企みと合格発表
ユマン・マンジェ
巨大な魔獣で全てのものを喰らう。
光が嫌いなため森から一歩も出てこないが中にある泉の近くによく出没する。
テネーブル・アッレナメント
自分の腕・剣を試す場所で王族に近いものはその場所で力試しをする。魔法使など剣や格闘系じゃない人が迷い込んだらユマン・マンジェに食い殺される。
レーツェル・ファンテーヌ
別名ディュデュー・ラルム
神の涙によって出来た泉と言われ魔物が入れない唯一の場所。
夕方前に今日の仕事が終わったので、ル―クを呼出しエミリ―への伝言を頼んだ。
「ル―ク、この城の裏側に森があるよね。その奥に泉があるのだけど、その事は知ってる❔」
「あぁ。レーツェル・ファンテーヌの事だろう?」
あっさりと答えるル―クを見てふと疑問に思った。
一体どこでそんな知識を手に入れているんだ? 森の名前は本に載ってるから知ってても可笑しくは無いけど、いずみの名前や場所は本にも載ってなければ国民も知らないはずなんだけど……何処で知ったんだろう?今度問いかけてみるかな?
「そうだよ。レーツェル・ファンテーヌにエミリ―を連れて一刻後来て欲しい。
そこで移動魔法を使って寮に帰る。」
ル―クは、面倒そうな顔をしながら
「分かったよ。守りもって来いってことだろう?」
「流石ル―クだね。」
僕は遠くを見ながら
「あの森には少々厄介な物が住み着いてるからね」
ル―クは、森に住まう魔獣を思いだし
「人間を喰らう魔獣。別名『ユマン・マンジェ』がいるからだろう?」
僕は肯定をしてから
「くれぐれも怪我をしないように気をつけて。」
「俺があんな奴に傷つけられる訳がねぇだろう❗それより、お前は大丈夫か?」
苦笑いを浮かべながら
「まぁ、どうにかなるさ。」
ル―クが呆れながら
「…お前、あの森の秘密を知ってるだろう?よくそんなに呑気でいれるな!」
「……勿論知ってるさ。
森の中では、魔法が一切使えない。
治癒魔法も移動魔法も使えない。己の腕と脚力・瞬発力が最も発揮される場所で別名『テネーブル・アッレナメント』」
「それを知っていなから何故そこを選んだ?」
「一番誰にも見つからず移動出来るからかな。」
「だけどな、どうやって移動魔法を発動させる気だ?」
僕は悪戯っ子のように微笑み
「レーツェル・ファンテーヌの中にいれば魔法は使えるようになるんだよ。そこにいれば、ユマン・マンジェも手を出せないからとても安全だしね。」
「そんな所があっていいのか?」
「だってレーツェル・ファンテーヌは別名
『ディュデュー・ラルム』神の涙 って意味でつけられた泉だからね。神に護られている所では魔法封じが無くなってるから使えるんだよ。」
ル―クは髪の毛をかきあげ
「わかった分かった。レーツェル・ファンテーヌの中で待つ それでいいんだろう?」
僕は心配しながら
「そうだよ。この時期少し寒いから気をつけて入ってね。」
「…………はあ!?本気で泉に足を浸けないけないのか?泉の上に立ってるだけじゃダメなのかよ⁉」
キョトンとしながら
「当たり前だよ。泉の水に力があるのだから、入らないと群れに囲まれるよ。」
「………他の場所にしないか?」
困った顔をしながら
「もし魔方陣の中に入られたらその人まで学園内に入ってしまう。そして誰かが魔方陣を書かない限りその人は出れない。例えば一国の王子・王女に何かしたとしたらその人を連れ込んだ者、学園側に責任が来る。だから安易に町とかでは使えない。」
「お前は、一刻までどう過ごすんだ?」
「両陛下と父さんに寮に帰る事を伝えたり。残ってる自分の仕事を終わらして過ごすよ。」
「じゃあ18時にレーツェル・ファンテーヌだな?」
「うん。18時にレーツェル・ファンテーヌの泉の中。出来る限り急ぐから」
「了解。また後でな。」
「頼んだよ。」
ル―クは頷いてから部屋を出ていった
その後両陛下に時間を貰えるように手紙を送り、父さんには18時に寮に戻る事を手紙に書き記し転送魔法で送った。
国との争いや港町で行われている貿易の確認をしたり国民の生活を見て反省点とどうすれば良いかそれをノートに書き込みあっという間に17時34分。
そろそろ謁見の間に向かわないとな。
あと4分で城に戻って残り2分で向かったら間に合うね。
裏道を走り抜け城の裏門を通り、自室で服を着替え謁見の間へ向かった。
既に両陛下が居られたため待たしてしまったことに謝罪をした。
そして膝をつき臣下としての礼を取ったまま
「両陛下のお時間を頂いたのは、学園に戻る事と私の家族を巻き込み何を企んでらっしゃるのか。これ以上探るつもりもありませんから、私やル―ク・エミリ―に付けている見張りを外して貰えませんか?」
一瞬国王様は苦笑いを浮かべ女王様は、少し骨格を上げた。
「何の事だ?って言ってもはぐらかす事は無理そうだな。」
「流石、次期国王の補佐官ですね。」
「お褒めいただきありがとうございます。」
国王様はため息をついてから
「ユイセント・エリ―嬢の事だ、大体の内容は気づいてるだろう。」
「はい。少し監視役が離れたときに調べさせました。」
女王様が
「これを言い出したのは誰か分かりましたか?」
「はい。ユイセント・カール 宰相であり国王陛下の側近。私のお父様ですよね」
両陛下は諦めたように
「では何故『 私の家族を巻き込み』って言ったんだ?」
「私やリアム王子・ノア王子が学園にいってる間に何かが起こった。そのためカール宰相殿は家族を巻き込み、国王陛下方を守るために取った作戦だからです。」
「よくあの短時間でそこまでの情報を集めたな。」
僕は真剣な表情を崩し
「私が、謁見の申し込みをしなくても呼び出すつもりだったのでしょう?」
今度は両陛下が苦笑いした
「お父様、そんなところに隠れてないで出てきたらどうですか?」
と言って左後ろにある扉の方を向き話しかけると、父さんが困った顔をしながら
「いつから気づいてたんだ?」
「そうですね、『見張りを外して貰えませんか』と言ったところらへんからでしょうか。」
国王様も父さんも固まった
「…………」
「……………」
父さんがいつから居たか知れない女王様が
「カール殿はいつから居られたのです?」
父さんは少しの沈黙のあと
「……ちょうどエリ―が見張りを外せと言った所から居ました。」
女王様は満足げに微笑んだ。
立ち直った国王様は
「何故気づいたんだ?」
僕は視線を国王様に向け
「魔力と歩き方、ですかね。」
国王様は父さんの方を見て
「カール、魔力は無におさせたか?」
「勿論です。自然と同じぐらいまで抑えました。」
父さんの言葉に頷き
「では、足音は消していたか?」
「はい。仰せの通り物音1つたてずに参りました。」
「そうだよな。」
国王様は不思議そうに首をかしげ、女王様は相変わらず勝ち誇った笑みを浮かべていた。
「エリ―嬢聞きたいことがあるんだが」
「何でしょうか?」
国王様は父さんを指差し
「今、この状態で魔力を感じるか?」
僕は、父さんを見てから国王様視線を戻し
「はい。見えています。ご覧になられますか?」
「自分が見ているものを見せることが出来るのか⁉」
「はい。一度この空間を自分の魔力で覆う事によってお見せすることが可能です」
僕は謁見の間を自分の魔力で覆った。父さんの魔力が見えるようにするため父さん以外の魔力を囲った。
国王様も女王様も父さんの魔力が見えたらしく目を見開いたり丸くしていた。
きっと父さんから見たら全員の魔力が無くなったように見えるだろうね。
僕は時間を確認し
そろそろ向かわないとエミリ―が風邪引くから、さっさと見張りの解除と学園に帰る事を許可してもらわないとね。
静まりかえった謁見の間に僕の声が有無を言わさない声が響きた
「国王様・女王様、お父様。
見張りの解除と学園に戻る事を許可してくださいますね?」
「……っああ。これからも勉学を学ぶとともに息子2人を頼む。」
「はい。仰せの通りに。」
僕は「お先に退出させてもらいます。失礼します。」と言って謁見の間から出ると中にある僕の魔力を消し、直ぐに移動魔法でテネーブル・アッレナメントの入り口に移動した。
入り口には2人分の足跡があった
その足跡を追いかけるように僕も急いで森に入った。テネーブル・アッレナメントは、位置や通路、名前さえ乗っていない場所で国民たちは『テネーブル・アッレナメント』と呼ばず 迷う森 という意味で《ヴェルドワールン・ワウドゥ》と言われている
実際には道が出来ておりその道がどこに繋がるかは目印が無いため不明なだけで、ユマン・マンジェがいなければ追跡者を撒くにはうってつけの場所である。
暫くすると光が入る場所についた。
そこがレーツェル・ファンテーヌ(別名ディュデュー・ラルム)がある場所その中央にはエミリーとルークが泉の中にいた。
ル―クは僕に気づくなり
「エリ―!遅すぎるんだよ❗」
「ごめん。」
僕は泉から出てきたル―クに謝りながら今だ泉の中にいるエミリーのところへ行った。
エミリーは唇が少し青くなり微かに震えていた
僕は彼女の周りの水を温水に変化させ
「遅れてごめんね、こんな冷たい水の中にずっと居させて。」
エミリーは、必死に
「これくらい大丈夫です。それより、お怪我は有りませんか?」
と僕の心配をしてくれた。
安心させるように微笑むと
「ル―ク!早く泉に入ってくれ。」
舌打ちをしながらル―クが泉に入ったのを確認し移動魔法の応用番を発動させた。
次目を開けたときにはいつもの寮にいた
僕は直ぐ様エミリーにお風呂に入るように促したが、『主より先に入るわけには……』と頑なに拒むので彼女の周りを暖めながら
「エミリーがもしも体調を崩してしまったら、僕はどうしたらいいの?きっと枕元を涙で濡らし、後悔し続けるよ。」
僕が困ったように言うとエミリーは顔を赤く染めながら
「……分かりました。お嬢様を悲しませる事は侍女としてのプライドが傷つきますので、お先に入らせてもらいます。」
と言って、彼女の部屋に入っていった。
それを見ていたル―クは
「お前は相手の弱点をよく攻めるな」
後ろにいるル―クに
「何の事?僕はただお願いをした だけだよ。」
「そうだな。お前は分かっていて、その美形でお願いをしてるんだもんな。そんなことされたら、女性は勿論 男性も落ちるだろうな。」
「そんなことよりもル―ク、お前も先にお風呂に入りなよ。エミリーと自分の状況を入れ替えた事は知ってるよ。」
ル―クは惚けたように
「何の事だ?」
「僕の魔力を使わないで出来ることは限られているかね。貴方は自分の魔力を使い使い己に合った温度を作り出せる。だけど他の人と共有が出来ない。だから寒がっているエミリーと立場を交換させた。
違うかい?」
ル―クは、参ったと言うように両手をあげ
「お前には、何でもお見通しだな。」
「何でもじゃないさ。例えば泉の名所や森の名前…とかどうしてる知っているのかと思ってるよ」
誤魔化すように
「それは、企業秘密だな。」
「そう言うと思ってたよ。
それより早くお風呂に行けば?」
「へいへい。お嬢様の仰る通りに~」
ル―クが自室にあるお風呂に向かったのを見届け、僕も自室でお風呂に浸かり出るとエミリーが来てたので「食事を机に置いといて欲しい。」と伝え明日の予習と休んでた分の復習をしてから食事をとった。
食器は廊下に出し、魔力回復のため床に回復魔法の陣をかきその上に布団を敷き寝た。
勿論、起きたときに布団を元の位置に戻しあたかもそこで寝ていたようにした。
着替え、食事をとり外に出るとリアム・ノアそして予想外にラウロが寮の前にいた
取り敢えず令嬢としての最高級の挨拶をしようとするとノアに止められた
「エリ―。学園にいる間王族や貴族の地位を忘れましょう。」
「そうだ、ノアの言う通りだ。」
「そうだな。ノア君の言う通りだ。」
ノアに続きリアムとラウロが言ったので
「はぁ~分かったよ。その代わり3人だけの時だけだからね。」
いつもと同じ様に学園に向かった。
2時間目 ダンス 3時間目 経済 4時間目地理
5時間目 皇帝学
4時間目の地理が終わり、ノア・リアム・ラウロと一緒に園庭で食事をとっていたら白色の鷹が近づいてきた。とまり木を用意するとそこに降りてきた。足には文がついていたそれを取ると鷹は再び空を舞い来た方角に戻っていった。
ラウロがさっきの鷹が飛んでいった方を見ながら
「魔法鳥か。」
と呟いたリアムとノアは手紙に付いてる紋章を見て
「エリ―!いつの間に受けた‼」
「まさか昨日休んだのはこの為だったのですか?」
僕は、答えずにひと口紅茶を飲んでから手紙を開くと
『ユイセント・エリ―様
おめでとうございます。
合格
昨日受けました魔術騎士見習いの部で、あなた様は近衛隊第1団体の見習いに配属されることになりました。明日から朝3時から7時まで第1訓練場にて早朝訓練。夕方16時~22時までが訓練時間です。この時間はユイセント・エリ―様が学園に通われていると言うことで昼の部は無しと致しました。服装は、寮に送ってあります見習い服を着てください。
近衛隊第1団体隊長 バタリオン』
と書かれていた。
リアム・ノア・ラウロに軽く説明すると
「何故なにも言わなかったんだ!?」
「合格おめでとうございます。しかし何故少しも相談してくれなかったのでしょうか?」
「お前は女だよな?」
と口々に言われた。
「まずリアムとノアの質問の答えは
絶対に反対すると思ってたから言わなかった。実力で受かりたかったから話さなかった。それに試験の事を言われたのが一昨日城に行ったときに父さんにいきなり云われたから、相談も受けると言うことも言ってる暇がなかった。」
二人が考え込んだのを見てからラウロを睨みながら
「ラウロの質問の答えは
勿論女性です。今は男性の格好をしてるだけですから。」
ラウロは笑いながら
「冗談だよ~そんなに怒るなよな」
「貴方の冗談は本気にしか聞こえません」
リアムが何か言おうとしたときチャイムが鳴り教室に戻った。
ノアは考え込んだままで何を言っても上の空あれ以来「ああ。 うん。 ………。」のどれかだった。リアムの場合何を言おうとしたのか聞き出そうとしても「お前の気のせいだろ。 ほっとけ」と教えてくれる気配がなかった。授業に集中出来ないまま時間が過ぎ放課後になった。
リアムとノアは手紙が届き城に戻った。
ラウロは、訓練室で魔法の練習。
僕は、明日に備え体を休めていた。




