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第2話:表「飯田茜という女について2」

書き方とか拙くて誤字とかばちぼこあると思うのでご指摘のほどお願いします

教頭に言われた通り、私は気の向かないまま飯田さんの家を目指した。

車も通れなさそうな道路をひたすら歩き続けること10分、さすがは田舎。

私の地元なら10分あれば駅に着くのに、どうしてこう田舎の交通手段って限られるんだろうか。

そんなことを思っていてもやはり心の億劫が消えることはなく、むしろ増していくのがわかった。

飯田さんちって、確か母子家庭なのよね。

しかもかなり遊び人みたいな見た目のお母さんだし、飯田さんも似てしまったのかな……。

それにしても話したくない。

昔からああいう人たちとの面識がなかったからか、私はああいう人たちに勝手な偏見を持ってしまっているのかもしれない。

とにかく、教師である以上これは必要なことなんだ。

今はそう言い聞かせる他に手段はなかった。



学校から歩いておよそ30分、ついに着いた飯田さんの家は鍵が閉まっており、インターホンにも誰も反応しなかった。


「飯田さん、いませんか?」


中に誰かいる気配もない。

しかしそれなら、飯田さんはどこにいったのか、私はなにか口には表せない予感を感じて、飯田さんを探し始めた。

時刻はすでに18時を回っており、この離島で遊べるスポットなんてほとんどない。

逆を言えば、島から出てしまえば遊ぶところはたくさんある。

つまり飯田さんは島から出た可能性もある。

なら行く場所もかなり限られてくる。



そんな趣味で読んでいる探偵ものの小説に影響されたてた仮説を信じ込み、港を探すことおよそ一時間。

やっと見つけた彼女は、船着き場のベンチで横になっていた。

起こそうと思い近づくと突然。


「やっぱし無理だ!! 寝れん!!!」

「ぴゃっ!?」


その声にびっくりして声が漏れでる。


「あ、えっと、い、飯田さん?」


一度本人か確認をとる。


「なに?」


帰って来た返事はいつもの飯田さんの声で、ほんの少し安心したと同時に、私は私の怒りをぶつけた。


「飯田さん! 女の子がこんな夜に1人で!! しかもこんなところにいちゃいけません!!!」

「別に、あたしがどこにいても関係なくない?」

「関係あります! 手もこんなに冷やして! はやく来なさい!」

「いや、え? どこに?」


きっとこの子は虐待を受けていたんだ。

誰にもSOSを発信できなくて、1人で抱えて、それでいつも構ってほしくて学校ではあんな態度をとっていたのかもしれない。

もしかしたら家も、母親に追い出されて行く場所もなくてここにきたのかもしれない。

なんて、なんの確証もないことばかりを考えていると自然と飯田さんに対して同情に似た感情が芽生え、ついつい熱くなってしまった。


「私のお家にです!」



「そっか、せんせそんな風に思ってくれてたんだ」


それから私の家にきた飯田さんに事情を聞き、私は自分の妄想力の恐ろしさに赤面していた。


「ふーん。 あたしは虐待されてて母親に家から追い出されて1人で悩みを抱えてる女の子に、見えてたんだ」


にまにましながらこちらを見る彼女の目を見れない。


「あ、えーと、その。 ごめんなさい!!」


勝手なことばかり押し付けてしまった上に、勝手に家につれてきてしまったことを正直に形にしようとした結果、私は必然的に土下座の体勢をとっていた。


「別にうち母子家庭だけど虐待とかないから。

母ちゃん今月は島の外の病院にいるし、学校に鞄置いてきちゃったから鍵も無くて」

「それで、あの船着き場にいたの?」

「まあ、あそこ知り合いの船しか来ないし」

「それでも、女の子だけで外にいたら危ないのよ!?」

「いやいや、せんせよく考えてみ? あたしに手出す奴、この島にいると思ってんの?」


まあ見た目めちゃくちゃヤンキーだからというのを差し引いても。


「それでも1人で夜にあんなところで寝てたらだめです!」


へいへい、と適当に返事をする飯田さんは続けてこう言った。


「てゆーかせんせ、よくあたしの居場所わかったね」


私は赤裸々に、私の推理もうそうを説明する。


「その妄想だけであたしの居場所当てるとかせんせすげーじゃん!」


ケタケタ笑う飯田さんは年相応というか、ずっと見た目より幼いように見えた。


「そういえば飯田さん、お母さんが今月病院って、お母さん体調とか悪いの?」

「いやいや、母ちゃん看護師なんだ。 んで、たまに研修とかで島の外の病院に出張すんの」


てことは、今月は飯田さん1人ってこと?


「飯田さん、お母さんがいないときの食事とかどうしてるの? もしかして、食べてなかったり……」

「んなわけないじゃん。 あたし料理とか得意だし。 なんなら、今から料理作ってあげてもいいけど?」


ちゃんと食べてるか、とか聞いておいてなんだが、料理がてんで壊滅的な私にとってその提案は思わぬ収穫だった。


「お願いします」

「あい。 冷蔵庫の中使わせてもらうよ」

「好きに使っていいから」



「はいおまちどうさん」

「ありがとう飯田さん。 じゃあ、いただきます」

「召し上がれ」


出てきた料理はパスタだった。

ソースはケチャップと玉ねぎ、ひき肉を炒めたシンプルなミートソースで、非常に美味しそう。


「あ、美味しい」

「へへっ、そりゃどーも」


思えば、人の手作りご飯なんていつ以来だろうか。

最近実家にも帰ってなかったし、下手したら1年近く食べてないかも。

こんなにあったかいご飯なら。


「毎日食べたいかも」


あ、つい口から漏れでてしまっていた。


「ご、ごめんなさい! 私ったら」


食いしん坊って思われたらどうしよう!


「別にいいよ」

「へ?」


思いもよらない返答に、つい腑抜けた声が出てしまう。


「あたしがせんせんちの、通い妻になったげる」


え、えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえ!?

玉ねぎ切れないですよ!っていう動画のコメントの解読できる人いたら連絡お願いします

たまたま読んでくれた人たち以外もありがとうございます

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