85.卒業
いよいよ卒業の日になった。
一応この学校にも卒業式があるようだ。
参加するのは6年生と教職員だけのようだが、
しれっと正装してニールさんが紛れ込んでいた。
…あの人、学校の教職員にも馴染んでたからな…
この際なんでもありなのか…。
ルーロウ校長が今後の心構えなどを訓示を述べる。
飽き始めた生徒が出始めたなと思った時、
「では、私の話は以上。
門出に相応しく、
歌を歌ってもらおうと思う。
リリア君、お願いできるかな?」
うぉい!ここで?!
校長ー?!
「曲は任せます。」
また仕事投げた!!
校長…酷くない?
…あれかな。
私のチョイスは
5人組アイドルの主演映画主題歌。
卒業ソングだ。
たった1年ほどだったのに。
たくさん思い出ができた。
さようなら。ありがとう。
その気持ちを込めて歌った。
でも、このままだとしんみりしすぎるので、
そのまま明るい方の挿入歌の卒業ソングも
メドレー方式で繋げて歌う。
また会えることを願って。
歌いおわると拍手が。
生徒は盛り上がる人、泣いている人、
無反応の人、それぞれだったが、
先生方にこやかに笑っていた。
なぜかニールさんは泣いていた…。
ねぇ、なんで?
「リリア君、ありがとう。
これにて、卒業式を終了する。」
ルーロウ校長が宣言して式は終了した。
式が終わって、寮の下級生が挨拶来たりする。
私は同部屋の子はいないから挨拶に来る子いないはずだが、
なぜかエリオットがやってきた。
まず、近くにいたエリーちゃん、
エヴァルドルフ君に挨拶した。
「エリー姉様、エヴァルドルフさん、
卒業おめでとうございます。
…お幸せに…。」
少し悲しそうに笑いながら言う。
エリオット、大人になったね…。
「リリア、卒業おめでとう。」
お、私のことはリリア扱いか。
「俺の嫁になりたくなったら
来てもいいぞ…その…
手紙もくれてもいいんだぞ…。」
前言撤回。
大人になったんじゃないわ。
「10年後、名実ともに
立派な騎士になってたら考えるわ。」
そう返しておく。
まぁ、きっと覚えてないだろ。
エリオットが膨れていた。
まぁ可愛い(棒)
そんなことをしていると、
マリオが声をかけてきた。
「リリアの歌声、とても素敵だったよ。
巫女になって、ラフィティ大陸の我が領に
来ることがあったら、知らせてくれ。
歓迎するよ。」
苦笑いしておく。
リリアがこの人に手紙、書くかな…?
そこはリリアに任せよう…。
「では、ご機嫌よう!」
なんだったんだろ、あの人は。
下級生達の挨拶を終えて、
シャロンちゃん、マリーダがやって来た。
「もう学校もおしまいだねー。
寂しいなー。」
「私は居残りだけどね!」
「私達は今日出発するから、
もうお別れだな…。」
エリーちゃん、エヴァルドルフ君は
今日出発してクラリティ大陸に帰るらしい。
「リリアちゃんは?」
「とりあえず、
キアバでイグニスさん、
プミロア様の所の人と待ち合わせしてるから。」
「じゃあ帰りは別々かー。残念…。
でもブレイ大陸なんだよね!
正式な巫女になって初演目も行くからね!
手紙書いてね!」
「うん。」
「こっち来るときは言ってね。
キアバでも、キーヨートでも。」
「ブレイ大陸に来るのが決まったら言ってくれ。
2人で行くからな。」
「「「またね!!」」」
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