不運はどこまで?
「今、学園長室から出てこられた方が!!」
「そうですわ!メシア様よ」
「では、あのお方様が留学生の方ですの!それに生徒会長のエリー様よ!!」
「あの!私とお友だちになって下さいませ!」
「いいえ!私とお友だちに成ってくださいな!」
「エリー様!!本日ご一緒にお茶をいたいませんか!?」
「エリー様!私のダンスパートナーになってくださいませ!」
教室までの道を令嬢方によって塞がれた。
こうなったのも遡ること10分ほど前。
◇◇◇◇◇
はぁ、何で僕が彼の部屋に起こしに行かなければ成らないんだよ。昨日断ったはずだよね?
エリーは、与えられた部屋から彼の部屋へと向かった。
そして、何ですぐ横に建ててもらってるのかな!?可笑しいでしょう!…………彼には、通用しないと分かっていても愚痴りたくなるな。
彼を物理的に叩き起こし部屋を出ると食事を出され、朝食を共にすることになった。
「ねぇ、ミール。流石に、朝から私を呼ぶのは止めてくれるかな?それでもなくても、君の存在はいい意味でも、悪い意味でも注目されるから。」
「それなら、偽名を使えばいいんだろう」
「………」
もう嫌だ。確かに助けてもらった恩はあるけど、あの頃はこんな風になるとは思わなかったよ。はぁ。
「もう、勝手にしてください。僕は、僕に与えられた仕事のみを行いますので!」
「それじゃ、俺の名前は メシア で行く。ルディお前はここに残れ」
「はっ」
彼を誘導しながら、学園長に挨拶と事情説明をして廊下に出ると………。始めに戻る状態になっていた。
◆◆◆◆◆
エリーとメシアこと〈ラオール・アフトクラトル・ヒュイオス・タドミール〉の二人は軽く手を振りながら
「やはり、厄介事になりましたわね」
「エリー嬢も、人気者だね」
「それよりもです!メシア ってなんですか!?もう少しましな名は無かったのですか?」
「とっさに思いついたのがこれだったから」
「はぁ。受ける授業や時間割りはお決めになりましたか?」
流石にそれは決め終わっているよね。
「まだだよ」
「それは……?いま、何て言いましたか?」
僕の気のせいかな?『まだ』と聞こえた気がしたけど、聞き間違いだよね。なんしろ、テスト1週間前で皆 最終確認を行っているのにそんなはずないよな。
「まだ決めてもいない」
エリーは表情がひきつるのを堪えながら
「来週からテストなのですよ!?早く、お決めにならないと復習が出来ませんわよ」
「まぁ、エリー嬢と同じ時間にその科目を取ればいいから気にしてなかったよ」
………これで、頭のキレる次期皇帝なんだから泣けてくるよ。別のところでもその才能を発揮して貰いたいものだよ。はぁ~
「私と同じ授業ではなく、リアム様やノア様と同じ授業をお取りになられたらどうでしょうか?」
彼はキラキラ スマイルで
「嫌だよ。君と居るから護衛入らないと父上に申したからね」
あのろくでなし陛下め!!自分の息子の綱ぐらい自分で持ちなよ!
エリーは、頭を抱えそうになるのを堪えながら
「レディのみの授業もありますので、同じ授業をお取りになることは出来ませんわ」
はぁ。早くこの皇子を彼らに押し付けたい。そして、部屋に帰って寝たい。昨夜も彼のせいで、寝れないわ 朝から面倒事を押し付けられるわ でクタクタなんだけど。それに今日は僕、昼からしか授業無いんだけど!?
教室や訓練場・体育館・音楽室・教官室・そして 彼専用のサロンと僕のサロンに案内し食堂の説明もやった。最後に剣の訓練所へ赴くとなにやら騒がしかった。
いつもより騒がしいようだけど、何かあったのかな?
エリーは、ミールを連れて剣の訓練所へ入ってみると…………すぐに後ろを向いて歩き始めたが、足を止めるはめになった。
「楽しそうだね。俺も仲間に入れてよ!」
なんでですか!?貴方の立場を考えてよ!もし何かあったら、僕の問題ではすまないんだよ!
大勢の視線がミールと僕に集まるのが分かった。野次馬が、わざわざ通りやすいように中央を開けてくれた。
いや~開けないでよ!?彼が……って!言う前から騒ぎの元へ向かってるし!これで、僕が行かなければ生徒会としての示しがつかないよね。………自分の不運を恨むよ。
エリーも腹をくくり彼と共に騒ぎの根元の元へ行く。彼らが、エリー達を睨むがそれを無視して
「ねぇ。何を騒いでおりますの?」
いつも通り、静かな声で聞くと 先程までざわついていた声が止まり根元の近くで仲裁に入ろうとしていた他国の男性子息が
「…エ……エリー嬢、彼らがいきなり死闘を始めまして」
また、死闘ですか。今月で10数回起こってますね。ノア達を招集して、対策を練らなければ成りませんね。
子息を一瞥してから始めから見ていただろう人物を呼んだ。
「ラウロ様。簡単にご説明お願いしますわ」
「なんだ~。気づいていたんだね~エリー嬢」
と2階の観客席からラウロが飛び下り彼女のもとまで歩いてきた。
「向かって右側の子息は〈スリラム王国の公爵 エンポリア・ヨス・グラディウス〉 そして、彼と闘っているのが〈ユバルン国の侯爵 カタル・アルズ・フィロ〉死闘の原因は、そこにいる令嬢の取り合いだよ~」
「君も取り合われたいかい?」と言う言葉はスルーしてエリーはうんざりした。
兎に角これを止めないとね。
エリーは、ラウロにミールを預けヒールを『コツン・コツン』と鳴らしながら彼らの元へゆっくりと歩いていった。彼らの剣が当たるか当たらないかのギリギリのところで止まり、二人が振り上げた瞬間 剣ではなく、鉄扇と金棒を彼らの首ものに向けた。
「「なっ!」」
二人に微笑みながら
「学園内での死闘は禁止されていることはご存知ですわよね?」
「…………」
「女ごときが口出しすんなよ!!引っ込んでろよ」
周囲の人々が息を飲むの。
後ろの方でやたら楽しそうな声色で
「あぁ~あ。地雷踏んじゃったね~~」
それも無視し
彼は、〈ユバルン国の侯爵 カタル・アルズ・フィロ〉 と言ってたかしら?良かった。聞き分けがよくてね。
「ねぇ、カタル侯爵子息様。この原因はどちらなのですか?」
「アマ!俺を無視すんじゃねぇ!」
「はっ、はい。あそこにいる彼女は、私の婚約者です。そして、彼女がそこにいる彼に絡まれていたので注意をすると〈爵位を考えてから言え〉と言い再び私の婚約者に手を出したので強めに注意を……そうしたら剣を抜き〈この闘いで勝ったもんが、正しいんだよ!〉と言って切りかかられました。」
………はぁ。奴は剣に自信があるから武力で、手に入れようとしたと。うん。バカだね
「無視すんじゃねぇ!」
「そう。分かりましたわ。ラウロ様、これより牽制を行います」
「了解~。あっ!でも木刀で行ってね~」
「分かっておりますわ」
金棒と鉄扇を懐に戻すし、近くに居た男性から木刀を貸して貰おうと近づくと
「俺を無視すんじゃねぇ!って言ってるだろうが!」
と真後ろで聞え剣が振り下ろされるのに気づいた。
『キィーン』
「……はっ?」
「…………もう少し待つことも出来ないのですか?」
エリーは、彼の剣を短剣で受け止めた。
そして、もう一撃来るが軽くいなしながら
「その木刀少しお借りしますわね。」
「はい!」
短剣を懐に戻してから彼との間をとるためはらった。
「いったいなんなんだよお前は!」
「カタル侯爵子息様。ここからは、生徒会が責任をもって納めますのでお下がり下さい」
「……は、い」
彼が下がるのを一瞥してから
「最後の警告です。今すぐ、武器を下ろし手を上げなさい。そうすれば、貴方に刃を向けることはありませんわ」
「……ハイそうですか。で引き下がると思うなよ!」
彼が、切りにきたので
「牽制を始めますわ」
彼の手首を叩き剣を足で、蹴り上げ左手に持った。最後にすれ違い際に後頭部をどついて終了。
回りが大喝采を上げているなか
「相変わらず速いね~」
「あの頃よりも強くなったみたいだね」
と二人の声が聞こえた。
「ラウロ様。彼らの始末をお願い致しますわ」
「え~!?まっいっか~面白いもの見せて貰ったしね」
「では、ミー………メシア様。自室までお送りいたしますわ」
「分かった、頼むね」
「はい」
エリーとメシア ことミールを連れ戻るのだった。




