記憶喪失
移動魔法を3度使ってルークの寝室まで移動した。
「ルーク!!目が覚めたんだね!」
と勢いよく扉を開けるとベッドの上に座っているルークを確認できた。
僕は、ルークに抱きつきながら
「おはよう。ルーク。」
と笑顔で言うとルークは、怠そうにしながらも
「………おはよう?てか、お前は誰だ?俺はどうしてベッドの上にいるんだ?」
ルークから少し離れ
「覚えていないの?」
困惑した表情で
「あぁ。」
「…………」
「教えてくれ。」
「冗談じゃ無いんだよね?」
「あぁ。目が覚めたらここにいた。ここは何処なんだ?俺は今まで何をしてたんだ?なぁ、教えてくれよお前は知ってるんだろ俺のことを」
涙が出そうだけど精一杯笑顔を浮かべながら
「じゃあ何から聞きたい?」
といつもより少し他人行儀になりながらも明るく問いかけた
「そうだな。俺の名前はルークなのか?」
「うん。そうだよ、君の名はルーク」
「姓は無いのか?」
「あえて言うなら ユイセント・ルーク だね。だって僕の弟のようなものだもん。」
「意味がわからない。」
「思い出したら、分かるよ。次は何を答えたらいい?」
彼が考えている間に僕の使い魔である白猫に紙をくくりつけた。
「ここは、何処なんだ?」
「ここは、トワニス国のユイセント家のルークが記憶を無くす前に使っていた部屋だよ。」
「そうか。では、あなた様はこの家の長男 で記憶を無くす前にも仲良くしていたと言うことであってますか?」
「~っ!~~~」
笑いを堪えているとルークが
「なにが可笑しい?」
「ごめんごめん。初めて会ったときも僕のことを男性だと思ってたことを思い出してつい懐かしくなってね。」
零れてきた涙を拭き呆然としてる彼に
「申し遅れましたわ。私は、トワニス国 の 国王陛下 トワニス・コルノ・ジェネロ国王様の側近 兼 宰相 をしています 父 ユイセント・カール の娘 長女の ユイセント・エリー と申しますわ。
男装をしていますがれっきとした、淑女ですわ。」
ルークが頭を抱えこみ
「くっ!頭が割れそうだ。何か懐かしい………………。」
あまりにも苦しそうなので睡眠魔法をかけ、またゆっくりとベッドに寝かせた。
そこに先程父さん宛に出した手紙が白猫と共に戻ってきた。
嘘でしょ!そんなことしたら余計に混乱するよ!何故そんなに急ぐ必要があるの?
手紙の内容は簡単に言うと
『ルークが目を覚まして良かったな。しかし今、記憶がないのは危険だ。今すぐにルークに過去の記憶を彼に流し込み記憶を戻させろ。』
と書いてあった。
確かにルークと契約している僕ならば、彼が無意識に張っている結界を消し記憶を流すのは、簡単なことだけど……もしかしたら余計な混乱をお越し塞ぎ混んでしまうかもしれない。
もう一つの方法は、彼の苦痛・屈辱・悲しみ・怒り・怯え の全てを 無理矢理に思い出させる 方法がある。それは、術者である僕にも流れ込んでくる。そのとき、ルークはどう思っていたのか・何をされたのか・彼の負った傷全てを僕が受け止め、暴走しないように食い止めなければならない。その痛みは精神的に僕に感じさせる 云わば幻だけど体に実際に起こっているように感じる。
両方ともリスクとメリットがある。
1つ目の方は、感情が壊れてしまう可能性が大なり小なりある。
メリットは、彼の秘密を暴露することなく人権は守られる。
2つ目の方は、相手に知られたくない記憶を見せてしまうため人権がほぼないに等しくなる。
メリットは、彼が壊れなくてすむし確実に等しいぐらいに成功する。
僕はその日ルークを見ながら本当に正しいことは何なのか考え、暫くしてから与えられた仕事をやりに夜の繁華街へ向かった。




