キャラメイク 職業選択編
3話目にしてただの説明回
無事にアバターの外見を設定した私は次に初期職業を選択する事になった。
どれどれ何があるんだい……と言っても私は事前に調べてあるのだ。
とりあえず選択できる職業は、
・剣士
・シーフ
・狩人
・魔法使い
・ヒーラー
・調合士
・鍛職人
・革職人
・商人
の9種類がある。
剣士、シーフ、狩人が物理系。魔法使いとヒーラーが魔法系。調合士、鍛冶職人、革職人は所謂生産職。商人は文字通りって感じ。
これらの初期職業はレベルが20になると上位の職に派生するらしくて、より特化したものから全く別の系統になったりもするらしい。また特殊な条件で派生できる職もあるらしいよ。
あとえふこねでは職業のレベルを上げることで確実に取得できるスキルと、任意に選択するスキルがある。任意選択は職に関係なく取得できるので、これでかなり個性を出せる感じだね。イベント取得スキルとかもあるらしいよ。
それじゃ職業を順番にざっくり説明しようか。
まず最初は『剣士』。近接物理職の定番だね。武器は当たり前だけど剣と盾。防具も軽装から重装備まで自由度が高い。初期スキルにも盾専用のものがあるように、タンク系の役割も剣士の役目になる。スキル系統としては剣、盾、挑発といった基本的な近接向けのものを覚える。
レベル20で派生するのは、『上級剣士』と『重戦士』の2つ。前者はより火力を高める系統で、後者は完全にタンクになる。
派生職になるとパーティ向けのバフスキルを覚えるようになるので、パーティへの需要は常に安定しているらしい。迷ったらとりあえず剣士にしとけと攻略にはあった。
次、『シーフ』。所謂盗賊。武器は短剣、素早さ重視の近接物理職だ。
剣士よりも防御は低いけど、素早さを活かした多段攻撃が可能で、単純な火力だけならテスト版では最高クラスだったらしい。
あとは盗賊の名の通り、敵からアイテムを盗む…というか敵からのドロップ率を上げる超有用スキルを取得できる。これだけでパーティ需要がある凄いやつ。
派生は『アサシン』と『大盗賊』。前者が状態異常や気配遮断などといった暗殺もできる火力系。後者がよりドロップ率を上げれるに加え、盗賊らしく敵から直接盗めるようになる。どちらもパーティでは有用な為、素早い動きが好きな人におすすめって書いてあった。
さて次、『狩人』。これは短剣と弓を使用する遠近両用の物理職だね。
短剣スキルはシーフと同じだけど、こちらは職業の都合上多段攻撃スキルが取得できない。その変わりに弱点部位を攻撃した際に強い補正が入るらしく、それで住み分けされてるって感じ。
弓は狩人の段階ではただ火力を出すだけの武器らしい。とはいっても初期職業で遠距離物理攻撃は弓しかないので価値は高い。
また、気配察知や鑑定を最初から取得しているという優遇っぷりである。パーティに一人は欲しいとのこと。
派生は短剣特化の『ハンター』、弓特化の『スナイパー』ととてもわかりやすい。
次に魔法職の『魔法使い』。正にファンタジーの王道遠距離職。
えふこねでは完全に火力職らしい。武器は勿論杖、護身用程度に短剣を持つこともできるみたい。初期職の段階では属性に制限はないらしく火、水、土、風の四大属性を満遍なく取得できる。とはいっても大抵は任意取得スキルでどれかに特化していくらしい。そのほうが火力高いとかなんとか。
派生は各属性の『魔道士』と闇魔法を使用できるようになる『闇魔道士』の計5種類と、3種類以上の任意取得の属性魔法スキルをレベル最大にすると派生できる『賢者』がある。これがテスト版で唯一発見された特殊条件での派生職みたい。
ただ絶対に賢者の方が強いとかは無くて、純粋な火力なら魔道士のが上で、賢者はバフでの支援が可能になるって感じらしい。まあどちらでも需要はあるので好みの問題とか言われてた。
次は…ごめん『ヒーラー』は後に回すね。『調合士』を先に説明するよ。
所謂生産職なんだけど、剣と短剣を持つ事ができるので一応近接戦闘もできる。まあ一応程度だけどね。
調合士の役割はポーションや各種アイテムの作成がメインとなる。えふこねでは珍しい事にポーションの再使用時間などに一切の制限がなく、所謂がぶ飲みができる。それによってポーションの需要が高く、調合士の需要も非常に高い。
爆弾などの攻撃アイテムを作成すれば戦闘でそこそこの火力も出せるので、完全に生産職とは?といった感じになっている。
派生はポーション作成特化の『調薬士』と様々な特殊アイテムの作成ができる『錬金術士』の2つ。
調薬士はほぼ回復役みたいになって、錬金術士は強化爆弾などの攻撃アイテムを多数作れるのでソロからパーティまで幅広く活動できる。
勿論、生産職として街に居座る事も可能である。需要高いから儲かるらしいよ。
続いて『鍛冶職人』。これぞ生産職の代名詞とも言える。
各種金属武器、防具の作製が可能で、スキル効果により追加効果を付与ができる。NPC売りの装備にはまず追加効果がないので大抵の場合は鍛冶職人の方が性能が良い。
ただNPC売りの場合でも、直接職人に注文した場合や、名のある職人の装備なら追加効果が付与されている。
生産特化でもいいのだが、パーティ需要としてもそこそこあったりする。なんでかって装備の修理をスキルで行う事が出来るからだ。装備の耐久値が減少するとステータスも下がってしまうので、ダンジョン攻略や遠出する際に一人いると助かるとか。なおお代は生産材料でって事らしい。Win-Winの関係ってやつだね。
派生は物理系装備を作製する『金属職人』と魔法系装備の『魔導職人』。生産職全般に言えるんだけど、派生職業になると自分の工房や店を持つ事ができる。大体の人はそれを最初の目標としてるんじゃないかな。
お次は『革職人』。鍛冶職人との違いは向こうが金属の武器や重装備なら、革職人は軽装や雑貨をメインに作製するくらいである。やる事は職人だし大体同じ。
ただ鍛冶職人と違って、魔物素材を活かした装備にはスキルで付与できる追加効果とは別枠で追加効果が存在できる。防御力自体は金属装備に劣ることが多い軽装であるが、追加効果でそれを補う事ができるのは大きい。
それにインベントリを増やす鞄なども作製できるのでえふこねでは必要不可欠な職業である。金属やりデザインの自由度も高いらしいよ。
派生は一つしかなく、『上級革職人』となる。やる事自体は同じなので、ただマイホームを入手できるかの違いみたいだよ。
終盤だー、『商人』。もう文字通りとしか言えない。
初期職業の段階で露店が使え、商人間で独自の取引メニューが使えるのが大きい。なんでかって、独自メニューの取引は場所に関係なく使えるのだ。つまり遠出の際に物資が切れそうって時に商人さえいればその場で金に物を言わせ仕入れる事が可能になる。これにより更なる攻略が可能になるって訳だ。
勿論欠点はあって、ダンジョン内では使用できないのと、取引対象との距離が離れれば離れるほど手数料としてバカにならない額が掛かる事だ。
なら商人間で格安の相場にすればいいのではと思うかもしれないが、なんとこのメニューNPCも使える。つまりプレイヤーが格安相場を作ろうとしても、NPCに即買いされるので一定以下にはできないのだ。私はそんな面倒くさいことしたくない。
派生は完全に街に居座る『大商人』と自ら売り物を集めに行く『行商人』となる。
大商人は最早シュミレーションゲームのような自分の店を作れる。現実でもその手の人は楽しめそう。
行商人は戦闘技能が少し上がり、商人用取引での手数料が少し減る。遠出するパーティには需要があるみたいだよ。
…さあ遂に最後です。わざわざ後回しにしてきました『ヒーラー』ですよ。
ヒーラーとは殆どのゲームでパーティの生命線となる回復魔法の使い手だ。えふこねでも当然の様に回復魔法が使える……の、だが。
残念な事にテスト版ではヒーラーの需要は皆無に等しく余裕の最不遇の地位を確立していた。
理由としては、まずヒーラーといえばの回復魔法に高いヘイト率がある事。これは一部ゲームにも存在しているためそこまで驚きもしなかったよ。
次に回復ならポーションがあるという事。調合士のとこで言ったけど、このゲームではポーションの再使用時間に制限が無い。そしてポーションにはヘイト率が無い。更にはHPポーションは安い。ライバルが強すぎる。
低レベルだからではと思ったんだけど、レベルが上がれば調薬士達がより効果の高いポーションを量産するので結局変わらないらしい。その素材もかなり集まるらしい。なんだこれ。
まだあるんですよ。回復魔法はMP消費量が高くて、連発するとすぐに枯渇する。回復手段のMPポーションはHPに比べて倍くらいの値段が掛かり、そんな事するくらいなら魔法使いで火力を出した方が結果的に安く済むという死体蹴り状態。
支援系としてバフもあるんだけど、バフは掛けたら数分持つのが基本なので、それ以外何もする事がないという生産職以下の戦闘になる。
流石にテスト版でもかなり言われてて、運営に要望も沢山送られてきたらしいんだけど、ヒーラーに関しては一切の修正はされなかった。他の職は上方修正とか結構あったんだよ?
もうここまで苦行になるなら絶対に何かあるに違いないと物好きは頑張って派生までレベル上げをしてくれた。
それが、『神官』と『格闘家』であった。どうして回復関係ない格闘家になるんだと話題にはなった。だけどこの格闘家は普通に強かった。
己の肉体こそが最強の武器だという格闘家は、シーフ系に負けない速度と、強力な自己バフのお陰で高火力も実現。更には申し訳程度のヒーラー名残りとして自己回復スキルも取得できる。
欠点は格闘家になるまでほぼ寄生状態になるのと、当然ながらリーチが短いくらい。パーティ向けのバフやデバフもない事。
それでもパーティにはアタッカーとして普通に入れるので、ヒーラー時代を荷物持ちなどの悲しみの寄生として乗り越え、とっとと格闘家にしようというのが定番となっている。
神官は…一応神聖魔法を使えるようにはなるんだけど…火力なら魔法使い系でいいし、回復魔法の仕様は変わらないので不遇街道を突き進むらしい。恐らく正式にゲームが開始された時でもやる人なんてまずいないと予想されている。水増し職業とか言われてるからね。
そんなボロクソ言われてるヒーラーでございますが、私はあえてこのヒーラーを選択するつもりだ。
理由?そんなの私が不遇とか人口少ない職業が大好きだからだよ。それに、人が少なければ検証されている事も少ないのだ。特殊派生とか特別なスキルが見つかるかもしれない。
だからこそ私はヒーラーをやるのだ。苦行だろうと不遇だろうと知ったことでは無い。
あと神官っぽい見ためになるように外見作っちゃったしね。頑張るよ。
そんな訳で、私は選択画面のヒーラーを迷わずタッチして次へ進んだ。
ヒーラーをヒーラーとして扱わないゲームをやった事があったのでそれでやろうかなって思ったわけです。
POTがぶ飲みも懐かしいです。
本編早く入れと思われるでしょうが、次回でキャラメイク、チュートリアルを終わらせたいなと思っています。