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魔力干渉

森が開けた場所では、素でに荒行事は始まっていた。


エリーはノアをよく見渡せる側にある崖に連れてきた。


「ここなら、彼らにも気づかないし邪魔にも成らないよ。」


「ありがとうございます。……エリー嬢、聞いてもいいですか?」


「なにかな?」


二人とも崖に座り下で行われている荒行事を見ながら


「エリー嬢は、ここで幾度も過ごしたのではないですか?」


「そうだよ。令嬢としても、護衛としてもね。」


「あの別邸に誰もいないことや、全てが整っている事もご存知だったのでは?」


「知ってたよ。それにあそこを前以て掃除や食料を1週間分運ぶように手配したのも、僕だよ。」


「私達を招いたのも……いえ、私達が来ることも知っていたのですか?」


「君達が来ることは、知らなかった。そして、招いたのは僕が気を失ったせいだと思ったから。それだけだよ。」


ノアはエリーの方を向いたがエリーは、下で行われている試合から視線を外さずにいた


「では、私を試したのは?」


「……。」


「エリー嬢。」


「はぁ~ノアを試す機会は、別のときに行う予定だった。一人一人安全な所で、抑えられる人を揃えてやるはずだった。」


「何故、今日行ったのですか?」


「次の機会が無くなる気がしてね。その予想は、正しかったのか間違えなのか分からない。だけど、言えることがただ一つ。君が暴走しなくて助かったよ。」


「暴走 とは?」


「魔力暴走だよ。ほとんどの場合、守護者が来たら魔力解放と守護者の魔力を渡される。そして、抑えられなくて暴走する。でも、例外もある。守護者が別の者に加護を与えた場合は、起こり難くある。」


「暴走したらどうするのですか?」


「側にその魔力を抑えられる者がいれば、その人が魔力を一時的預り暴走した人に少しずつ戻して行く。そうやって慣らしていく。暴走した者よりも預かる側の方が圧倒的にきつい。預かる側が持たなければ、両者の力が広がり全てを壊していく。魔力が尽きるまでか、死ぬまでね。」


「では、いなかった場合は……。」


「尽きるまで壊し尽くすか、死ぬか。運よく現れてもその人が、暴走者に触れられなければ意味がないよ。」


「……そうですか。」


ノアは再び試合に目を向けた。



◇◇◇◇◇


時間は遡り、エリーに言われ果実を収穫していたら森の開けた所についたルークとリアムは木々に背を預けた


「なぁ、エリーのやつ何か企んでいる気がしないか?」


「そうだな。エリーにしては珍しく悲しそうな目をしていた。まるで俺がいや俺たちが消えていくような 感じだった。記憶を無くしたと気づいたエリーの表情と同じだった。いや それ以上かもしれねぇ。」


「そう言えば、ノアも珍しく困惑と怒りの眼差しをしていたな。」


「何かエリーから聞いたとこだったんだろうよ」


「くっ!」

「やばいな」


二人は同時に何かを察知しバラバラに森の奥へ駆け出した。


何処へ逃げても次々と襲ってくる鎌鼬かまいたちをギリギリで避けながら奥へ向かっているはずが、元の果実を置いていた所に戻ってきていた。


顔を合わせるなり森の開けた所へ行き背中合わせで立ち


「ここで戦えってことか?」


「ルーク、そっちはどんな攻撃だった?」


「風魔法だな。刃のようになってたぞ。」


「俺も同じだ。それと、森には被害が無いが俺達には喰らうみたいだな。」


「まさか、お前!!」


「避けそびれて、掠り傷がついただけだ。気にするな。」


「……。姿は確認できたか?」


「いいや。気配すらギリギリでないと分からない。」


「やりずれぇな」


「全くもってそうだ!」


ルークとリアムはお互いを守りながら、飛んできた方向に魔法を放ったり斬りかかっては戻ってを繰り返した。


丁度その時視界にエリーとノアが崖の上で話しているのを見かけた。


「ルーク!あの崖にいるのは、ノアとエリーじゃないのか?」


ルークは攻撃を避けながら確認した


「エリー!?何であんなところにいるんだ?それに、崖のほぼ真下を見て何かあるのか?」


「助けを求めた方がいいか?それとも危険を知らせた方が。」


「無理だと思うぜ。多分だけど、阻害魔法がかかっていると思うぞ。」


「どうにかして、気づかせる方法は無いのか?それか、敵の位置さえわかれば。」


「気づかせる方法が、一つだけある。敵の位置を大体分かる方法もあるが、リアム 王子がもつかどうかだな。」


ルークの話を聞くなり


「俺を舐めるなよ!お前を守りながらなんて簡単た!魔力は結構多いんだからな!」


「頼んだ」


ルークはあっさりその場に座り込み敵の把握に神経を集中させた


「…………」


「…………」


「敵は2ひきだ。龍と巨大な蛇だな。お前の魔法でここから後方200mと前方150m圏内に合図を出したら結界をはれ。」


「分かった。」


リアムは鎌鼬を剣で弾き飛ばしながら、言われた範囲に結界を準備し始めた。


同時に攻撃をされた瞬間


「いまだ!」


ルークの合図で結界をリアムが張った。

範囲を狭めていこうとしたとき


「そこまで!」


と言う声が聞こえた。


◇◇◇◇◇◇


リアムとルークがエリーに気づいたとき……


「へぇ~リアムとルークは、よく気づいたね。ここに、僕とノアがいることをね。」


「阻害魔法がかかって見えないのでは?」


「そなはずだったんだけどね。ルークの魔力無意識に僕の魔力に干渉したみたいで、僕達が見えるように成ったみたいだよ。」


「そんなことが……」


それならそろそろ決着がつくだろうね。


ルークが地面に腰を下ろした瞬間脳内にルークの声が聞こえてきた。


『エリーのやつこんな所でなにしてんだよ!見えねぇ敵がいるって言うのに、気づきもしねぇで崖の真下を二人揃って見て何があるって言うんだよ。』


なんだろう。本当に捕まえるまでしようかな?折角被害が出ないように幻影魔法を放つように言ったのに。


エリーは再びノアを連れて崖を降り、二人のもとへ少し急ぎ足で向かった。


リアムが結界を張った場所は彼等の一部しか入っていなかった。

彼は、エリーを見るなり


『この結界壊してもいいか?』


と暢気に聞いてきた


『どうせ、結界を狭めるだろうからそれまでそのままでいてね。』


『わかった。』


直ぐに結界が狭まり彼等が抜け出せたのを確認してからルーク達の方へ歩きながら


「そこまで!」


「「なっ!」」


「二人ともお疲れ様。」


「エリー!?阻害魔法がかかってて気づいて無かったんじゃないのか?」


「確かに、それはかかっていたわ。」


「敵を捕まえたから解けたのか?」


「いいえ。違うわリアム。ルークが無意識下に私の魔力に干渉してきたのよ。そのせいで、弱まったのよ。」


「エリー。これを企てたのはお前だな。」


「そうよルーク。元々ここは訓練施設。姿が見える小型から、見えない大型まで種類は様々。そして、全ては幻影よ。森が傷つかないのは、幻影で攻撃されているから。リアムが掠り傷がついた って言ってたけど、それも幻影よ。実際は痛みも怪我も鎌鼬すら無かったのよ。ただの風魔法。」


「俺達は、知らぬ間に試されていたってことか?」


「えぇ。だからちゃんと話すわ約束通りにね。」


エリーは、彼等に背を向け別邸に向かって歩きだした。途中でノアと視線があったので


「軽く説明しておいてね。」


と言って再び歩き始めた


『ドラガオン・アニータ お疲れ様。お礼の品は送ってあるわ。ゆっくり味わってね。』


『まぁいい。それで許してやる。さらば』


『ありがとう!エリーまた呼んでね』


『えぇ。本当にありがとう。』

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