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90.私のいうことは絶対!

話を終えて、振り向くと2人がほっとした顔をしている。

ニールさんがほっとするのはまぁ、なんとなくわかるけど。

イグニスさんは見慣れてるんじゃないの?


「あの…イグニスさん、大丈夫ですか?」


「あ、いや…この儀式、数回見てますが…

こんなに光が集まって…時間がかかったのを見たのは初めてなもので。」


あー、他の巫女さんとはほとんど喋れないって言ってたもんね…。

イグニスさん、ニールさんを止めたけど、実はちょっと焦ったのか。

「よかった…」って酷い顔で泣いている残念な人(ニールさん)にも


「だ…大丈夫?」


と聞いておく。


「リリアが消えてしもたらどないしよって思って…。」


だからって…大の男が酷い顔で泣くのはどうかと思うよ?


「大丈夫、私はここにいるよ?お兄ちゃん。」


安心させるためにもそう呼んでおく。

泣きながらデレてる…

こないだまでの感情は寂しさからくる気のせいだったな、うん。


すると、バタバタの足音が聞こえる。

濃いグリーンの髪の中年男性がこちらに走って来た。

膝に手をつきゼーハーしている。


「今…巫女の…儀…を終えたのは…彼女です…か…?」


「はい、そうですが…落ち着いてください、教会長。」


あ、偉い人か。


「落ち着いている場合ではない!

普段、あちらから話かけてくださらないプミロア様が…

突然…話かけてくださって…今儀式の終わった子の言うことは…絶対だと…」


は?なに怖いこと言ってくれちゃってるの?

王様ゲームの罰みたいなんですけど。

とりあえず、誤解解いとこう。


「あの…プミロア様、人見知りが激しすぎてまともに喋れないっておっしゃってまして…

なんではわからないですが、私とはちゃんと喋れるみたいです。

だから、私がしばらくは伝達を行いますねってお話を先ほどしまして…

でも、私がいきなりそんなこと言うのはおかしいので、

話は通しておいてくださいねってお願いしたんです。」


「あなたのお名前は…?あぁ、先に私が名乗るのが礼儀でしたな。

私は教会長のジャンと申します。」


ジャンと名乗った男性は中肉中背の男性だ。

背は高くないが、雰囲気のあるナイスミドルだった。


「リリアと申します。先ほど正式な巫女になりました。」


ぺこりと頭を下げる。

私がアイリさんだからってとこを隠した以外本当のことだから、

ここで嘘だなんて言われたらもうどうしようもないんだけど。

ミリスさんは私の容姿を見て、「ふむ」と声をあげる。


「その容姿なら仮説があてはまるし…そうなのだろう。」


「仮説?」


「あぁ、プミロア様は知っての通り、あまりに話上手ではない。

酷い時は巫女候補に一声もかけてくださらぬ。

話が出来たものの共通点を探ってみると、緑髪か緑眼なのだ。

なので、最近はどちらかが当てはまるものに声をかけていたのだよ。

リリアさんと言ったね、君はそのどちらにも当てはまる。」


ここにいるジャンさんもグリーンの髪、

イグニスさんは眼鏡の奥をよくみると濃いグリーンの瞳をしていた。


「だから、君がちゃんと話せたというのは我々の仮説が正しかったと。

別に不思議ではないと思ったわけで。

それで…プミロア様はなんと…?」


言いづらいなー。ペーペーがいきなり5大ドームツアーやるなんて。

しかも開催したい理由が女神の妹?(アイリ)が面白そうだって言ったから。

なんて…言えないわー。

でも言わねば…あまり時間はかけていられない。


「5つの大陸にある大きな踊り場で演目をしてほしいと。

なるべく時間をかけずに。しかも、私に…。

正直無理だと思うんですが…。方法は任せるとも言ってました。」


ジャンさんの顔色を伺いながら、精一杯申し訳ない顔をして言う。

ジャンさんは眉間に手を当て考えこんでいる。

やっぱりそうですよね。困りますよね。


「あの方は時折そういうことを突然言い出す…。

いいんです、慣れています…。」


あぁ…可哀想。きっと

アイリさん→プミロア様→ジャンさん

ってトップダウン形式で来るんだろうね…。でもトップが女神じゃないってとこがまたすごい。


「なんとか…してましょう。

本来、知名度がないと大きな踊り場は貸してもらえませんが…

リリアさん、あなたはキアバで活動してましたね。

キーヨートなら人も集まりますから大丈夫なのではと思うのですが。」


なるほど…。そこならなんとか…なるかな?

あとはブレイ、ミナ、クラリティ、ラフィティの4つ。

ん…?そう言えば!


「ラフィティの踊り場があるところの領主の息子さんが知り合いにいます!

そこは手紙を書いてお願いしておくことができるかもです。」


少しでも使えるものは使っとこう。例えそれがマリオでも。


「ブレイはオーサの港の演目で名前をできる限り、売っておきましょう。

あとは…ミナとクラリティ…この2つは地道に行くしかないか…。」


この2つだけにできるだけすごいんだよね…。


「とりあえず、本来は見習い期間は半年ほどですが…

リリアさんは即戦力としてお声掛けしましたし、

キアバで3ヶ月くらいやってましたので、ひと月ほどで出発しましょう。

各大陸をどのように回るかはまた後で。

…とりあえず、装束から着替えたら、案内します。」


なんだかバタバタと話をしてしまった。

後ろでニールさんとイグニスさんがポカーンとしている。

完全に置いてきぼりにしちゃったな。

そう言えば、ニールさんの方の仕事は大丈夫なんだろうか…

まぁ、あの人はチートだから大丈夫…かな…?


















読んでくださってありがとうございます!

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