団長の苦悩
エリーはその夜自分の執務室に入ると今まで以上の書類が山になって机だけでなく床にも積み上げられていた
「全く兄さんは手加減を知らないんだから!」
彼女は、書類の内容を軽く見てから仕分けしていくとほとんどが破損した武器や拷問道具を買った請求書だった。エリーは呆れながら決済をしていきようやく残りひと山に成ったときエリーは動きを止めニコリと微笑むと
僕の部屋に無断で入ろうとはいい度胸じゃん
一瞬で魔力発動を気づかれないように移動魔法を発動させ自室のベッドで寝ている体制で左に短剣を握った
男達は小声で
『確かこの部屋じゃなかったか?』
『あぁ。魔法騎士団総官長さま曰く』
『本当、あの人は容赦ネェよな』
『あぁ。リシアンサス・ユーディリアとか言うあの入隊したてのやつを殺すことが出来たら不問にする だってよ』
『あいつ何の恨みを買ったか知らねぇけど俺たちが生き残るためだしな』
へぇーこれを仕組んだのは兄さんなんだね~まぁ殺られてあげるほど僕は優しくないんだけどね?
『あともう一匹のガキも始末しねぇとな』
『あいつは少しばかり厄介そうだしな』
『だが回復系なら簡単に終わるだろう?』
『何言ってんだ!自分自身を魔法で覆っていたら意味ねぇんだよ!』
『そらそっか』
『だよな』
ふ~ん?サクヤも殺るつもりなんだねぇ~ますますただでは帰せないね
『にしてもコイツ全然起きねぇぜ?本当に騎士なんかやってられんのか?』
『今のうにち殺っておいた方がコイツのためだな』
男がユディーの首もとに剣先をかざした瞬間………キーンと言う金属音とドサッと言う共に数人が倒れる音とボドッと刃物が落ちる音を聞きながら慌てて起き上がると
「ユーディリア、大丈夫か?」
「……はっはい!!」
あたかも今起きたように慌てて返事をするユディー
「今日の昼のことはサクヤに聞いた。よりにも寄ってこいつらに喧嘩を売ってあげくの果てに公爵家のガキをよんだ!!それに再従兄弟だと?」
7魔法騎士団が激怒と憎悪を滲ませる
「確かに僕と彼らは再従兄弟同士ですが、その怒りと憎悪を僕に向けられても困ります。それに、彼を呼んだのは団長が彼の暗殺対象にならないためです」
少し落ち着いたのか団長は椅子に腰を下ろすと
「お前に心配されずとも俺なら簡単にコイツらを仕留められた」
「確かに今のあなた様なら簡単に仕留められたと思いますよ……ですが、団長であってもこれを服用した後でもそれが言えますか?」
ユディーは食事に含まれていた毒物と部屋に充満していた睡眠ガスを固体にして見せた
「……これは?」
「僕の夕飯に含まれていた毒物を固体化させたものと部屋に充満していた睡眠ガスを固体化させたものです」
「……お前、こんなこともできるのか!?」
「はい。僕を毒殺しようとする人が多かったのでこうやって目の前で抽出して見せるとみんな自供してくれましたよ」
「………お前、本当は高貴族とか?」
エリーはキョトンとしながら
「いいえ。僕は低貴族です」
団長はため息をついてから
「こいつらを連れて直訴しに行くか?」
直訴………ねぇ。あの兄さんに言ったって意味ないと思うのだけど
「……僕にとっては、彼らがサクヤの方に行かなければそれでいいと思うんです」
団長は魔法阻害の縄で彼らを綺麗に縛り上げると
「お前は、自分が殺されそうになったって言うのに人のことを心配してどうする!?」
エリーは首を傾げながら内心キョトンとしていた
いつ?僕が殺されそうになったと言うんだろう?僕…いや私を急がすために送り込まれた刺客ってだけなんだけど?
「……団長、お願いがあるのですが」
「なんだ」
「迷子になってたときに見つけた西のはずれにある赤い棟って罪人を保管する棟なんですよね?」
「……あぁそうだ」
エリーはニコリと頬笑み
「そこに彼らを送りましょう!そうすれば僕の気持ちも晴れます」
「……だが、あそこは妙な噂や言い伝えがある場所で実際7年前に送ったやつが消息不明になりそれから2日後。そいつの首がそいつのいた牢の中に置かれていたり、十字架に貼り付けられてる胴体が見つかったんだ。それ以来、あそこは使わないようにしている」
僕はその事を知ってるから送り込みたいんだけどね
「武器を持たせていたらそんなことにはならないでしょう?それに食事は僕が運びますよ。僕は彼らに毒を盛るつもりもありませんしね」
「………分かった。その代わり俺も付き添う。これが条件だ」
「分かりました」
団長が彼らを引っ立てながらあの棟へ向かう後ろをついていきながら部屋に誰も侵入しないように結界魔法をこっそりはり、短剣を上着に隠してついていった
◆◆◆
~団長 side~
俺は、第7魔法騎士団の団長をやっているケラヴノス・アグード と言う。昨日、相変わらず何を考えてるか分からん顔をした宰相殿と出会ってしまった
「久しぶりですねケラヴノス殿。相変わらず朝が苦手のようだ」
「お久しぶりです宰相殿。どうも昨夜は書類の整理を行っていたので少し寝不足です。それにしても宰相殿は相変わらず、お早いですね」
せっかく時間をずらしたってのになぜ朝から会いたくない人物に会うのだろうか?
「いえいえ。いつもに比べれば遅いくらいです」
ってことは誰かを待っているのか?
「何方かをお待ちで?」
宰相はニコリと笑った
その瞬間俺は背筋がヒヤリとした
「貴殿を待っていたのです」
「お……私をですか?」
「そうです。明日、第7魔法騎士団に私が推薦する2人をそちらに配属させますのでよろしくお願いいたしますね」
宰相は俺の返事を聞くことなく王城ないに入っていった
朝の出来事を友人である副団長のエーデルワイス・エルム。エルムに言うと
「あの人は何かを探ろうとしているのか?」
エルムの言うことはもっともだが
「そうだとしても第7で何を探るんだ?」
この団に秘密があるとしたら俺二人があの二人を憎んでいるってだけだが
「そこが問題なんだよなぁ~それに二人ともが宰相の息がかかったものとは考えられねぇし」
そう、一人は前から入ってくることが確定していた(名前は聞いてないが)
「まぁいい。明日、直接あってから考えるか」
「そうだな」
そして彼かが入団してくる日。彼らは時間を時間がとうに過ぎていると言うのにいっこうに姿を見せなかった
「エルム、悪いがそこら辺を見てきてくれ」
「わかったよ」
エルムが角を1つほど曲がった当りにいたのかエルムの声としっかり問いかけに答える声が聞こえた
ほう、一人はもの応じないタイプか?それにしてももう一人は声すら聞こえないが。………うん?1つ目の角ならこうやって声と気配が感じるはずだよな?俺もあいつも気配に気づけなかった?
「団長!見つかりましたよ」
エルムの声で我に帰り
「偉く早かったな」
「ひとつ角を曲がったところに二人とも居ました」
一つ目の角にいたのならどちらが魔法を使っていたのか?
「そうか。ご苦労だったな」
労うが
「いえ」
と軽く流されてしまった
訓練所で各々試合をしていたやつらを集合させ
「早速だが皆に紹介する。特別枠で入隊した リシアンサス・ユーディリア と ランナキュラス・サクヤ だ。こいつらの実力を見させてもらう」
彼らはざわつき。期待の目で二人を見ていた
俺のそばに残ったリシアンサス・ユーディリア。そいつは、友人になったと思うもう一人の新人ランナキュラス・サクヤを見て笑っていた
俺は昨日と同じ……いやそれ以上に背筋が凍る感覚がした
何なんだこいつは?得たいが知れない不気味さに暗い闇がある様な……
俺は気になっていつの間にか話しかけていた
「お前、あの宰相に認められたんだろう?」
あいつは俺のほうを向くと
「はい。といってもどの武器も自在に操れるだけですが」
と自分自身を嘲る様に言った
「お前魔法騎士に成りたかったのか?」
そんな表情を見せる彼は本当はなりたくなかったのではと思い聞くがなにも返答がなかった
「お前も彼奴もあまり嬉しそうじゃないから、もしかしたら魔物に壊された町から来た俺らと同じ公爵家に恨みがあるやつかと思ってな」
実際彼らのせいではないと分かっていても他に矛先を向けるところがないから向けている。ただの八つ当たりなんだが
「団長も何か恨みが有るのですか?」
……『も』ってことはコイツもか!
あのときのことを思いだし苛立ってしまった
「あぁ。あの公爵家のガキ二人にな」
聞いてこようとする彼に
「終わったみたいだぜ。お前の試合楽しみにしてるぜ」
と言うと彼は目を瞑ると一気に集中し始めた
ほぅ~切り替えが速いのか、何か面白いものが見れそうだ
と思ったが彼が手にしたのは、普通の剣だった。一瞬で期待を裏切られた様に思ったが試合が始まってからはそんな思いは早とちりだと思いしった。エルムは、俺と方を並べる唯一のライバルだ。それをまるで先が読めているようにいなし、責め、交わし。手の上で転がされてるように見えた。そして何よりあいつは一切疲れていないのと魔法でさえ手加減をしているのか?とれともエルムが手加減をしているのか分からない様に試合を運んでいた
エルムも気づいているのか別の攻撃をし始めたが、それを境にやつは徐々に疲れを見せ始めてた。試合事態はエルムが勝ったが、なんとなく腑に落ちなかった
「サクヤ。 ユーディリア」
「「はい」」
本当なら奴らの指導者を指名してやらすが、今回だけは俺が面倒を見るか
「お前らの部屋を案内してやる。今日は休め」
エルムが目を丸くしたが気にせず
「エルム。そいつらの指示を頼んだ」
「了解」
それに本来なら3~4人で一部屋だがこいつらは特別推薦だから2人部屋が基本だが、二人を共にしておくのはモヤットするから1人部屋にしたが……これが吉とでるか凶と出るか
次回もケラヴノス視点でお送りします




