我が剣に纏え
「開始!」
エリーは国王陛下から預かったソードを左手で構えた。
開始!って質問あったんだけど……。いや~さっきの話からして魔法もありなんだとは、思うけれど…………ねぇ。それに お父様!国王陛下を止めてよ。知っていてこっちの剣を渡すかなぁ!
「エリック、この勝負僕がもらう。」
「ベン、僕もそう簡単には負けることは出来ないよ。」
「同じ物を持つ同士戦いを避けてきたけど、一度どっちが王子の側近に必要かこの場でハッキリさせよう。」
ベンは、腰に背負っていた剣を取り出しエリーの顔の方に剣先を向けた。
えっ!?どう言うこと、僕がリアムの側近で決まりじゃ無かったの?
国王陛下の方へ視線を向けると………
明後日の方に顔を背けた。
次にお父様に視線を向けると、申し訳なさそうにしていた。
その反応に溜め息を着いてから大臣の方々のにも聞こえるように
「この決闘は、彼の王太子殿下の側近を決める戦いだったのですね。余程、思うことがあったのでしょうね。」
期待に応えるのが筋かな?
エリーは、左手で構えた剣先を空に向け
「我が剣に纏え!」
その瞬間 雷が剣先に落ちた。
辺りがざわめく中
ふぅ~これで、同士と言ってもわかり辛いはず。
エリーは剣先をベンに向け
「悪いけど、予定変更するよ。王太子殿下方を護るのは、私の役目よ。それは、例え同士であっても譲れない。 我が剣をもって、打ち砕く!」
「そう来なくてはっ。」
ベンが先手必勝 とでも言うようにエリーに斬りかかってきた。エリーは、後ろへ避けることで剣のテリトリーから抜けた。
「甘い!」
「くっ!」
足下を何かに絡め取られた
視線を下げるとしっぽが見えた
「なっ!!このしっぽは、まさか!?」
エリーの動揺にベンは黒い笑みを浮かべ
「そうだよこれは、彼のしっぽさ。」
ベンは、僕にゆっくりと近づきながら
「ここに居る中で見えているのは、僕らだけだからね。例え彼の力を借りても分かりはしない。」
エリーは、驚きがおさまり脳内で
迂闊だったな、アミールとなると下手に攻撃出来ないんだよね。それに どうやって戦うかだよね。
「さぁ エリック。いえ、エリー嬢。降参を宣言してはどうですか?僕は、君を傷つけたくない。」
ベンがエリーに向かって剣を振り下ろした。
「………」
「…………はっ!?」
ベンの目の前にいた彼女が、消え彼は虚空を切り裂いた。
そして、何処からか
「ベン。貴方を見損なった。たったこの程度で、今まで彼らの側近として過ごしていた僕を倒せるとでも思ったのかな?」
虚空に向かってベンは
「……どこにいるのかな?姿を眩ますなんて、卑怯じゃない。」
「へぇ~。それを言ったら君が行ったことの方が卑怯だと思うけどな。これは、僕が作り出した所から話しているだけだからね。」
「……そう言うこと。エリック、君は時空にいるんだ?それなら、それを壊せば君が出てくるってこと?」
「さぁ~。どうかな?僕は、こちらから攻撃させてもらうよ。」
エリーは容赦なく四方八方から龍炎を放ちベンに襲わせたりしながらも、当たっても死なない程度に威力を抑えていた。
「チッ!魔力量多すぎ。こんなんじゃいつにたっても見つけられない。」
ベンは、飛んでくる龍炎を防御壁でガードしながら 来る方向に鎌鼬をぶつける。
「残念。僕は、常に一定の所にしか行かないよ。」
「姿を現せ!」
「嫌だよ。そんなことしたら」
エリーは彼の耳元で
「アミールを使うだろう。」
ベンが剣を声が間近で聞こえたところに、剣を振るが虚空を切り裂いただけだった。
「………分かった。だから出てきて、正々堂々と戦おう。」
「姿を表す前に言っておくよ。同じ事には引っ掛からないから。」
「わざわざ、ありがとう。」
エリーはコートの中央に姿を現した。
足下になにか居ることに気づき。
「はぁ~。悪いけどお遊びは、終わりにしようか。君とやっていても面白くない。」
「僕が、必死にやってるって言うのに面白くないから終らす?巫山戯なよ!?」
「僕は、まともに挑む人は好きだけど………キミのような都合の良いように扱う者は、大嫌いだね。」
ベンは、顔を真っ赤に染め
「僕の気持ちなんか!お前にわかるはずかないんだ!!剣の腕だってそこそこで、こんな所に入りたかった訳じゃないんだよ!!それなのに ツァウバー・クルー だと解れば、皆僕を悪魔だって言って殺そうとする。親だってそうだ!!なのに、お前は楽しそうに生きてる。お前が!お前がいなければ!!」
一瞬にして回りの温度が下がった気がし大臣達は、宰相の方を向くが彼の目線はコートに向いていた。国王陛下もまたしかり。
「…………へぇー。君は、その事も僕のせいだって言うのかな?」
「そうだよ!君が、ツァウバー・クルーじゃなければ僕が疎まれる事もなかった!両親に目の敵に去れることも!!」
エリーは、完全に感情を消し
「それじゃぁ聞くけど、君は何のために騎士に志願したのかな?」
「僕を殺そうとした者から身を守るためだ!お前のように、誰かに守られて過ごした訳じゃない!」
更に回りの気温が下がり、霜がで来はじめた。
「ふーん。身を守るためか。それなら、傭兵所でも良かったはずだよ。それに王太子殿下方の側近になる必要なんて更々ないよね?」
「それは………奴等を見返すために!」
「それなら、手柄を立てた方が早かったよね。ほら?今、他国では小競合いをしてるしね。」
「…………それでは、意味がないんだ!僕の力だと、あの魔力の中に居れば酔ってしまうんだよ!だから、手を回しこの機会を得るように努力したんだ!!」
彼女は諭すように
「憐れだよ、君は。本当は分かってたんじゃないのかい。騎士に入れば、自分の事をちゃんと見てくれる人が居ることを。それを知って希望したのしゃないのかい?」
「うるさい!分かったようなことを言うな!!お前なんか死ねばいいんだ!!」
剣を構えエリーの方に斬りかかるが軽々避けた。
「君は僕を殺さないよ。」
「僕は、お前を殺す!」
エリーは剣を鞘に戻し彼の攻撃を短剣で、全て防いだ。
「な 何でだよ!そんな短剣ごときで、僕の剣が受けられるんだよ!?」
再び剣が合わさったときに
「ベン。キミの剣には、怒りと憎しみ しかこもっていない。そんな剣じゃあ僕に掠り傷一つもつけられない。」
剣同士を弾かせ後方にベンはバックするなり
「そんなはずない!」
彼は、無差別に魔法を放ち防御結界に当たるのやエリーに飛んでくるもの。その場に落ちるものと様々だった。
エリーは飛んできた魔法を片手で防ぎながらベンの元へ行くが押し戻された。
ヤバイ!このままでは、魔力制御の魔具が壊れてしまう!
『龍王様ドラガオン!アミールに暴走を止められるように準備を頼んで!』
『さっきから、探しているが居ねぇんだよ!それに、俺意外誰も介入出来なくなってる。この場を離れる。時間稼ぎを頼む。もし間に合わなければ…………。』
『……………分かってる。』
「ベン!止めるんだ。それ以上魔力を放出すれば、魔力切れで死ぬぞ!」
「僕は、負けない。悪いのはエリーだ。アイツが居なければいいんだ。アイツを殺せばいいんだ!」
魔具にヒビが入ってきてる!国王陛下まで巻き込んでしまう。責めて高位の魔法師が一人でも居れば!!
◇◇◇◇◇ 宰相視点 ◆◆◆◆◆
早朝から会議が入りいつもより早めに登城し鬱陶しい会議に挑んだ。
いつも道理、あの王子達の婚約者を誰にするか と言うどうでもいい話や他国での小競合いの状況。これで終わったと思ったが、ジェネロのやつがまだ席を立たない所からしてまだ続くようだ。
「国王陛下。王太子殿下方の側近をお変えになられた方が宜しいかと存じ上げます。」
名を忘れたが、確か侯爵家の者がいきなり何を言うかと思えば。
「カール。お前はどう思う。」
このバカ!俺に振るなよな!それに俺個人としては、外したいが宰相としての考えは変わりはいないと思う。
「……そうですな。私は、彼女意外は適任者は居ないと思います。ただ、彼女を越える者が居れば宜しいかと存じます。」
「リーゼント侯。思い当たる者は居るか?」
「はい。今回の魔術騎士入隊致しましたマルグリット伯爵家の3男マルグリット・ベンと言う者が珍しい『ツァウバー・クルー』で相当な腕前だとか。私は、彼を推薦します。」
ツァウバー・クルー か。確か今では5人まで人数が減った貴重な存在か。
「ほう。その者とエリー嬢を戦わせ勝った者が我が息子の側近で良いか?」
「はい。ありがとうございます。」
「いや 構わぬ。カール。ソナタも良いな?」
うわ~その目絶対楽しんでる!それに拒否権無しだろうしな。
「はい。その様にバタリオン殿にお伝えしておきます。」
「頼んだぞ。」
「はい。」
これで上手く行けば、エリーとの時間が取れる!!そうしたら、馬で駆けてあの丘へ連れていってやろう!
「そう言えば、エリー嬢はエリックっと言う名で今回の魔術騎士に入隊していたな。確か、マルグリット・ベン と言う者と二人で魔力暴走した者を助けたと聞いたな。本日の午後試合を開催する」
ジェネロが終了の合図を出した
「これにて、本日の会議を終了する。」
それからしばらく時間がたち ついに時間になった。ジェネロを連れ第3訓練所で、娘が来るのを待った。
娘は多少の驚きは浮かべていたが、そこまで表情には出していなかった。
「エリック、ベン 中央コートへ」
「「はっ。」」
バタリオンの言葉で二人は声を揃え中央へ向かった。
我が娘はどこにいても可愛い
「本日お前達を呼んだのは、国王陛下であられる。今までの訓練の成果をこの場で発揮しろ。」
「「はっ。」」
「ところでエリックよ。」
エリーの名を呼ぶな!嫌な予感しかしないわ!
ジェネロを少し睨んだのは仕方なきと思う。
「はっ。何でございましょうか国王様。」
騎士姿のエリーは凛々しすぎる!流石我が娘だ。
「そなたの 剣はどこにある?」
……こいつ頭おかしくなったか?
「その剣は、レイピアであろう。」
当たり前の事を聞いてどうする!?
「はい。そうでございます。」
「本気の勝負をするならこのソードの方が使いやすいだろう。これをそなたに預ける。」
いやいや!それをしたらこの結界すら壊すわ!何を考えてるんだよバカ国王!国王陛下から剣を渡すって意味をちゃんと考えろよ!
「……陛下の仰有る通に。この試合が終わるまで、私わたくしが責任もって預からせて貰います。」
エリーすまん。後でこいつには言って聞かせるからな。
「双方の健闘を祈る。」
観覧席へ移動してからも
『このバカ!何考えてんだよ!?』
『この方が面白いからな』
『面白いからな。じゃねぇわ!仕事増やしてやるからな!』
『ちょ!それ洒落にならかないかね。カール頼むから!』
「……………王子の側近に必要かこの場でハッキリさせよう。」
下のコートから聞こえた。
あのくそ大臣め!伝えやがったな。
エリーの視線がジェネロに向かったがコノヤロ!視線を逸らしやがった!
エリーの視線が俺の方を向いた。
『ご ごめん。事情は後で話すから、怒らないでね。』
と言え視線を送った。
「この決闘は、彼の王太子殿下の側近を決める戦いだったのですね。余程、思うことがあったのでしょうね。」
あっ。エリーが苛立ってる。俺、もう知らない。
手元の書類をさばきながらエリーの声は聞いていた。
「我が剣に纏え!」
その瞬間 雷が剣先に落ちた。
ハデなことするな。
「悪いけど、予定変更するよ。王太子殿下方を護るのは、私の役目よ。それは、例え同士であっても譲れない。 我が剣をもって、打ち砕く!」
珍しく普通の言葉で話してる。
暫くすると辺りに冷気を感じた。
なんだ?視線をコートにいるエリーに自然と向いた。
「…………へぇー。君は、その事も僕のせいだって言うのかな?」
……これまさか全てエリーの魔力か!?しかも感情が全て消えている。あのガキ!エリーに何を言ったんだ!
それは、すぐに分かったが次なる驚きに固まった。
「そうだよ!君が、ツァウバー・クルーじゃなければ僕が疎まれる事もなかった!両親に目の敵に去れることも!!」
…………はっ?今なんて言った?俺の聞き間違えか?……ツァウバー・クルーはエリーもなのか!?我が娘はとことん規格外過ぎるよ。まぁ、それでも一番可愛いけどね。
「それじゃぁ聞くけど、君は何のために騎士に志願したのかな?」
「僕を殺そうとした者から身を守るためだ!お前のように、誰かに守られて過ごした訳じゃない!」
更に回りの気温が下がり、霜がで来はじめた。
…………あ。ヤバイエリーがぶちギレかけてるかも。
「ふーん。身を守るためか。それなら、傭兵所でも良かったはずだよ。それに王太子殿下方の側近になる必要なんて更々ないよね?」
毛布取りに行こう。
外に待機されていた侍女に毛布を受け取り中に入ると剣同士がぶつかった金属音が聞こえた
「ベン。キミの剣には、怒りと憎しみ しかこもっていない。そんな剣じゃあ僕に掠り傷一つもつけられない。」
剣同士を弾かせ後方にベンはバックするなり
「そんなはずない!」
何か雲行きが怪しくなってきたな。
「ベン!止めるんだ。それ以上魔力を放出すれば、魔力切れで死ぬぞ!」
「……………………アイツを殺せばいいんだ!」
……こいつ暴走しかけているのか?ジェネロや大臣達を先に逃がすのが先決か。
エリーが焦りを顔に出していた。
バタリオンを呼ぶべきだな。エリー!もう少しだけ待ってろ。
ジェネロや大臣達を安全なところへ逃がし、バタリオンを呼びに走った。
◇◇◇◇◇ エリー視線 ◆◆◆◆◆
観覧席を見るとお父様が皆を逃がしているところだった。
お父様ありがとうございます。出来ればアゼルを呼んで来てほしいかな。まぁバタリオン団長を呼んでくるかもしれないけど。
お父様達が出たのを確認し第3訓練所に誰も入れないように結界を張った。
「ベン。悪いけど亜空間で少し待っててくれるかな?これ以上この世界に傷をつけられたくないからね。」
エリーは問答無用で亜空間の口を開け、竜巻に乗せて亜空間に放り込んだ。
さてと、この結界を消してと……うん。これで大丈夫。説明をどうするかだよねー。国王陛下や大臣にもばれたし、ベンの事もばれていたようだし。
……………あ!今、一つ目の魔具が壊された。後3つか、龍王様早く!




