解読
それからほどなくして、ざわめきが大きくなった。
「エリー、3人組が近くに来たぞ。」
「ルーク、三人組って誰かな。まさか学園長と理事長・学年主任 じゃないよね。」
その3人なら大事になっているってことだよね!?
「いいや。あの坊ちゃん達だ。すごい形相でこちらに向かって来てる。」
「・・・・」
えっ!?嘘だよね。ちゃんと影として護ってたし、休む理由も兄さんが伝えたはずだよね?・・・兄さん本当に伝えたのかな?大丈夫だよね?
「エリー!扉を開けろ。」
うわ~リアムそうとう怒っている……。
「エリー、開けるか?」
「・・・う~ん そうだね。開けないと扉が壊されそうだからね。」
「流石にそこまではしないだろう。」
「彼ならやりかねないよ。」
「エリー!さっさと開けないと扉を壊すぞ!!」
エリーは溜め息を一つ ついてから
「………ほらね。」
「…………彼奴本当に王子なのか?」
エリーは明後日の方向を向き
「僕も疑うことがあるよ。」
「はぁー。今開けますよ、王子さま方」
ルークが扉を開けると足を踏み出そうとしていたリアムをノアが
「兄さん。」
「……なんだノア。」
不機嫌そうにノアの方向を振り返るリアム。
ノア?入ってこればいい・・・・あっ!彼が遮断魔法をかけたままだったんだ!助かった~。あのままだとリアムが、遮断魔法にぶつかってみっともない姿を見せるところだった。さすがノア、いや ハクハ だと言うべきかな?
ノアが遮断魔法に触れながら
「エリー嬢。これを解けれますか?」
エリーも扉の遮断魔法に近づき
「もしもの場合を考えると、僕には解くことができない。」
ノアは考えるように顎に手をあてた。
「そうですか。」
「ノアなら解ける可能性があったから呼んだんだけど、きついかな?」
「………ええ。流石に一定の魔力波出はないため、解けてもそうとう時間が掛かりますね。」
ノアでも解けない可能性があるのか。……やっぱり、彼の機嫌を取った方がいいのかな?多分彼の事だからこの事態を見て、楽しんでいるんだろうね。
寒い!?何でだろう?今は、そこまで冷える時季でもなきのに。
「エリー嬢、《彼の機嫌を取った方がいい》とは誰のことでしょうか?」
ノアが絶対零度の目線を送ってきた
うわ~まさか声に出てた!?
ルークの方を見ると、ノアに同意する目線を送られていた。
あれ?温かい………を通り越して熱い!今度は誰?
辺りを見わたすとリアムの後ろに炎が見えた。
えぇーー!?二人揃って魔力暴走?な分けないよね。いや、リアムなら有り得るかも。・・・ちょっと待って、ルークは《3人組》って言ってたよね。じゃあ残り一人は、ラウロ?でも姿が見えないけど。
「その事には答えるけど、ラウロはどこにいるのかな?」
ノアに聞いたつもりが、彼の後ろにいるリアムが地べたを這うような低い声で
「奴ならどっかに行ったぞ。答えてやったんだ、お前が言う《彼》とは誰だ?」
うわ~類い稀に見ないリアムの逆鱗に触れたかも!?
「え えっと、その 、ここでは話しにくいから皆さんを安全なところにやってくれるかな?ここを抜け出したら、僕に与えられたサロンで話すから。」
「……チッ、分かった だが約束は守れよ!ノア。」
「了解。こう言う細かな事はエリー嬢の方が得意だと思うので、ご自分で解いてください。エリー嬢なら簡単でしょうけど。」
ノアが馬車を囲むように防御壁をはりご丁寧に、ルークや馬・エリーにも張ってくれた。
細かいって……波の周期さえ分かったら簡単なんだよ!それに極僅かのミスも許されないのを 澄ました顔で《エリー嬢なら簡単でしょうけど。》じゃないよ!僕だって、これを解くにはそうとう苦労するんだからね。
エリーは意思返しに棒読みで
「これはご丁寧にどうも。」
ふぅー仕方ないね。
エリーは、丁寧かつ迅速に遮断魔法を絡まった糸を解く様に彼が張った魔法を解いていった。
………これでラストっと。
最後の絡まりをほどき
「ノア解き終わったよ。」
「……相変わらず早いですね。」
ノアはエリーに近づき耳元で
「他の仕事も舞い込むでしょうね。」
と言うと逃げられないようにリアムとルークがエリーの両側を押さえ込みリアムが
「行くぞ!」
「分かってます。兄さん」
ノアによって、エリーに与えられたサロンへ馬車を残し移動することになった。




