表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
三竦み戦記  作者: テルサンロット
1/3

ホール勝ち?

第一章:宇宙のエネルギー


この物語は戦いの記録である。


鉄の剣をもった者が戦いあう物語である。


はじめにこの物語の宇宙について話そう。

宇宙の真ん中では何が起きているかわからない。

時折、エネルギーが四方に向かって発せられる。


エネルギーにはいくつかの種類がある。


そのひとつは。

まっすぐ、ただまっすぐ遠くへと向かうもの。

どんどん加速していくものもあれば、ゆっくり向かうものもある。

後退するものはいない。

この物語ではストレイトと呼ぼう。


また、そのひとつは。

円を描きながら段々と中央から離れていくもの。

とても大きな楕円を描くものもあれば、小さい円をえがくものもある。

円を描きながら中央から遠くへとむかっていく。

この物語ではサークルと呼ぼう。


また、そのひとつは。

周りの者を吸い込みながら彷徨うものであった。

とても大きな吸引力のものもあれば、力が弱く影響の少ないものもある。

彷徨いながら少しずつ遠くへと流されるように動くのであった。

この物語ではホールと呼ぼう。


中央から発せられるエネルギーは不規則なものであった。

そのため彷徨っているホールに後から発せられたストレイトやサークルが衝突することが稀に起きた。

大きな円を描くサークルが、ホールやストレイトにぶつかる、只々まっすぐ進むストレイトが、サークルやホールにぶつかったとも言える。


もちろんのこと。同種の衝突も発生していた。


確率はわからないが、衝突した三種のエネルギーの力のバランスが取れて、あたかも一つの塊として宇宙に存在する場合もあった。


衝突エネルギー体の一つがこの物語の世界である。


まっすぐ進めず、円を描けず、ストレイトとサークルは不満であった。

ホールはそれほど不満ではなかった。

むしろ自分の力を誇示することが出来たのだ。


第二章:戦いのはじまり


進む。回る。引く。

本能とも言うべき行動を抑制されたことにより欲望が生まれた。

まっすぐ進みたい。

大きな円を描きたい。

もっと吸収したい。


衝突によりエネルギーが拡散され、元の力はなかった。


散らばってしまったストレイトのエネルギーは、まっすぐ進むことが本能のため自力では再集結することが出来ない。

皮肉なことに飛散したホール達によって、飛び散らずにこの場近くに居られるのだ。

力は弱く分散してでも本能のままに進む方が幸せなのか、それともまた一つに集まって力強く進む方が良いのか…。


サークルは円を描く性質のため、一つのエネルギー体に戻る可能性はあった。

しかしホールのため思うように回ることができず、ストレイト達とぶつかってさらに分裂することもあった。


ホールはひとまずこの場での勝利者である。

いくつか同胞たちが飛散してしまったが、ストレイトとサークルが衝突による分裂を繰り返せばいつかは自分が吸収できるときが来ると考えていた。


幾億万年もの時間が経過して、ストレイトとホールは数百万もの小エネルギー体へ分裂していた。

ホールは最初の衝突でいくつかの個体に分かれてしまっていたがいよいよ勝利の時が近いと感じていた。


・・・。

・・・。


数百万に分裂したものたちを吸収できないはずがない。

なぜすべて吸収できないのかホールは分からなかった。


散らばったホール同士の吸引力が、ストレイトやサークル達に、力が均衡した場を与えていたのだ。


ホールは何もできずその世界での場として存在した。


ストレイトとサークルは元のエネルギー体としての力を維持できず、分裂体としてその場に存在した。

いつしか人型のエネルギー体へと変貌した。


人型達は本能的に敵対していた。

この人型達を、ストレイト族とサークル族と呼ぼう。

そして、その眼では見ることができないがホールを感じ、恐れを抱いていた。


次回から、ストレイト族とサークル族の戦いを書いていこう。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ