古の舞
エリーが公の場に姿を現したのは目覚めてから1ヶ月と少したった頃だった。
久しぶりにユイセント家の馬車に乗り学園へ向かっていると、窓から大勢の領民が花道を作ってくれていた。
「あ~ぁ。そう言えば父さんが昨夜言ってたっけ。さてと、公爵家の者としてお仕事しないとね。」
「じゃ、予定通りやるか!」
エリーが目覚めてから何故か積極的に関わるようになったルークにうんざりしながらも昨夜話し合った通りに行動することにした。
エリーは一度馬車を停めてもらいルークの手をとり降りた。移動魔法で、馬車の上に立つと拍手と歓声がより一層大きくなった。
「皆様。」
エリーが話し出すと辺りは、無視の鳴き声すら静まり返り次の言葉を待った
「大変ご心配をお掛け致しました。しかしこの様に私は、もう大丈夫ですわ。これからも、より一層努力していきますのでよろしくお願いいたします。」
と一礼すると割れんばかりの歓声が町中に響き渡った。彼女はルークに視線を向けると、彼は頷き馬車をゆっくりと走らせた。
『フェニックス準備はいい?』
『いいぜ!』
「では、皆さんに感謝の思いを込めて。おいで、『ライアン』」
「なっ!何だあの赤い物体は?」
「鳥だ!火の鳥だ!」
「あれは!不死鳥か!?」
「あれをエリー様が!?」
とざわめきだした
空から赤い大きな鳥が急降下し民の頭上で転回すると、エリーの側に着陸した。
「『蛟』おいで!」
今度は巨大な蛇が空を舞いエリーを囲むように位置取った
「『リュミエール』来て!」
空が神々しく光出すと女帝のような威厳の有る”人“の形をしたリュミエールが降りてきた。
「おお!女神様のご光臨じゃ!」
「先程の白蛇は女神様の使者なんだな!」
「『最後行くよ!龍王様』フィナーレ!」
ライアン・アニータ・リュミエール が空に環の形を作りそこからドラガオンが姿を表せた。 昔の文献や言い伝えに“そぐわないように” 漆黒のドラゴン 姿で現れた。
動揺がはしるなか
「彼らは私の“魔法”で、作り出した物だから安心してくださいな。では、ご覧ください 古の舞いです。」
上空を舞4体の守護。時には激しく放った魔法がぶつかり火花を散らす。勿論 ” 舞 “と言っているからには、優雅に互いが当たらぬように舞。その姿が徐々に速くなり、光の線となり鮮やかな景色を作り出す。
領民や家屋 など に被害が出ないように幻影魔法を使ってる。
それでも忘れては行けないことがある。
あっ!!嫌な予感がするんだけど、気のせいかな!?
・・・彼等は本物の守護者だと言うことを。そして、光と闇 炎と水 はとても仲が悪いってことを。
・・・・やっぱりそうなるよね。
徐々に空模様がおかしくなり始めた。快晴だった空は、雷雲に覆われ いつ ゲリラ豪雨になっても可笑しくない状態になった。
エリーは遠い目をしながら
僕らじゃこれは止められないんだよね。練習で行ったときも同じことが起きて、僕が止めようとするも余計に酷いあり様になったんだよね~。
『カイザラ陛下!ご自分の息子とその仲間も止めてください!』
『はあ~。彼奴等またやっておるのか?』
『はい。どうにかなりませんか?』
『そうじゃの。このままでは、そこにおる民を巻き込むじゃろうな。』
『巻き込まないようには、しているのですけどね・・・。収集が着かなくなりそうなので』
『こやつ等なら、よくあることじゃろな。
『『はぁ~』』
『後は、我が引き受けた。』
『感謝いたします。』
エリーは、魔法で彼らの姿を隠して一瞬で快晴に変えた。そして、虹を作り光の羽を落とした。
歓声と拍手が鳴りあまぬうちに
「では、皆様。私は、学園に戻りますわ」
そう言って、ルークを連れ馬車の中に戻った。
光の羽・・・リュミエールが獣姿に成ったときに落ちる羽。防具や剣に使う闇魔法を大抵は無効果にする。滅多にお目にかかれない素材。




