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ハイスペックの子供は親もハイスペックだった

エリーが、カップをソーサーに置く音だけが亜空間に響き渡った。


ベッドの横に椅子を置き以外の物を別の空間に片付けた。

彼女は、目の前で寝ている男子を見ながら呟いた。


「君は折れてしまったんだね。自分の心を閉ざしてしまい、誤ってはいけないところで見誤ってしまった。」


エリーは、愁いのおびた瞳で


「君とは、本当の意味で分かり合える唯一の友だと思っているんだよ。………僕は君を失いたくないんだ。だから僕の魔力を受け入れて、またいつものように語り合おうね。」


エリーは、一度亜空間から出て『龍王様ドラガオン』達が向こう側に居るであろう場所に手をつき


『ドラガオン、聞こえているかな?』


『……ふん!やっと話しかけてきたな。』


『少し厄介なことが起きたからね。今は、時間がないから用件だけ伝えるよ。』


『……ちゃっかり扱き使いやがって。用件って何だ?こっちも報告がある。』


『僕はもう一度亜空間に戻る。そして、彼の暴走を止めようと思う。あそこに戻れば、中で万が一の事があっても君達は手出しできない。』


『エリー。お前魔力制御を一つ外すつもりか?』


『………。そちらに流すからよろしく。』


『そうか。こちらからの報告は、マルタも制御出来ない。それとアゼルとやらが来ているぞ。』


アゼル!気づいてくれたんだね。本当はこちらに来て欲しいけど、もしもの可能性があるから外に居てもらはないとね。


『そう。アゼルに、防御壁を【内側】に張るように伝えておいね。じゃ、後はよろしくね。』


一方的に会話を終らすとアゼルが魔法を発動するときのポイントになるように、所々陣を書いておいた。


アゼル、もしもの時はよろしくね。


と心で呟いてから再び亜空間に舞い戻った。


同じ位置に座り直すと首もとに掛かっているネックレス──魔法制御を握った。


はぁ。これで僕は人間を辞めてしまう事になるな。まぁ、仲間を助けた代償なら易いものだよね。


気を失っても未だ魔力暴走が収まりきらない彼を見ながらネックレスを引き千切った。


その瞬間、身体に莫大な魔力が発しマグマに溶かされていくような猛烈な痛みと熱が襲った。


「た すで─────ぇぇぇ。ぁア゛ーーーーーっ」


静かな亜空間に助けを乞う声のあとに獣の様な声が響き渡った。


彼女は、床を転がり喉を引き裂かんと悶え苦しんでいた。


その苦しみは、時間で言うと一秒にも満たない一瞬だったが彼女にとっては何分いや何時間とも言える長さだった。


魔力が収まってきたのを感じ荒い呼吸を整えた。


あれだけ叫んだのに全く身動きのない彼の姿を覗き込むと、自分のするべき事を思いだし 怠い身体に鞭をうち彼の手を握った。


彼の暴走した魔力を取り込み自分の押さえきった魔力を流す。これを何度か繰り返すうちに、彼の魔力が安定しだしたのを感じた。


良かった~。これで、一安心だね……。


エリーは、瞼が下がるのを感じながら遠くで誰かに呼ばれたような気がしたが暗闇の世界に誘われた。


◇◇◇◇◇


いつもの見慣れた天井に左右を見渡せば見覚えのある物があった。


あれ?確か僕は、ベンと決闘していたら彼が怒りに任せて魔力を解いたから魔力暴走を起こしたんだよね。それで、亜空間に入れて…………魔力制御のネックレスを外したんだった。あぁ。龍王様が、上手く僕の魔力を制御してくれたんだね。彼の魔力が安定したのを確認して、意識を手放したんだった。


それにしても何で僕は、公爵家の自室で寝ているんだろう?


考えに更けていると頭に響くように


『それは、お前の父親が亜空間に入り込み連れ出したからだ。』


エリーは飛び起き声の主に話しかけた


『!? り 龍王様!いきなりビックリしたじゃない。それより、今のはどういう事?お父様が、亜空間に入ったって。』


『俺も詳しくは知らないが、彼の者は干渉系魔法が飛び抜けているみたいだな。』


父さんが………。


『ベンは!ベンは大丈夫なのか!?』


『お前のお陰で奴は一命を取りとめた。』


『そっか、良かった。』


これから暫くエリーは、学校を休みリアムを守る陰とグリアサの与えられた課題のみをこなして行った。


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