現役JCの服が欲しいんじゃない?プレミアでしょ。」


桃はバァンっと机を叩き、俺はその音で唐揚げを落とした。しかもビクッとなった時に足の小指を机の脚にぶつけた。


「そう言うことじゃなくって!もう深夜徘徊しないでって言ってるの!」


「えぇ…俺が連れてきたみたいじゃないか。違うよ?俺はただ夜に散歩してるだけだよ?偶にスマホで録画すると変なの映るけどさ」


それをホラー番組に送って放送してもらうのが最近の夢だ。確か放送されるとお金がもらえるのだとか。


「ちーがーうーのー!」


「…??」


「お兄ちゃんが居ないと凄いんだよ!凄く動くの!もしまだ深夜徘徊するならお兄ちゃんのクリOトラクトのデータ消すよ!」


「やめて!俺の3年間がパーになる!そりゃアークもツキノも持ってないけど!リセマラすらしてないけど!最近再臨のアポカリプスとルミナスザンドが手に入ったんです!ミーリア契約できたんです!やめてください!」


妹に土下座して足にしがみ付く兄が居たというが、はて誰のことだろう?

読んでいただき、ありがとうございました。

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