一騒動
久しぶりに学園でのお話になります
寮で心身を清め寝室にはいったのが深夜の3時だった。エミリーには先に休むように言っておいたので夜食をつまんでから夢の中へ入っていった。
6時に目を覚まし軽くランニングをしてからシャワーを浴びエミリーが運んできた朝食をとりいつも通りリアム・ノア・ラウロと学園に向かった。
「エリー、今日は音楽のテストが2時間目にありますがどうしますか?」
ノアの問いに僕は
「ノアやリアム・ラウロはどうするのか教えてくれる?」
「わかりました。個人採点では、チェロ で 兄さんがバイオリン ラウロがフルート
団体でのテストで使おうと思っているのが、グランドピアノを追加してフルート・ホルン・バイオリンにしようかと思ってます。」
「じゃあ個人の方は、二胡にこにするよ。団体の方のメンバーはこの4人?」
「当たり前だろ!お前は寝ぼけてるのか?」
「ただ聞いてみただけだよリアム。それでいくと僕がピアノかな?」
「そうだよ~ついでにエリーとノアが楽器を奏でながら歌うことになってるから。」
今の……聞き間違えかな?
「今、歌いながら楽器を奏でろって言ったかい?」
「うん、言ったよ。」
「お前、耳までバカになったのか?」
リアムの嫌みをスルーし
「どの曲にしたんだ?」
「……曲は自分達で決められた楽器で演奏しろらしい。」
「て言うことは、曲は決まってないと。」
「まぁ大丈夫だろう!俺らは勝手に曲を作るのが得意だからな!」
「うんうん、どうにかなるって。」
「そうですね。兄さんが適当に作るでしょうからね。」
僕は頭を抱えながら
「そんなんで良いのか、この国は!」
と小声で嘆いた。
教室につくなりまったく喧嘩を吹っ掛けてこなかった我が儘姫エゴイズム・ラ プライセスが再び文句を言いに来た。
「貴女どういうつもりかしら?その様な格好をしてきて!公爵家のご令嬢が殿方のような格好をしてくるなんて!」
はぁ、また始まった。せっかく今まで大人しくしていたから見直したのにな……。それに4時間目は、国王陛下からのご希望通り闇黒部隊(情報員・暗殺)を生業とする国家のお抱え部隊に訓練のために行くことになってるからこの格好なんだけどな……。やっぱり噛みついてくるよね。
「エゴイズム・ラプライセス様、私わたくしは初回から剣と魔法の授業をとっているため指定された服装で登校したまでですわ。」
我が儘姫は勝ち誇ったように
「熟女たるもの剣など持たなくても回りが護ってくれますわ。それに魔法で身を守ることぐらい簡単なことですわよ。」
と最後に高笑いをしていた。それを見て横にいるリアム・ノア・ラウロ 後ろにいる僕の従来ルークとリアムの侍女リリア ノアの侍女 アヤ がこっそりため息をついたのがわかった。
僕がどうしようか考えていたらノアが目線で訴えてきた。
はぁやっぱり訂正しないといけないのか…
「エゴイズム・ラプライセス様。魔法で身を守ることは確かに可能ですが、それは攻撃に気づけたらの話ですわ。相手の攻撃に気づけなければ、障壁を張ることも出来ませんわ。」
一息ついてから
「それに今の言い方では、貴女様を守ってくれているかたが殺されても良いと言う風にも聞こえますわ。」
エゴイズムは見てわかるように顔を真っ赤にして叫びだした
「不愉快ですわね!『たかが』公爵家ごときが!この私に指図するなんて無礼よ!今すぐ膝をつき命乞いをすると良いわ!そうすれば命をとることは致しませんわよ。」
この言葉で、教室にいる生徒や教師の目線が彼女への非難する目線に変わった。そして国の第1王子であるトワニス・コルノ・リアムとその弟 トワニス・コルノ・ノア そして マーレフォンド国第1王子であるマーレフォンド・ラウロ・アルベルティー の3名の行動に判断を委ねた。
左右から来る熱気や冷気が恐いんだけど……。それにここで下手に3人に動かれると公爵家としての安定の立場が崩れるんだよね。僕は軽く制止するように視線を投げ掛け
「確かに私わたくしのような『たかが』公爵程度の地位でこのように申し上げるのは失礼だと思っておりますわ。そして『た・か・が』 公爵である私が言った戯れ言でそこまでお怒りになられるとは思いもよりませんでしたわ。エゴイズム・ラプライセス様の寛大なお心でお許し願いませんでしょうか?」
と言った。『たかが』を強調して。
「ふん。今回は許して差し上げますわ。その代わり次は有りませんことよ。」
と言って席に戻っていった。
僕は一息ついてからいつもの笑顔で
「皆さま、驚かせてしまい申し訳ございません。エゴイズム・ラプライセス様は、私が再び失態をしないようにご注意してくださっただけですわ。朝から不愉快な思いをさせてしまい申し訳ございませんでした。お詫びとしてはなんですが皆さまにこちらを差し上げますわ。」
と言ってから念のために作っておいた使役獣のリードを手元に届くように瞬間移動させた。勿論どんな猛獣であろうとも言葉をお互いに話し合えると言う便利グッツ普通に買おうとしても国1つが滅ぶほどの値段がする。
回りから歓声が聞こえたが直ぐにSHRが始り各自移動していった。
一時間目は、剣と魔法を組み合わせた技で教師に勝てば自由時間となる。始めに挑んだのはやっぱりリアムだった。
剣に炎を纏風魔法で熱風を作り出した。相手の隙を狙い斬りかかるが幻影だった。リアムの背後に回り込んだ教師は、柄で気絶さそうとしたがリアムに気づかれその隙をとられた。
だいたい5分ぐらいで終了した。
続いてノアは、剣をあまり使わず魔法で水龍を呼び緑魔法で蔦を這わし逃げ場を無くしていく戦法をとっていた。案の定10分ぐらいで逃げ場を失った教師は、蔓を切り逃げ出そうとするが時すでに遅しノアの得意な監獄が作り上がっていた。
5分ほど休憩してからラウロが壇上に上がった。踊っているように攻撃を避け舞うように剣を振るう。誰もが見とれるような動きで周囲を感嘆させた。
僕は教師に
「休憩を入れますか?」
と聞くと
「いいや、そのままで大丈夫だ。お前との戦いが終われば少し休憩をいれる。」
「そうですか。では、始めましょう」
「そうだな。」
開始早々斬りかかってきたが金屏風で防ぎ睡蓮を15個ほど先生の回りに作り上げた。そして剣を上に掲げ「彗星」と言うと金の雨が降り始めたやがてそれは先が鋭くなり鋭利の刃となった。先生は防御壁で堪えるが一本の刃が防御壁を撃ち破りその周囲にあった睡蓮に当たり爆発した。
先生は、魔力と体力の限界で防げないことは前以て分かっていたため気を失った瞬間結界を張りそれ以上の攻撃が食らわないようにした。そして回復魔法と治癒魔法で治療してから叩き起こした。
また授業は何事もなく続いた。
自由時間となった僕たちは、早めに音楽の練習をし始めた。
一言で言うと、崩壊。
まったく力が合わさらず雑音にしか聞こえなかった。




