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戦禮のアンジェクルス  作者: 黒須かいと
59/83

第七章「連邦国立出雲士官学校」 (10)

 Ⅹ

 フィッツの作戦は裏目に出た。というのも、最悪のポイントでマガツヒが出現したのが大きな誤算であったのだ。

 目的の崖を目前に、無意識に震えだした腕を心で叱り付けながら、フィッツは真っ直ぐに相手を見据えた。

――セシルは? まさか、やられちゃったなんてこと……無いよね?

 目の前のこの悪魔のような機体さえいなければ、背水の陣を取り、得意のジャンプで避けつつ己を捕まえようと近づいてくる敵を、崖から一気に落とす心積りでいたのだ。

 これにより敵を完全に倒すことは出来ずとも、戦力を分散させ、味方が格段に戦いやすくなり、なおかつ、自分は必要最低限のエネルギーで時間稼ぎをすることが可能であった。だが、現状でそれは不可能となる。

 マガツヒは飛行タイプのアンジェクルスだ。当然、下が崖だろうと海へ落とすのは直撃以外の方法ではありえない。つまり、地上にはジュダス。上空にはマガツヒという、絶体絶命の状況となってしまったのである。

「さて、ウサギさんはこの状況でどうするつもり? さっさと白旗上げた方が身のためだと思うけどなあ? その方が僕らも楽でいい」

 馬鹿にした口調で告げる相手にフィッツは、恐怖心を悟られまいと低い声音で答える。

「簡単に渡すわけにはいきません。それに、貴方はどうして敵側に寝返ったんですか?」

「そんなの単純な話しだよ。僕はこの国に魅力を感じなくなった。もう時機にこんな小競り合いだけじゃすまなくなる。さて、その時ここは果たして地球共同連邦(アースライン)として存続出来ているのか、実に見物だね」

 けたけたと不気味に笑う相手に鳥肌が立つ。まるで、いや、確実にこのピーターという男は、戦争という事柄を楽しんでいる。それはフィッツと竜也がもっとも無くしたいと願うものであるだけに、彼の心情は荒れた。

――落ち着け、敵のペースに飲まれちゃダメだ。何か打開策を考えろ……っ!

 その時であった。フィッツの目に微かに光がちらつく。向こう側から何かが飛んできたのだ。そしてその光はマガツヒの右脚部を撃ち抜いた。

「なにっ?」

――今だっ!

 この機を逃がすわけには行かない。フィッツは脇目も振らず崖に向かって走り出す。そして迷うことなく、その崖からガブリエルの機体を落下させた。こちら側の海には敵は潜伏していないという前提での、ある意味賭けであったが、今は迷っている暇などない。

 結果として激しい水音と共に、敵はガブリエルを見失った。

「くっ、何をしている。追えっ!」

 ピーターは激怒した口調で指示を飛ばす。ジュダスたちは言われるままに、次々に海中へと飛び込んで行く。そしてピーター自身も、片足となったマガツヒで海上からいつでも浮いてきたガブリエルの頭を狙える位置へと移動した。崖の壁を背後にした状態ならば、先ほど受けた攻撃も避けられるだろう。

 彼もナノマシン保有者であるがゆえに、集中すれば自ずとフィッツの位置を探索出来た。しかし、マガツヒは海中用には改良されていない。こうしてまだかまだかと苛つきながら、相手の出方を待つしかない。

 フィッツは敵が上空から海の底まではビーム兵器が届かないとあらかじめ踏んでいた。それでも、不利な状況が変わるわけではない。

 後からすぐに追ってきた敵の魚雷を回避しつつ、自身の弾でも打ち払う。とにかくいち早く陸に上がり、障害物に隠れなければ敵の手中から逃れる道は断たれるであろう。

――そうだ、地雷原! あそこまでたどり着ければっ!

 そう思ったのも束の間、敵の弾が足元をかすめた。スラスターの動きが鈍くなり、多少の減速を余儀なくされてしまう。

――もう少し耐えてっ!

 水深が浅くなり、そろそろ海底をジャンプで蹴って一気に地雷原を飛び越えることができる。そうすれば、後から追ってきた敵を誘い込めるはずだ。

 フィッツはその時、何を思ったか、自身の髪を留めていたリボンをさっと解き、ルナの首輪に適当に結びつけた。

「ちょ、ちょっと! 何だって言うのよこんな時に!」

「……大事に持ってて、お願い」

 ルナには意味が分からなかったが、ふと見上げた主の横顔は妙に冷静だったことに違和感を覚える。何を一体考えているのか問おうとした時、ガブリエルが背負っている盾に、雷撃が直に当たった。

「うっ、く……っ!」

 それでもなんとしてでも陸に上がらねばと、操縦桿を握る手に力を込める。ガブリエルの足は海底を蹴り上げ、垂直スラスタは悲鳴を上げながら機体を押し上げた。



「当たった……よな?」

 ヨハンはメタトロンを座らせた状態の膝に砲身を置く形で固定していた。

 ライフルに残っていた、普段ならば一撃ずつ小分けにされているエネルギーを、リミッターを破壊することにより解除し、フルに使い切ったのだ。おかげで砲身は出力に耐え切れず半ば溶けかかっていたが、その分長距離の砲撃に成功した。

 自身で放った改造ライフルの弾道を確認する。確かに感覚としてマガツヒに狙いを当てた手ごたえがあった。しかし、しばらく待ってみても相手が落ちた気配はない。遠視スコープなしの状態では目視で確認するしかないのが歯痒いところであった。

 とにかくフィッツを探さねば……。そう思い機体を立ち上げようとした途端、遠くの方で爆破音が何発も鳴り響く。それは明らかに相手を撃ち抜いた音ではなく、何かが大きく地面から爆ぜた音である。

「な、なんだ?」

 ヨハンが動揺する最中、時を同じくしてダナンもその音を耳にしていた。

 ダナンは出雲チームの防衛線を掻い潜ってやってくる敵を排除しつつ、今だ竜也たちを連れて帰ってこない貴翔たちを待っていた。

――今の音は貴翔が工作しておいた地雷か? 誰かがあそこまで敵を追い立てたのか?

 何にしろ、とにかく急いで戻って来てくれと、さすがに冷静にはなれず焦ってしまう。落ち着くんだと自身に言い聞かせながら、出雲チームを横目で確認する。皆一様に機体にそれぞれ傷を負っていたが、中でも損傷が酷かったのはアマテラスであった。

「はぁ、はぁ……」

 操縦桿を握るアリスはもはや限界であった。本人の体力もさることながら、機体の足回りにもガタが来ている。

 とうとう貴翔から預かった長刀を地面に刺し、ずるずると落ちるようにして、アマテラスは片膝をついた。

「ダメっ、立ってアマテラスっ!」

 アリスが悲痛な叫びを上げるのと同時に、敵はその隙をつくように、彼女目掛けて突進してくる。逃げようにも上手く足が動かない。アマテラスはほぼ抵抗できずに首元を掴まれ宙釣りにされてしまった。敵はそのまま素早く試合用強化ハッチに手を伸ばす。

「――っ!」

 恐怖のあまり悲鳴も出せない。その事態にアキラは気づき、咄嗟にイザナギの矛をアリスに襲い掛かる敵に投げつけた。だが、それが脇に刺さるものの、ジュダスは動きを止めない。この機体もまた、無人機であったのだ。

――辰巳ちゃんっ!

 上っ面の強化ハッチが引き裂かれ、本来のハッチが露になる。もはやこれまでと諦め掛けたその瞬間であった。

 轟々と唸る風を孕んだ稲妻の矢が、敵の肩口を貫いたのだ。さすがに力を失った機体は、がくりとアマテラスを手放しながら横へと倒れていった。

 アリスがぱっと顔を上げて、矢の飛んできた方向を見やる。そこにはなんと、スサノオの弓を携えたミカエルが立っているではないか。

「あ……」

 アリスはそれを動かしている戦禮者を確認せずとも、その意味を察し、思わず口元を両手で覆った。

「アリス、無事かっ?」

「辰巳ちゃんこそ……良かった、本当に……」

 モニターに映った幼馴染の顔に安堵し、青灰色の双眸から涙が溢れる。

「へっ……、上出来だ兄貴」

 辰巳の隣には、包帯を巻かれ、痛み止めを投与された竜也が、雷神と共に搭乗していた。息も絶え絶えだが、何とか今のところ一命を取りとめていた。一時は完全に意識を失っていたが、貴翔たちに発見され、アンジェクルスの前に来た途端目を覚まし、兄の辰巳に自身の機体を操作するように提案したのは、他でもない竜也自身であったのだ。

 本来の戦禮者でなくとも、声紋認証と指紋認証を本人である竜也が行い、登録されている誓鈴とタッグを組めば、辰巳であれば難なく動かせるだろうと踏んだのだ。

 竜也の機転で、事実、アリスは正確な辰巳の射的能力で命拾いしたことになる。しかし、やはり無理をしていたようで、たった一言兄を褒めると、またがくりと竜也は力尽きた。

「おいっ、しっかりしろ竜也!」

 慌てる辰巳にウズメに乗り込んだカリンは彼を勇気付ける。

「大丈夫だよたつみん。やれるだけのことはやったから、今は寝せといてやんなよ」

「発見してから応急手当するまで、さすがの手際でしたからね」

 呼応するように貴翔は珍しく他人である彼女を褒め称えた。それほどまでに彼女の処置は完璧であったのだ。

「風神はこっちにいるから、たつみんは安心しておもっきし戦っていいかんねっ!」

「二人とも……いや、誓鈴たちも、本当によくやってくれた」

 ダナンは感嘆交じりの声を漏らすと、きっと敵側を睨みつける。

「アキラ、残りは何体ほどだ?」

「……おそらく、海底に潜んでいる有人のイブリーズが四、五体。残りは今目の前にいる限りだ」

 見渡せば出雲チームが破壊したとみられるジュダスがそこかしこに倒れていた。彼らの苦労の甲斐あって、残す敵は目視の限り八機。こちらもまともに動けるアンジェクルスはアズライールとミカエルだけであるが、何とかなると踏み切れる数である。

「行けるか?」

「はい。ご迷惑をお掛けした分、やらせてください」

 辰巳は三本分の矢を番えると、一気に放つ。ダナンもそれと同時に飛び出し、敵を次々に切りつけた。しかし、そこで妙な違和感を二人して感じる。

 敵はもはや戦意を喪失したように後退し始め、あるいは損傷の激しい物は電源が落ちたようにその場にばたばたと倒れ始めたのだ。

「これはいったい……?」

 辰巳がふと空を見上げると、そこには小隊を編成し、それを引き連れて来た量産型タイプの主天使級と、キリル少佐のネービーブルーの翼を持つアンジェクルスがこちらに向かって来ていた。

「貴様らっ! 無事か?」

「エルンスト教官っ!」

 ダナンは聞き慣れた声に反応する。その瞬間、その場にいた一同は本来の意味で安堵し、全身の力が抜け落ちる感覚を覚えるのだった。



 その後、すぐに教官たちは周りに残った敵がいないか調べ上げたが、潮が引いたように辺りは静かであった。当然のように、ピーターもマガツヒごと綺麗さっぱり姿を消していた。

 遅ればせながら正規軍である地球軍海上部隊も到着し、丁寧に海底を探索してはみたが、結局のところ何の成果も見出せず、捜索は打ち切られてしまった。

 緊急事態をたった一人で知らせに行き倒れたセシルは、一旦NSW社へ送り帰され、背中の全面に重傷を負った竜也は、出雲の集中治療室へと担ぎ込まれた。

 なんとも気持ちのすっきりとしない終幕に、生徒会一同は互いにやり場のない憤りに困惑し、己の力不足に苛立ちを募らせる。

 中でもダナンは何か思いつめたように、出雲の来賓用宿舎の窓辺から、夕方の海を呆然と見下ろしていた。

「竜也は応急処置もあったおかげで一命を取り留めました。しかし……」

 ダナンの側へとそっと寄って来た貴翔は、項垂れながらベッドの端へと腰を下ろし、深い溜息をついた。

「このことを、目覚めた竜也に誰が伝えるべきか……」

「俺がチームの代表だ。俺の口から言うしかあるまい」

 ダナンはそう外を見つめたまま答えた。どこか心ここにあらずといった様子の彼のことも、実のところ貴翔は心配であった。

「なにか思い当たる節でもあるのですか?」

 そう聞いた途端、ダナンは妙に慌てた様子で立ち上がった。

「いや、なに……気にするな。すまない、少し外の風に当たってくる」

 彼のそのぎこちない様子に、貴翔は再び溜息をついてしまう。思えばダナンの様子が妙にそわそわし出したのは、文化祭襲撃事件以来である。今回の出来事で、ますますそれに拍車が掛かったように貴翔には映っていた。


「なぁ、アスカ」

 出雲の食堂で、少しも進んでいない食事をフォークで無意味に突きながら、ヨハンはぼそりと悪友を呼んでみた。

「ん、なんだい?」

 呼ばれた方も、何だか気のない返事をする。二人とも、まるで抜け殻であった。

「俺らさ、実戦ってやつ、体験しちまったんだよな……。なんかさ、もっとこう、悪い奴やっつけてすっきりするかと思ってたのに、なんだろうな。すっげぇ今嫌な気分しか残ってないぜ……」

「そりゃそうだろうね。これでテンション上がってたら、僕君のこと本気で軽蔑するよ」

「はっ、違いねぇなあ……」

 二人はそろって黙りこくり、仕方なしに目の前の食べ物を口へと運んだ。出雲に到着して口にしたこの食堂の味への感動は、今やどこかへ吹っ飛んでしまっていた。もはやしょっぱいのか、甘いのかすらもわからない。

「正規軍に配属されたら、その度にこんな気分味わうのかな」

 ぼやいたアスカの言葉に、ヨハンは静かな口調で「病むのと慣れるの、どっちが先だろうな」と、宛てもない質問で返すのだった。



 集中治療室の心電図は静かに規則正しい波形を表している。それでも、また身内を失ってしまうのではないかという恐怖心から、辰巳は付っきりでたった一人の弟である竜也の側に座っていた。

 そんな彼に、アリスもまた甲斐がいしく世話をする。今は丁度、一人では何も口にしようとしない辰巳に、簡単に摂れる食事を持ってくるといって離席していた。


 ピーターの裏切りで巻き起こった孤島での事件は、民間人の不安を煽るという理由で、報道は軍部により厳しく制限されていた。

 辰巳はそのことが、なにやら一般の人々に都合の悪いことを包み隠しているように映り、余計に気持ちにざわつきを覚える。

 地球の、しかも士官学校の行事という、言わば国家権力の管轄内で起こった事件を軽視しているのではないのだろうか。いつしかアキラが言っていた通り、軍部、特に地球軍は己の私利私欲のみに血眼になり、実際の存在意義である地球防衛の任を片手間にしているようにしか受け取れなかった。

 このようなことがまかり通り続けていいはずはない。辰巳は人知れずぐっと膝の上で拳を握り締めた。

「うっ……」

「竜也っ?」

 自然治癒力を高める高酸素カプセルの中で、横たわる竜也が眉を少し顰める。慌てて立ち上がったものの、蓋を勝手に開けるわけにも行かず、ただ中にいる弟の顔を見つめるに留まった。

「……ここは?」

 覚醒した竜也に人心地つく。それにつられてついまた目頭が熱くなるが、ぐっと今回は堪えて質問に答えてやった。

「出雲の集中治療室だ。十日間ほど眠っていた」

「そんなに?」

 竜也はそう言うなりカプセルの蓋を内側から押し上げ開く。辰巳は無理をするなと制止するが、何やら相手は辺りをきょろきょろと見渡し、とある人物を探しているようであった。

「なあ、他の皆は無事だったのか? あいつは……フィッツはどうしたんだ?」

 その疑問を投げかけた途端、辰巳は押し黙ってしまう。普段ならばこういう時、ヴァルキリー戦で遭難した後もそうであったように、親友は必ず側にいてくれたものである。それが、この場にいないのは、酷く違和感を覚える。

「皆は無事だった。けど……」

「……けど?」

 やっとのこと重い口を開いた兄に対して、ついその先の言葉を急かしてしまう。だが、その続きは一向に語られる様子が見受けられない。

「なんだよ兄貴、はっきり言ってくれなきゃ分からないだろう? あいつも怪我したのか? 酷い容態なのか、なあっ?」

 自身の背中の傷とてまだ完治には到底至っていないにも関わらず、竜也の語尾は次第に強くなり、自然と腕は黙ったままの辰巳の胸倉を掴んでいた。

「……落ち着け」

「俺は落ち着いてるっ! あんたが教えてくれないから――っ!」

 痺れを切らしたように、竜也はカプセルの中から出てきてしまう。辰巳を庇った体は、背中が一番損傷の度合いが酷かったというだけで、他にもあちこち傷を負っていた。その中でも次に大きな裂傷があった右脹脛を引きずりながら、あろうことか集中治療室の扉を開けようとする。当然、辰巳は扉の前に両手を広げて立ちはだかった。

「馬鹿っ、傷が開くだろう!」

「兄貴が分からないなら違う奴に聞くしかないだろう? 通せよっ!」

 正直、弟がここまで焦りの表情を露にしたのを、辰巳は初めて見た。普段であればこういう場合殴ってやっているところだが、相手は怪我人で、つい先ほどまでカプセルで寝ていたのだ。それに手を上げる気には到底なれない。

 そこに、タイミングよくアリスが入室してくる。二人の様子を見た瞬間に驚愕して間に割って入った。

「何してるの竜也ちゃん! ダメだよ、まだ寝てなくちゃっ!」

「アリス、頼む。フィッツはどうなったのか知らないか? 知ってたら教えてくれ!」

 必死な形相で両肩を掴まれたアリスは、怪我人のわりに力強いその握力に圧倒される。

「い、痛いよ竜也ちゃん」

「……あ」

 悲痛な面持ちで訴えられ、やっと竜也の錯乱しかけていた脳は水を掛けられた様に冷めていった。

「悪い……」

 それだけ言うと、竜也の足元はおぼつかず、結局辰巳の肩を借りてカプセルへと戻される。

「今は横になっていろ。お前のリーダーはダナン会長だろう。もう少し傷の具合が良くなったら、その時改めて詳しく説明してくれるはずだ。だから、今はとにかく安静にしていろ。わかったな?」

 興奮したせいか、竜也は肩で息をしながら、少し不服そうに頷き、瞼を再び閉じるのだった。




 ガブリエルの機体は粉々に砕け散り、フィッツ本人の遺体は確認されなかったものの、生存の確率は絶望的であるという報告が、ダナンにより竜也に齎されたのは、それからさらに数日後のことであった。

 奇しくも、その日はフィッツの誕生日を次の日に控えていた。

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