3つの方法
何だったんだろう?昨日のあれは夢?
ルークが僕をこの寝室まで運んで頬にキスするなんて、どこまで破廉恥なんだろう!
確かに昨日はまじないとしてキスは、したけど……ルークが僕の頬にキスなんてするわけないよね?でも、頬にキスされたとき何故か温かい魔力が流れてきてた。あれは何だろう?
…………。!それよりも泉に行く約束をしてたんだ!急いで着替えないと間に合わない。
エミリーを呼び女装で軽い服装を選んでもらい軽食を食べながら髪を結ってもらった。
慌ててルークの部屋に向かった
「ルーク!お待たせ。さぁ行こうか泉へ」
と言いながら勢いよく扉を開けると
「ま まて!」
と言うルークの焦った声が聞こえたがすでに遅し上半身裸で下半身にはタオルを巻いた状態で髪を拭いている姿が眼にはいった。
うわ~すごい筋肉!どれだけ鍛えたらそんな風になるのかな?男に生まれたらあんな綺麗な腹筋が出来たんだろうか?
「お おい!エリー頼むから出ていってくれ!まだ着替えてる最中だ。それに見つめるな~~~~。」
「ご ごめん!」
僕は慌てて扉を閉め扉の前でうずくまった。
うぅ~~なんて破廉恥な!
それにしてもルークの体の至るところに傷跡が残っていたな。光のカーテンで傷を治していたのにそれでも治らないなんて。ルーク自信がそれを抱えて生きていきたいってことなんだろうね。
はぁ~。やっぱりあれぐらい鍛えたら男性は格好いいよね。
「エリー着替えたぞ。」
「あ うん。じゃあ、泉に行こう?」
「あ あぁ。」
ギクシャクしながら馬車に乗り込もうとすると父さんと母さん・兄さん・マリー と家族全員が集合した。
僕は、令嬢としての服装をしているため
「お父様・お母様。おはようございます。」
何か言いたそうな顔でお父様が
「あぁ。おはようエリー」
お母様は、何か言おうとしているお父様の話を遮るかのように挨拶をかえしてくれた。
「おはよう。エリー。」
「お兄様・マリー もおはよう。」
お兄様は満面の笑みで
「おはよう。エリー」
マリーは目をキラキラさせながら
「お姉様。おはようございますわ!いつものお姿も凛々しくて素敵ですが、こちらの本来のお姿は女神の様ですわ!」
苦笑いを堪えながら
「ありがとう マリー。マリーもいつもの服装も可憐だけど、今日の服装はいつもより気合いが入っていてより一層美しく見えますわ。」
マリーは顔を赤くして
「まぁ!お姉様ったらお上手ですわ!お姉様には敵いませんわ。」
とくねくね体を揺らしていた
それを見たお父様・お兄様は呆れ顔 お母様は、マリーの側に行き
「本日は、外出禁止です。」
「そ そんなぁ~。お母様!私わたくしをお姉様のお供に!」
「いいえ。今回は、ルークとエリーの二人だけで行ってもらいます。」
「嫌ですわ!!私もお姉様と」
「マリー。また今度一緒に行きましょうね。」
「……はい。分かりましたわ、お姉様」
お母様に引っ張られ屋敷に戻っていくマリーを見届けてから
「お父様、お願いがあります。」
「なんだ?」
「本日は彼の護衛にはつけませんので、別の方をお願い致します。」
「あぁ。その事か。その事なら心配無用だ、お戻りになられたからな。」
「そうですか。では、行って参ります。」
ルークを連れ先程乗ろうとした馬車ではなく白馬に僕が乗り栗毛の馬きルークが乗った。
町を抜け、関所を抜けて草原に入った。
そこで一度休憩を入れた。
「なぁ、お前は何を悩んでるんだ?」
今まで一言も話さなかったルークが問いかけてきた。
考えがまとまらず、馬にご飯を与え終わり川で足を冷やしていると
「俺の記憶の事で悩んでいるんだろう?」
的を付かれ
「そうだね。本人には話しておくべきだよね。記憶を戻す方法が2つあってね。」
「おう。」
「一つ目が 僕と君が契約しているのは分かる?」
「あぁ。それは知っている。」
「ルークは無意識に感情を操られないようにうっすらとした結界を張っているんだよ。それを僕が消し記憶をよみがえらせる。
メリットはルークの過去や秘密を知られなくてすむ
リスクは、秘密を暴露してしまい人権が保証されない。
二つ目の方法は、ルークが味わった苦痛・屈辱・悲しみ・怒り・怯え の全てを 無理矢理に思い出させる 方法がある。
それは、術者である僕にも流れ込んでくる。
リスクは、ルークがどう思っていたのか・何をされたのか・負った傷全て僕が肩代わりするため全てを知ることになる。
メリットは、ルークが壊れなくてすむってこと。」
「3つ目。」
「3つ目!?そんなの知らないよ。僕はこの二つしか思い付かなかった。安全なものがあるなら教えてよ。」
食い入る様に彼を見ると真剣な表情で
「俺とお前が一度交わること。」
「ルーク、交わるって?」
彼の獣のような瞳を見て心が震えた
「………まさか!」
彼は肯定するように
「そうすることで俺の記憶は戻る。実際にお前が俺にキスをしたとき微かに記憶が流れ込んできたからな。」
「それならそうと早く言ってよ!そうしたら頬にキス ぐらい……」
「今じゃぁ頬にキスだけでは記憶が流れ込まなくなった。」
「………そっ それって……」
「直接の触れ合いが必要ってことだ。」
「……。」
ルークがいつもの調子に戻り
「まぁ~お前の婚約者はリアム王子かノア王子のどちらかだと思うけどな。」
「…………」
確かに国王様たちは血筋を強化したいと思っておられるし僕としても政略結婚は致し方ないと思っているけど……。僕の中でルークを一人にしてはいけないと叫んでる気がする。
一人残された川辺てボーっとしていると
『エリーはどうしたいのじゃ?』
「!?蛟アニータ。」
『こら!声に出すでない。』
『ごめん。驚いてしまって。』
『お主は、彼の者が好いておるのじゃろう
?』
『確かにルークのことは好きだよ。だけどねそれは家族としての域を出ていない気がするの。それに公爵家に生まれたからには政略結婚をするしかないの。』
『それなら2人にすればよいじゃろう』
『無理だよ!法律で決まっているんだ。一夫一婦 制 って。それに初めてを取られたらその人と結婚するか一生結婚が出来なくなるんだよ。』
『それなら法律を変えればよいじゃろう!』
『そう簡単に変えれるわけないよ。』
『妾がいるであろう。それに龍王もおるじゃろう。』
『貴女方は守護者であって表世界では!』
『簡単だ。俺らは表世界でも政治実権も持っているからな。』
『チッ 嫌なやつがきよったわい。』
『ドラガオン!』
『呼ばれた気がしてな。』
『そう言うことじゃ。妾に頼むがよい叶えてやるぞよ。』
『俺に任せろエリー。表世界の王と話し合いをしてくるからな。』
『2人ともありがとう。でも少しだけ考えさせて。』
『分かった。決まったら呼べよ。じゃあな。』
『ありがとう ドラガオン。』
『妾はいつでも側にいるからな。』
『うん。』
2人が消えた瞬間茂みから物音が聞こえた。耳を澄ます馬2頭の足音だと気づいた。
ルークも気づいていたらしく馬を連れてこちらに向かってきていた。
「ルーク、どっちだと思う?」
「さぁ~な。言えることはそうとう殺気を飛ばしているって事だけだな。」
「刀とか持ってきた?」
「一応な。お前は?」
「愛剣は置いて来たけど、他の剣なら持ってきた。」
「久しぶりに暴れるか!お前は俺の援護な」
「分かった。その代わり無理するなよ。」
ルークが前に出て構えをとり林に向けて飛び出そうとした瞬間
違う!これは、殺気じゃない苛立ちのほうだ。
「ルーク。ストップ!」
不機嫌そうなルークが
「なんだよ!」
「これは敵じゃない。僕が忠誠を誓った相手。」
名前を告げようとしたとき
「エリー!!」
とリアム王子が叫んだ。
僕は彼に近づきリアムの後ろにいるノアに視線を送ると生暖かい目で僕を見た。
「リアム王子。それにノア王子までこの様なところまでどうされたのですか?」
「どう言うことだ!お前の婚約者は1人とは限らないと父上から言われたぞ!。」
「……どう言うことでしょうか?私は存じ上げておりませんが。」
「兄さん。」
「悪い。取り乱した。ノア頼む。」
「分かった。」
リアムの後ろにいたノアが私の目の前に来ると喜びにも似た瞳をしていた。
「エリー嬢。兄さんが言いたいのは、先程の国王様……父上がエリー嬢の婚約は1人とは限らない複数になる可能性が高い と言われました。そして検分で____いえこれは別のところでお話いたしましょう。
そう言うことで、兄さんはエリー嬢を追いかけてきたのです。」
「何となく理由は分かりましたわ。それで何故お二人が?」
リアムは驚きノアは固まった。
何か言ってはいけないことを言った?
「……エリー本当に聞いてないのか?」
「何をですか?」
「今回の権で俺ら二人がお前の婚約者と成ったことだ。」
「……………」
今、何て言った? 俺ら二人が僕の婚約者 って言った?
「それは誠で御座いますか?複数の夫をエリーは持つと言うことは。」
「あぁ。本当だ。お前……ル―クも婚約者だとカール宰相が仰ってたぞ。だから二人旅を許したそうだ。」
嘘でしょう!?あり得ない!ル―クは弟よ!家族よ。それなのに婚約者だなんて。確かにルークの記憶を戻すには交わる必要があるけど、私が複数の相手を持つなんて信じられない。壊れちゃうわ。
「大丈夫ですか?エリー嬢。」
ノアに触れられその場に崩れた。
「エリー!?」「エリー大丈夫か!」「エリー嬢!?」
リアム ルーク ノア の声が聞こえたが僕は暗闇の世界にいた。




