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悪魔が来たりて笛を吹く

エリーは木漏れ日と月明かりを頼りに暗闇を馬で駆け抜けていた。


やはり彼らに言っておくべきだったかな。それに早めに帰っていれば、マクシムに会わずにばれなかったのかな?


空を見上げると丁度雲で月が隠された


はぁ。まるで僕の心の様だね。それよりも早く帰らないと、明日寝坊してしまうかもしれないな。


更にスピードをあげユイセント家の領地にある本邸へ急いだ。


林道を駆け抜けていると視界の端で何かが光った気がした。


何だろう。落とし物でも有るのかな?


林道脇へ方向を変えようとしたとき馬がいななき前足を高くあげた。それにより、僕は馬から振り落とされた。


「くっ!」


咄嗟のことで受け身は辛うじてとれたが、運悪く小枝が立っていた。その枝が足に刺さった。


エリーは、袖を切りきつく巻き付け止血をした。


何だ?この鋭利な小枝は。こんなものその辺に転がっているはずないのに。


魔力残像を確認するが、素でに消えていた。林の中を見るが光物など無かった。


エリーは厄介事にしないため枝を抜きとり直ぐ様治癒魔法を使った。


『ピィィ~』


口笛を吹くと直ぐに愛馬が戻ってきた。


「驚いたな。これ以上厄介な事が起こる前に急いで戻るよ。」


愛馬が首を縦に振ったので、背かに乗り再び夜道をかけた。


本邸に帰るり馬を厩舎に戻し玄関に行くと母さんが玄関まで来ていた。


「ただいま帰りました。」


「お帰りなさい。エリー、話がありますので着替えたら私の部屋に来なさい。」


「はい。お母様」


母さんを怒らせること何かしたかな?……あっ!護衛を着けずに夜道を駆けたからだろうね。これ以上機嫌が悪くなる前に急がないと。


エミリーが手伝いをすると言ってくれたが、それを断りさっさとお風呂に向い体を清めた。服は、水色系のラフなワンピースでにし母さんの部屋へ行った。


『コンコンコン。』


「お母様、エリーです。入っても宜しいでしょうか?」


「入りなさい。」


従者に扉を開けてもらい室内に入ると裾を持ち軽く頭を下げた。


「失礼いたします。」


僕の後で、扉の閉まる音がすると


ソファで優雅にお茶を飲んでいた母さんが


「そちらに腰を掛けなさい。」


母さんが示したソファに腰を下ろすと、侍女が紅茶を持ってくると 即座に部屋から出ていった。


エリーが一口飲むと


「まずは、何事もなく帰って来たことに関してはよく頑張りましたね。」


「ありがとうございます。お母様」


「しかし。最後で油断した様ですわね。そのせいで、左足の脹ら脛を損傷したようですね。」


「………」


どうしてついさっきの事が知られてるの?あれほど周囲には気を張ったのに。


「貴女は、厄介事になる気がしたから滅多に使わない治癒魔法を使用したのでしょう?」


完璧に僕の心を読まれてる。


「………」


「それも、黙っていたら気づかないとたかをくくって。」


「全くもってその通りですわ。考え事に囚われてしまい、警戒心が薄くなっていたことは否めません。」


「あら?今日はやけに大人しく答えたわね。」


「全てお見通しの様ですので。」


「……まぁいいわ。それよりもエリー。貴女は、そこまでしなくても良いのですよ。そんな事は、ランスにやらせたら良いのです。女性でまだ子どもの貴女が背負う事は無いのですよ。」


エリーは泣きそうになるのを堪え


「お母様、ありがとうございます。」


と言い微笑むと


「そう言って貰えるだけで、心が救われたした。それでは、明日は学園が有りますので失礼します。」


泣き笑いの様な表情の母さんを見なかったことにして自室に戻った。



◆◆◆◆◆


朝は少し早めに本邸から出て、学園で与えられた寮で朝食を済ませた。


いつもの様に学園へ行くと掲示板や廊下に人盛りが出来ていた。


「珍しいな。こんなに人盛りが出来るなんてな。」


「そうですね。見に行きましょうか。」


「えぇ。」


リアム・ノア・エリーの三人が通ろうとすると自然に人が道を開けてくれた。その先に貼ってある3枚の物を見て言葉を失った。


なっ!何故これを!?そして、誰がこの様なことを?


1つ目は、『学園の生徒に暗殺者が!?』の見出しで全身黒に覆われた服装をしている男性二人の写真が貼られた紙。


2つ目は、『2人の王子は偽物か』の見出しで国王陛下とエリーが仲良く会話している写真とリアムとノアが陛下に対して膝をついている写真だった。


3つ目は、『彼女は、一国を陥れる悪魔』と言う見出しでエリーとラウロが二人で歩いている後ろ姿が写っていた。



絶句していると、先生方が現れ


「トワニス・コルノ・リアム さん トワニス・コルノ・ノア さん ユイセント・エリー嬢。学園長がお呼びです。」


3人で顔を会わせリアムが


「分かりました。参ります。」


学園長室へ向いながらノアとエリーは声が聞こえないように防音魔法を発動させ


「厄介ですね。よりにも寄ってあの瞬間を撮られるとは。」


「そうだね。暗殺後の写真を僕らに気づかずに撮るなんて、至難の業だよ。」


「あれは、組織絡みで隠滅させることにしましょう。」


「はい。」


リアムが振り返ったので、防音魔法内に入れ


「あの二人が膝を着いていたあの写真は、どう言ったときの写真ですか?」


問いかけるとリアムとノアが視線を下げてから


「……あれは、成果を出せなくて親父に怒鳴られたときのだ。」


「私は、その巻き添えを食らい父王として怒られました。」


「そう言うエリーの写真はどうなんだよ!親父と楽しそうに話している写真と、ラウロとの ツーショットはなんだよ!!」


「陛下との写真は、リアムやノアの学園での生活について話してただけだよ。」


エリーは遠い目をしてから


「ラウロとの写真は、帰ってる最中ウロに『自国に来ないか?』と誘われたときの写真だね。」


「「はあっ!!」」


うん。やっぱり仲が良いね


「ラウロのやつ!絶てぇ許さねぇ!」


「ラウロ殿の自国は、マーレフォンド国ですよね?」


「あぁ。そうだよ。両国の協定をより強くするために来てほしいって言われた。もちろん断ったけどね」


「それは、良かったです。」


リアムはいまだにブツブツ呟いていたが、学園長室に入ると静かになった。


「どうして、呼び出されたか分かっているね。」


「「「「はい。」」」」


?いま、4人の声が有った気が?ここにいるのって、学園長とリアム・ノア・僕 だよね?


見渡すとソファで寛いでいるラウロを見つけた。


そういえば、ラウロと僕の写真を有ったんだから呼ばれて当たり前だよね。


僕たちもソファに座り


「学園長先生。弁明させてくださいませ。」


「ほう。弁明する事があるのか?」


「はい。1つ目は マーレフォンド・ラウロ・アルベルティー 様との誤解の写真についてです。」


エリーは、動画を流した


「これを見て貰えれば、わかる通りマーレフォンド・ラウロ・アルベルティー 様からユイセント・エリー 。この私わたくしに 自国へ来るように勧誘したときの一部です。」


「うん。確かにその写真は、俺が彼女を来るように迫ったときの一部だよ。」


「では、2つ目については?」


「あの写真は、私と兄さんに与えられた試練を失敗したため父王がお怒りになられた一部です。」


「そして、私と陛下が話していた内容は入学前にお話したのでご存じのはずです。『国王陛下直々にリアム王子とノア王子の報告』をする命令を受けているからです。」


「では、3つ目はどう説明する?エリー嬢・ノア王子。」


二人して、意味がわからないと言いたげな表情を浮かべた。


すると学園長は勝ち誇ったように


「この写真に写っているのは、エリー嬢とノア王子ですね。魔力の色や強さ、体格までもがピッタリだ。」


ノアがため息をついてから


「学園長は知りませんでしたか?」


「あぁ。前から知ってたとも!写真を撮ったのは俺だからな!お前ら「魔力の色や強さ、体格は魔法や着込む物によって変わるってことをご存じの無いのですか?」」


ノアが被せる様に言うと沈黙がその場に舞い降りた。


エリーは固まったままの学園長に畳み掛けた


「今、仰いましたよね?『写真を撮ったのは俺だからな』と。名誉毀損と時期王を陥れようとした罪は、重いでしょうね。」


エリーがにこやかに笑うと隣からと1つ横からも


「エリーがここまで悪魔に見えたのは、初めてだ。」


「 悪魔が来りて笛を吹くとは、この事だな。」


エリーはリアムとラウロを睨み付けてから


「この始末は、ノア王子にお任せいたします。」


「分かりました。近衛、彼の者を縛り上げよ」


「「「はっ!」」」


あぁ~やっぱり気づいてたんだ……。


入ってきた近衛の6人は学園長を押さえつけ、移動魔法で連行していった。


このやり取りはラウロにより生放送されていたと知ったのは、授業が終わったときに知った。

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